走光黒点/香港年金計画

走光黒点
女性に注意喚起を促し盗撮被害を減らすために政治団体が公表する
「走光黒点(パンチラスポット)」が大幅に改善された

香港のショッピングセンターにはパンチラスポットがいっぱい

 「パンチラスポット」の公表は民主建港協進連盟(民建連)婦女事務委員会が香港域内の建物を調査しブラックリストを作成している。公表は2016年以来2年ぶり、今回は8回目となる。

 公表されたのは17カ所の多くがベルトの下が透明なガラスになっているエスカレーターや階段、ガラス製の欄干だった。リストにはコーズウェイベイのワールドトレードセンター、ハイサンプレイス、リーガーデン2、アドミラルティーのパシフィックプレイス、チムサーチョイのシルバーコード、海沿いのプロムナードなどの人気のショッピングスポットや観光名所のほか、MTR香港駅(チェックインカウンター近く)なども含まれている。こうしたスポットはミニスカートやショートパンツを履いた女性の下着が見えやすいという危険をはらんでおり、民建連では該当の建物について所有者や関係企業、政府に改善を要求するとともに、女性に注意を喚起している。

 2014年と2016年の公表時には改善がほとんど見られなかったが、今年は2016年に比べて約半数が改善されていた。これに対して、民建連は一定の評価を下しつつも、セントラル駅など改善が見られない場所も多く、MTRチムサーチョイ・イースト駅や九龍駅など新たにリストに上がったスポットもあったため、MTRの対応に不満を述べている。また、民建連がかねてから要求しているMTRの女性専用車両についても回答が得られていないという。


香港年金計画

政府が推奨する香港初の終身タイプの年金型保険商品
「香港年金計画」の発売が開始された

高齢化が急速に進む中、香港では初めての終身年金が登場した

 「香港年金計画」は保険商品の一種で、契約者は保険料を支払うことによって毎月一定額を終身受け取ることができるというもの。梁振英・前行政長官が在任中に創設を提唱し、香港按掲証券がスキームを作成。同社傘下の香港年金公司が7月19日から購入申請を受け付けている。

 対象となる購入資格は65歳以上の香港永住権を所持する市民。保険料は5万〜100万ドル、内部収益率(IRR)は約4%。65歳で100万ドル投じたとすれば毎月の受け取り金額は男性5800ドル、女性5300ドルとなる。海外在住でも購入可能だ。域内の銀行20行の支店約700カ所で購入申請用紙を配布し、8月8日まで申請受け付け、8月末に抽選、9月中旬までに申請者に割り当て結果を通知する。早ければ11月初めに最初の年金を受給できる見込みだ。発効規模は100億ドルだが、香港按掲証券公司主席を兼務する陳茂波・財政長官は購入申請が発行額を超過すれば最高で200億ドルまで引き上げることを明らかにしている。

 日本を抜いて長寿世界一となった香港は今後、超高齢化社会に突入する見込みだが、年金制度といわれるものは2000年代に初めに始まったMPF(強制積立金)しかない。MPFは雇用者と被雇用者が共に積立を行い、65歳で一括受給する仕組みで、毎月一定額が一生涯受け取れるものではない。また、世代によってはMPF自体に加入していないもしくは年数が少ないといった問題もあり、終身タイプの年金型保険商品の必要性が高まっていた。

(この連載は月1回掲載)

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