7月23日〜8月10日のニュースから抜粋

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723日〜810日のニュースから抜粋
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■関東4県の青果と乳製品が輸入解禁

 香港特区政府食物安全中心(CFS)は7月20日、東日本大震災の原発事故により制限されていた一部の日本産農産物の輸入を24日から条件付きで解禁すると発表した。20日付政府公報によると、対象となるのは4県(茨城、栃木、千葉、群馬)の青果物と乳製品、粉ミルク。輸入の条件として、食品の産地および放射性物質含有量が食品法典委員会によるガイドラインの基準値を超えていないことを証明する日本側の農林水産省発行の放射性物質検査報告書と、輸出証明書の提示が必須となる。しかし、福島県産の青果と乳製品については禁輸のままとなる。CFSのスポークスマンは、「特区政府は食物の安全を考慮し、2011年3月24日から日本からの輸入食品のサンプルを49万個以上検査したが、ガイドラインの基準値を超えたサンプルは1個もなかった。2016年9月以降は、いかなる放射性物質も検出されていない」とコメント。CFSでは今後も引き続き毎営業日にホームページで、日本からの輸入食品の最新の検査結果を公表するという。

■新紙幣デザイン決定、第4四半期発行

 今年から来年にかけて発行される新紙幣のデザインが決定した。7月25日付香港各紙によると、発券銀行は従来通り、スタンダード・チャータード銀行、香港上海銀行(HSBC)、中国銀行の3行で、発行紙幣は20〜1000ドルの計15種類。各紙幣にはホログラムやエンボス加工など偽造防止のための6つの最新技術が用いられている。今回最大の特徴はそのデザインで、全体で共通のモチーフが図案化されており、1000ドルは金融サービス、500ドルは香港地質公園、100ドルは広東オペラ、50ドルは蝶、20ドルは点心と飲茶文化といった内容が各行異なった解釈で描かれている。発行予定は1000ドルが18年第4四半期、500ドルは19年の春節(旧正月)前、20〜100ドルが19年中となっている。

■女性監督、本土で強姦未遂を公表

 香港の女性映画監督、林淑貞さんがロケのため海南島のホテルに滞在中、隣室の客に強姦されそうになったことが分かった。7月25日付香港各紙によると、7月16日朝6時ごろ、ホテル18階にある部屋で就寝していた林さんは突然、黒いパンツしか身に着けていない裸の男に襲われたが、抵抗して相手を殴り、男は逃走。その後、公安が容疑者を逮捕し、男は隣室に宿泊していた海南航空の見習いパイロットであることが分かった。酒に酔ってバルコニーを伝って部屋に侵入したと供述したそうだ。しかし公安は和解を勧め、「パイロットの育成にはコストがかかる」「男を殴ったのだから、男を訴えればあなたも襲撃罪で訴えられる」などと、告訴しないよう説得したという。林さんは2度にわたって事件を立件するように公安に要求したもののかなわなかったため、7月23日に事件に関する声明を発表。事件の詳細について公表するとともに、法の公正を呼び掛けた。その声明発表から1日もたたないうちに海口市公安局は事件を立件したと発表し、海南航空でも容疑者を停職処分にしたことが明らかになった。

■資産家と元恋人の半裸死体発見

 高級マンションで下半身に何も付けていない状態の男性と女性の遺体が発見された。7月26日付香港各紙によると、現場は紅磡の高級マンション昇御門の一室で、遺体で発見されたのは資産家でフリーライターの劉佩明さん(40)と元交際相手の女性(34)。男性の母親が、数日間連絡が取れないことを心配して、男性の自宅のドアを業者に依頼し開けて中に入ったところ、二人の遺体が見つかったという。二体とも死斑が浮き出ており、死後すでに数日経過したとみられるが、男性の傍らには果物ナイフがあり遺体にも複数の切り傷があったが、女性の遺体には外傷はなかったようだ。まだ検死の結果は出ていないが、女性の遺体の方が男性より腐敗が進んでおり、先に死亡した可能性が高いという。なおマスコミの注目も高く、男性は母親が資産家で、親子でビジネスをする傍ら相当な額の財産も譲り受けていたが過去に窃盗罪で逮捕歴があり、女性も統合失調症での通院歴があるなどとセンセーショナルに報じられている。

■24年前の強盗・強姦逃亡犯が自首

 1994年にホステスから金品を奪い、強姦した容疑で指名手配され、今年1月に24年ぶりに自首した男(52歳)の裁判が7月30日、開かれた。7月31日付香港各紙によると、事件当時28歳だった被告は共犯の男と共にナイトクラブで目を付けたホステスに1700ドルで売春を持ちかけホテルへ同行させ、客室に入った途端に手足を縛って監禁。共犯の男が奪ったクレジットカードで3万ドル相当の金品を購入する間、女性の見張り役だった被告は「買春代は後で払う」と言って性行為におよんだという。事件から1カ月後に2人は逮捕され保釈されていたが、翌95年5月の裁判に被告が出席しなかったため法廷が指名手配を命じ、共犯の男だけが禁固7年に有罪判決が確定、服役した。被告は長年にわたり中国本土に身を隠し、その後はバンコクへ逃亡。2014年からタイとミャンマーの国境付近の教会で働くうちに改心し、牧師に罪を打ち明け、牧師からの勧めに従って自首したそうだ。すでに香港身分証を失くしており、中国大使館が身元を確認するまでタイで8カ月間拘留され、今年1月に香港国際空港に到着した時に逮捕された。

■新民党、本土海域の埋め立て提唱

 新民党は8月1日、林鄭月娥・行政長官と会談し、10月に発表する施政報告(施政方針演説)の策定に向けて43項目の提案を行った。2日付香港各紙によると、新民党の葉劉淑儀(レジーナ・イップ)主席らは会談後に記者会見し、林鄭長官に提案した内容を紹介。現在の深刻な土地不足と住宅価格の高騰に対処するため、将軍澳と仏堂洲の一帯を埋め立てるほか、マカオにならって香港近隣の中国本土海域の埋め立てを中央政府に要請することや、永住者以外の住宅購入を制限、香港ディズニーランド第2期の用地回収などを提唱した。本土海域の埋め立てはランタオ島以西の一帯を提案し、700〜1000ヘクタールの土地創出を見込む。葵涌コンテナターミナルをそこに移転させて粤港澳大湾区と港珠澳大橋による発展に呼応すると同時に、葵涌の跡地300ヘクタールは住宅開発に回す。またディズニーランドの入園者数が減少していることを指摘し、政府はディズニー側と第2期拡張計画の条件を速やかに協議し、開発条件が厳しいものなら用地回収を検討すべきと指摘した。さらに運輸及房屋局の分離も提案に盛り込んでいる。

■市民の本土での就業許可証が不要に

 国務院は8月3日、「台港澳人員在内地就業許可」の撤廃を発表し、香港・マカオ・台湾市民が中国本土で就業する際に就業証を申請する必要はなくなった。4日付香港各紙によると、本土では2005年から施行された「台湾香港澳門居民在内地就業管理規定」により本土で就業する香港・マカオ・台湾市民に就業証の申請を義務づけていた。この就業証制度が撤廃されるとともに人力資源社会保障部は8月中にも関連措置を打ち出し、香港・マカオ・台湾市民の就業サービス、社会保障、失業登録、労働者の権利保護などの監督管理を強化するという。香港工会連合会(工連会)の黄国健・理事長は「同措置は香港市民の本土での就業を奨励する政策の一部で、開放政策がさらに一歩前進した意味を持つ」と述べ、粤港澳大湾区の発展に向けた準備と分析。民主建港協進連盟(民建連)の李慧瓊・主席も「これにより本土企業が手続きの煩雑さから香港市民の雇用を敬遠するのを避けられる」と指摘したほか、民建連は香港市民の本土での身分証申請または回郷証を保留しつつ本土での身分証番号を与える「1カード2番号」の実施を引き続き本土当局に要求するという。

■マック難民、7割は非ホームレス

 一般的にホームレスと思われていたいわゆる「マック難民」だが、7割以上が最低限の住まいはあることがわかった。8月6日付香港各紙によると、これは太平山青年商会のリポートで判明したもの。香港内116店舗の24時間営業のマクドナルドで寝泊まりしているマック難民の総数は334人で、アンケート調査が行われたのはそのうちの53人。年齢層では45歳以上が多数派で全体の7割を占め、最年少は19歳だという。71%は公共住宅や極狭アパートなど実際には住むところがあり、それにもかかわらずマクドナルドに滞在する理由としては「無料の冷房」や「清潔さ」が挙げられている。アンケートの回答には「極狭アパートでは家主から1キロワット時につき16ドル程度の電気代を請求される」「無料で水も飲めて南京虫の心配もないマクドナルドは天国だ」という声もあった。意外にも無職ばかりでなく、57%はワーキングプアながら何らかの職業についているようだ。

■ICACが「パチンコ大王」を逮捕

 パチンコ機器製造大手のユニバーサルエンターテインメントの創業者であり元会長の岡田和生氏が廉政公署(ICAC)に逮捕されていたことがわかった。8月7日付香港各紙によると、罪状は「公文書偽造による詐欺計画罪」。カジノ経営で知られる新体育集団の李堅・前会長に対し、1億3500万ドルを無利子無担保で迂回融資していたが、ICACが事実上の贈賄と判断、7月31日に逮捕に至ったという。現在、岡田氏は李氏とともに保釈されているが、パスポートなどはICACが没収しており、香港外への移動や渡航はできない状態となっている。岡田氏はユニバーサルエンターテインメントの会長のほか、同社の親会社にあたり香港で上場している岡田ホールディングスの代表も務めていたが、「お家騒動」で解任。解任の無効を主張し現在も係争中だ。また以前はウィンマカオの経営にも携わっていたが、こちらも経営陣と対立し解任されている。

■電脳節、999ドル4Kテレビも

 今年も8月24日から開催されるコンピューターと電子機器の祭典「香港電脳通訊節」の目玉商品が発表された。8月9日付香港各紙によると、今回はフィリップスの55インチの4Kスマートテレビ(2万7980ドル相当)や、ASUSのゲーム用パソコン(1万3998ドル相当)が999ドルで、ASUSのスマホ(1798ドル相当)や、TP-Linkの家庭用Wi-Fiルーターセット(1068ドル相当)が499ドルで、数量限定ながら購入できるという。もちろん買い物以外でも楽しめる施設も用意されている。今回から新たに設けられた体験ゾーン「創科体験専区」では、香港内の新進IT企業の、AIやフィンテックなどの最新のテクノロジーが無料で体験できる。注目は路邦動力のブースで、専用グローブを身に着けると自身の手のようにロボットをコントロールできるという。会場は湾仔の香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで、27日まで。

■トラム回顧展、開通当時の写真展示

 114年もの歴史を持ち、香港名物の1つとなっている「電車(トラム)」。そのトラムの回顧展が8月9日から始まり、話題を呼んでいる。8月9日付香港各紙によると、主催しているのは香港トラム関連グッズのコレクターとして知られる張順光氏。展示品は20世紀初頭のトラムの写真19枚や昔の乗車券22枚。張氏によると、トラムは開通当初、英国製車両を使用しており、船で車体を運ぶ様子を写した写真もある。第一世代の車両は1等席から3等席に分かれ、香港市民の月給が1ドルから2ドルだった時代に、運賃は30セントもしたそうだ。現在は現金を運賃箱に入れる形だが、昔は車掌がいてキップを売っていた。展示されているキップは1920〜70年代のもの。日本統治時代に日本軍がデザインしたというキップも展示されている。そのキップは数年前にオークションで1枚1万2000ドルの値がついた貴重なものだという。展覧会の会場は香港今旅酒店で参観無料、会期は11月30日まで。

ABC Cooking「海の京都、若狭路観光説明会」


中環の複合商業施設PMQにある料理教室「ABC Cooking Studio」で7月23日、「海の京都、若狭路観光説明会」が開催された。京都は観光客も多く活気ある都会のイメージが強いが、海の京都を知ってもらい多くの香港人に来てもらいたいと観光と食文化のPRをあわせて開催されたもの。スタジオには、生徒とKOLなど18人が参加。舞鶴肉じゃがや舞鶴生ごう(牡蠣)の試食、舞鶴茶の試飲とともに、塗り箸体験や丹後のバラ寿司を作るワークショップとなった。参加者らは「箸作りの体験は初めてだった。一生大切にしたい」「舞鶴生ごうが大きくて驚いた。味もミルキーで感動した」などの喜びの声とともに、観光に行ってみたいと関心を寄せる人もいた。
(写真:楢橋里彩)

カフェ「& Green」で「八重山諸島写真展」


紅磡のカフェ「& Green」で721日より3週間にわたり「八重山諸島写真展with SONY」が開催中だ。これはSony HK契約カメラマンGary Chan氏による八重山諸島の写真展で、一般社団法人八重山ビジターズビューローとSony Corporation of Hong Kong Limitedが共催。21日には会場となったカフェでChan氏による八重山諸島についてのトークショーが行われ約80人が参加。八重山諸島のPR、特産品である美崎牛のハンバーグやパインの試食会などもあり大盛況だった。今回撮影したChan氏は7月上旬に石垣島にわたり、自然や海中、料理などを撮影してきた。自身は今回初の渡島だったとのことで、撮影を振り返り「海中でウミガメに出会い、サンゴ礁に囲まれて、素晴らしい時間を過ごした。離島ならではの魅力を写真を通して発信していきたい」と話した。石垣島・香港間では香港エクスプレス(LCC)による直行便が2016年6月就航し、香港発の搭乗率は夏場をメーンに9割と好調だ。
(写真:楢橋里彩)

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