香港を彩る食と酒の祭典 「フードエキスポ」 「ワイン&スピリッツフェア」  〜世界のバイヤーが湾仔に集結〜

香港を彩る食と酒の祭典
「フードエキスポ」
「ワイン&スピリッツフェア」
 〜世界のバイヤーが湾仔に集結〜

ジャパンパビリオンに押し寄せた来場客(フード・エキスポ)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が2013年12月に「和食」を無形文化遺産に登録して、早くも4年半がたちましたが、世界的な日本食に対する人気には依然、根強いものがあります。特に香港では、日本への旅行経験の多さ(注)に比例するように、日本食や日本の食材・調味料などを愛する消費者が多くいます。

 香港貿易発展局は毎年8月、湾仔の香港コンベンション&エキシビションセンターで、大規模な食品総合見本市「フード・エキスポ」を開催しています。2017年の第28回開催時には、出展者が1542社(香港域内394社、同域外1148社)、来場者が2万932人(香港域内1万1544人、同域外9388人)に上りました。域外からの参加の割合は出展者で74%、来場者で45%となります。世界各地で無数に開催される食品見本市と比べた時に、こうした国際色の豊かさ、出展・来場者の多様性は、本見本市の大きな特徴と言えます。

 2007年には出展者数365社のうちわずか2社を占めるにすぎなかった日本勢も、その後右肩上がりで増加し、17年には出展者数1542社のうち22%を占める331社を記録。国・地域別では中国本土からの447社(29%)に次ぐ規模となりました。今では「日本の出展者なくして『フード・エキスポ』は成り立たない」と言っても大げさではない状況です。

 香港は域内総生産(GDP)に対する貿易額の割合を示す「貿易依存度」が319%と、2位のシンガポール(217%)を大幅に上回る世界一の貿易センターとなっています(2016年実績、グローバルノート調べ)。このため、日本の食品・食材メーカーにとっては、「フード・エキスポ」に出展することで、広いアジア全土の主要都市を1カ所ずつ営業して回る手間を掛けず、アジア各地から来場したバイヤーと会場内で集中的に商談することができ、大変効率的です。

 同一会場では、茶葉・茶器の総合見本市「香港インターナショナル・ティー・フェア」も同時開催されます。2017年の第9回開催時には、出展者が225社(香港域内44社、同域外181社)、来場者が1万5776人(香港域内8559人、同域外7217人)でした。こちらも域外からの参加の割合は出展者で実に80%、来場者で46%に上り、「フード・エキスポ」以上に国際的なイベントとなっています。日本からの出展者数は15社と、中国本土の147社に次いで国・地域別で2番目を占め、近年の世界的な緑茶ブームを背景に、世界中のバイヤーへの売り込みが行われています。

世界的な緑茶ブームに沸くジャパンパビリオン(ティー・フェア)

■関税撤廃10年、アジアの「ワインハブ」になった香港

 香港は2008年2月にアルコール飲料への輸入関税を撤廃しました。従来の酒税が80%にも達していたため、その効果は絶大で、香港は今や世界中のワインが集積する「ワインハブ」としての地位を確立しました。

 英調査会社IWSRによると、香港の1人当たりワイン消費量は2011年時点で既に5・3リットルとアジア首位を占め、日本(3リットル)やシンガポール(2・1リットル)などの富裕国をはるかにしのぐ水準になりました。香港政府はワインをはじめとしたアルコール飲料の輸入関税収入を手放すことで、ワイン市場の拡大に伴う関連市場からの膨大な収入という果実を手に入れることに成功したのです。

 2018年1月にサントリーの「山崎50年」が香港のオークションで3250万円で落札されたことが話題になりましたが、これも香港での酒類取引の活発さを象徴する出来事の一つではないでしょうか。

 香港貿易発展局が2008年から主催している「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・フェア」は、政府が関税撤廃に伴って政策的に実施を決めたもので、おかげさまで現在ではアジアを代表するアルコール飲料見本市の一つに成長しました。2017年の第10回開催時には、出展者が1070社(香港域内143社、同域外927社)、来場者が1万9872人(香港域内1万2107人、同域外7217人)、域外からの参加の割合は出展者が実に87%、来場者も39%を占めました。

 香港域外からの出展者数では、フランス(206社)、イタリア(186社)といったワイン大国が上位を占めますが、日本(62社)は豪州(65社)、スペイン(63社)に次ぐ第2集団に位置します。日本の出展者は、清酒、ビール、ウイスキー、ワインなど幅広い製品を取りそろえており、ジャパンパビリオンは会場内でも人気スペースになっています。

華やかな会場に設けられたジャパンパビリオン(ワイン・フェア)

■日本の「食」輸出が最多更新、カギを握る香港

 日本の財務省の貿易統計(速報値)によると、2017年の農林水産物・食品の輸出額は前年比7・6%増の8073億円と過去5年連続で増加。輸出国・地域では、香港が同1%増の1877億円と13年連続のトップを維持しました。

 2018年2月7日付け「日本農業新聞」によると、製品別では牛肉、緑茶、日本酒などが過去最高を更新。牛肉の輸出量は前年比42%増の2706トンで、香港向けは同20%増の792トンに達しました。緑茶は同13%増の4642トンで、香港向け(44%増、205トン)が台湾向け(36%増、1076トン)を上回る大幅な伸びを記録し、全体をけん引しました。

 一方で、日本酒も同19%増の2万3482キロリットルと輸出量が過去最大を記録しました。こちらは最大の輸出先である米国(13%増、5780キロリットル)、2位の韓国(30%増、4798キロリットル)、3位の中国(75%増、3341キロリットル)、4位の台湾(5%減、1985キロリットル)に比べ、5位の香港(4%減、1807キロリットル)の伸び代はまだまだ大きいと言えそうです。

 日本産の農畜産物の輸出を検討される皆さまには、「フード・エキスポ」「香港インターナショナル・ティー・フェア」「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・フェア」を強くお勧めしたいと思います。ご出展またはバイヤーとしてのご来場を検討される皆さまには、航空券や宿泊費がお得になる特典などもご用意しております。ぜひお気軽に香港貿易発展局
東京事務所(Tel:03-5210-5850E-mail: tokyo.office@hktdc.org)、
大阪事務所(Tel:06-4705-7030E-mail:osaka.office@hktdc.org
までお問い合わせください。

※注…2017年の香港からの訪日客数は前年比21%増の223万1500人。単純計算では人口736万4000人のうち3・3人に1人の割合。

(このシリーズは2カ月に1回掲載します)

山崎昭子(やまざき・あきこ)
香港貿易発展局東京事務所
マーケティング・アシスタント
 白百合女子大学英語英文学科を卒業後、物流会社、商社での勤務を経て、配偶者の海外転勤に伴い香港へ7年間弱赴任。香港では投資顧問会社にてオフショア投資型保険を取り扱い、金融ニュースレター等の翻訳・配信も担当。思い入れの深い香港と日本の関係強化に、貿易促進の立場から少しでも貢献したい。

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