中東文化を紹介する展覧会

大英博物館の所蔵品200余点
中東文化を紹介する展覧会
9月3日まで

黄金の魚型香油瓶(上下写真とも提供・康楽及文化事務署)

尖沙咀にある香港歴史博物館で、5月9日から中東文化を紹介する特別展示「奢華世代:従亜述到亜歴山大(An Age of Luxury: the Assyrians to Alexander)」が始まった。

展示されているのは大英博物館から貸し出された所蔵品210点余り。場内は7つのエリアに分かれ、黄金、青銅、ガラス、めのう、象牙など貴重な材料で作られた美術工芸品などが展示され、紀元前900〜300年の時代の中東文化を知ることができる。

王宮に刻まれた彫刻

展示品の中にはアッシリア王国の首都ニネベにあった宮殿跡で見つかった石の彫刻も多いが、中でも目玉はこのたび海外の展覧会に初めて貸し出されたという彫刻で、使用人がホールにフルーツと生花を運ぶ様子が描かれている。また、別の石の彫刻を元に作られた3Dアニメーションも見逃せない。1つは国王がニネベに作った花園で暮らす鳥や動物たちの姿と美しい花々、水のせせらぎなどを再現。もう1つは、彫刻の中から出てきたアッシリアの兵士が戦火の後に戦利品と捕虜を連れて帰る姿を描いたアニメーションだ。

牛の顔をかたどった杯

ほかにも、黄金で作られた魚の形の香油瓶、めのうの代わりにガラスを使って色を出したお椀など、当時の芸術性や工芸技術の高さを物語る展示品が多い。牛の顔をかたどった杯は、広大な帝国を築き各地へ侵攻したアレキサンダー大帝(アレキサンドロス3世)によってもたらされたギリシャ文化の影響を受けたものだという。会期は9月3日まで。
(写真提供・康楽及文化事務署)

■香港歴史博物館/The Hong Kong Museum of History
[所] 尖沙咀漆咸道南100号 [問] 2724-9042

Share