《115》梅の兄犬との再会

行き場のない動物たちを助けたい

大盛況だったドッグイベント(筆者撮影)

先日、私は毛孩守護者(Paw Guardian)から日本円の円にちなんだ「Yen」と名付けられた雌の子犬を引き取った。そして彼らが真の動物たちを救う団体と分かり、お返しがしたくてドッグイベントを中環のギャラリーで9月頭に行った。本来は8月27日に開催予定のはずが、台風が香港に上陸したことから延期に。そしてその嵐の日、私は最期の時が迫っていた我が家の保護犬チャックと丸1日一緒に過ごすことができた。台風が去った後、心臓病の末期で苦しんでいたチャックは虹の橋を渡った。

さて、私にとって初めてのイベントのオーガナイズ。毛孩守護者のボランティアの人たちとともに動物関連の食べ物やオリジナルケア商品、コスチューム、アート作品、トレーナーなどの小さな個人事業者を招き、保護された子犬を置いて里親を奨励するイベントにした。25匹の子犬たちが次から次へとバンで運び込まれるとさすが圧巻。そこに飼い犬を連れた人たちも大勢やってきて大変にぎやかなお祭りになった。

子犬といってもすでに生後5カ月くらいの子たちは体も大きくやんちゃで、けんかを始める子がいれば、おびえてきょうだいと体を寄せ合う子犬もいる。また、お客さんとしてやってきた犬が発情してしまったりと、ハプニングが次々起こる。しかし、ある出店ブースの看板犬さんは1日中、ほえもせずに黙ってイスに座り、英国女王がかつて首に巻いていたカラーを付けた犬などもいて、来場者も楽しんでくれていた様子。そして行き場のない犬たちを助けたいという思いで参加した出展者の人々と意見交換することができた。しかし、犬嫌いの人たちにとっては世にも恐ろしいイベントだと思う。

さて、私はこのイベントで自分の創作物を出展して、子犬の梅に店番をさせていたのだが、私たちは会ってしまったのだ、梅の本当のお兄さんに。梅とは違って黒く、体も大きくてにょろにょろしたウナギのよう。車にひかれたところを毛孩守護者に助けられたお母さんとそっくり。この時おなかの中にいた8匹のうち、帝王切開で助かったのは4匹のみ。母犬は出産後亡くなった。私は、まだ引き取られていなかった梅の兄をみて悲しい気分に。そして、兄に再会した梅はにおいを嗅ぎながら、なんだか感じた様子で一緒にぐるぐると体を寄せていた。

結局このイベントの終了時に梅の兄を引き取ることを決めた。同時に、複数の子犬たちを引き取りたいという人たちも現れた。次回は保護活動を頑張っている猫団体を招待してイベントができたらよいと思った。

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