「香港インターナショナル・ダイヤモンド、ジェム&パール・ショー」「香港インターナショナル・ジュエリー・ショー」(後編)

「香港インターナショナル・ダイヤモンド、ジェム&パール・ショー」
「香港インターナショナル・ジュエリー・ショー」
(後編)

インタビュー①
株式会社クロスフォー代表取締役社長
土橋秀位氏

土橋秀位・クロスフォー代表取締役社長

——御社は設立して以来ほぼ毎年イベントに出展しているそうですね。

もう20年になりますね。これだけ長く出展しているととても実感するのが「香港は世界の窓口」であるということ。この20年振り返るとジュエリー業界も大きく変わりました。少子化に伴い、人口減少と同様、ジュエリー業界も厳しくなりました。最盛期だった90年代初頭は3兆円規模でしたが、今では9800億円です。業界そのものが寂しくなっていますね。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、また海外からの訪日者数も増えるでしょうから、期待をしたいところです。

——国内ジュエリー市場が縮小している中、御社の開発した「ダンシングストーン」は、香港をはじめ、世界的にヒットしていますね。

「ダンシングストーン」は2011年に開発したものです。この商品を作るにあたり、最初に手掛けたのが「クロスフォーカット」という46面体にカットした宝石に光の十字が浮かび上がるカットです。これは人のわずかな動きをダイヤモンドの振動エネルギーに変えることで、宝石が揺れ続くものなんです。まるで宝石が踊っているように見えるところから「ダンシングストーン」と名付けました。商品を開発する前から、「世界で一番輝くジュエリー、ダイヤモンドを表現したい」という思いずっとありました。それを実現させたのがこの商品です。角度によっては大きくみえたりするんですよ。

——販売を始めた2011年以来、売り上げは右肩上がりですね。

ありがたいことに、ずっと伸びています。日本国内以上に海外での知名度が上がっているのはうれしいですね。香港はもちろんのこと、欧米の国際展示会でも声をかけていただくなど、ありがたいことです。世界的に人口が減っている中、こうして成長を遂げているなかわれわれも、大きなチャンスだと思っています。現在、年間販売数は360万個にのぼっており、世界的に高く評価をいただいています。なお、国内の特許は2013年に取得しており、中国、アメリカ、ヨーロッパなどで特許・意匠権を取得しています。現在さらに10カ国以上で特許を申請中です。

——香港には100%子会社を設立されていますね。国内事業とはどう異なりますか。

日本では、OEMと自社ブランドで完成品の製造・販売を行っていますが、香港を中心に海外市場では、ライセンスを軸とした部品販売をしています。これは、パーツ販売に絞ることで、低コストで海外展開が可能になるからです。貴金属の輸出入に関しては高い関税がかかりますし制約も多い海外に比べると香港は、自由貿易、いわゆる「フリーポート」。商品の輸出入に関税が課しません。加えて展示会の規模・数、さらに世界中の人たちが集まりやすい「アジアのハブ」ですね。まさに香港に子会社を設立しなければ世界に出すことはできなかったほどです。弊社の利益の半分は海外です。香港は消費国ではありますが、「世界の窓口」としての役割があります。今後さらにアジア市場をさらに強化していき、世界中の女性が「ダンシングストーン」を身に着けて街を歩く姿が見られるようになると嬉しいですね。


インタビュー②
株式会社ユニバーサルコインズ
代表取締役 西村直樹氏

西村直樹・ユニバーサルコインズ代表取締役

——どのような事業を行っているのでしょうか。

アンティークコインの購入から売却に至るまで、顧客の資産形成を全面的にサポートしており、日本では4年前に会社を設立、ギャラリー、店舗、事務所を構えています。現在日本でのスタッフは20名います。会社設立初年度の売り上げは約5000万円ほどでしたが、その後は右肩上がりに売り上げが伸びており、現在年商は30億円にまで成長しています。

——アンティークコインとはどんなものなのでしょうか。

主に100年以上前に発行されたコイン(金貨・銀貨など)を指すもので、現在全世界に20万種類ほど存在すると言われております。その中でも特に200〜300種類のコインにはとても高い価値がついており、デザインや歴史的なものを含め、世界中に多くのコレクターがいます。そしてこのアンティークコインこそが今世界の富裕層の間で今、「資産運用のツール」として注目されています。

資産運用や資産形成といいますと、一般的には、不動産、株などをイメージされる方も少なくないと思いますが、最古のものでおよそ2600年前から存在するアンティークコインは特に、資産価値が高いものです。現在日本ではアンティークコイン市場は200億円といわれていますが、海外では1兆円規模にまで膨らんでいます。このアンティークコイン市場を上手に活用していただけるよう、弊社は認知向上のためにも、こうした国際イベントに出展しております。このジュエリーイベントに出展したのは初めてですが、すでに様々な国のバイヤーや業界関係者と話をしており手ごたえを感じています。

——主にどのような顧客が対象なのでしょうか。

基本は1億円以上の資産をお持ちの日本人のお客様が対象で、資産を減らさずに、アンティークという古き良き美術品に対して関心のある方にプロモーションをしております。アンティークコインの資産性としての最大のメリットは匿名性で買えるということ。さらにコインということもあり小さいサイズなので手軽さがあるという点。金塊とは違う魅力があるということも挙げられます。地震大国の日本ということもあり、資産を手軽に持ち運びができるという点も魅力的だと思います。

——香港の事務所は立ち上げられてまだ半年ほどですが、香港市場の魅力はいかがですか。

香港事務所を立ち上げたのは2018年2月なので、本格的な事業はこれからですね。香港では、日本以上にグローバルな取引ができるという意味でも、海外に拠点を使って海外分散投資をする魅力を発信していきたいと思い設立いたしました。まだ日は浅いですが、日本人向けという部分に焦点を当てると、ポテンシャルがあると確信しています。やはりタックスフリーというのは大きいですね。資産を減らさずに増やしていきたいという方が多い中、国内ですとどうしても消費税が大きくなりますので、「香港で運用して数年後に香港で売却する」という流れをつくるサポートをしていく形をご提案しています。

お客様からは「どんなコインが適しているのか」「相続対策にはどのようなコインは値するのか」など多くのご質問をいただくようになりました。新たなステータスとして資産を分散しながら価値を見出していただくためにも、安心したサポートつくりを構築していきたいと思います。
(このシリーズは月1回掲載します)


【楢橋里彩】
フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。
ブログ http://nararisa.blog.jp/

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