香港シンフォニエッタの新シーズン/ロボットによるパフォーマンス

香港シンフォニエッタの新シーズン 
世界11作品を香港で初披露

セルゲイ・ナカリャコフ

「香港シンフォニエッタ」の新シーズン(2018/19)プログラムが、先ごろ発表された。

1999年に設立された香港シンフォニエッタは香港や世界各国から優れた指揮者やソリストを迎えて演奏会を行うとともに、クラシック音楽の啓蒙活動に熱心なのが大きな特徴。今シーズンも0歳から2歳児を対象とした「Good Music for Babies」、3歳から6歳児向けの「Good Music for Kids」が各5公演開催される。フリーコンサート活動も活発で、パナソニック香港がスポンサーをつとめる「Good Music This Lunch」は10公演が予定されていて、気軽に音楽を楽しむことが出来る。

また世界初演やアジア初演、香港初演の作品を取り上げることが多く、今年は世界の11作品が香港で初披露される。とりわけ注目されるのは、日本が世界に誇る作曲家・細川俊夫が2011年に作曲した「開花Ⅱ」だ。「開花Ⅱ」が演奏されるコンサートでは、日本のサクソフォン界のパイオニア的存在として世界に誇る名手、須川展也が香港シンフォニエッタと初共演するので、日本の作曲家とソリストが一夜で堪能できる貴重な機会である。

須川展也

そのほか、定期演奏会も充実のプログラム満載である。「トランペットの貴公子」や「トランペット界のパガニーニ」と呼ばれる人気ソロ・トランペット奏者ロシアのセルゲイ・ナカリャコフと次期プラハ放送交響楽団音楽監督・首席指揮者に就任するドイツの実力派指揮者アレクサンダー・リープライヒが共演コンサートは聴き逃せない。

また2015/16シーズンから首席客演指揮者を務めるクリストフ・ポッペンがベルリン・フィルの第一コンサートマスターのノア=ベンディックス・バルグリーを迎え、モーツァルトのバイオリン協奏曲の聴きどころを、解説を交えながら聴くコンサートもお薦めだ。

詳細は公式サイト(https://hksl.org)を参照のこと。

(文中敬称略/文・綾部浩司/取材協力および写真提供・Hong Kong Sinfonietta)


ロボットによるパフォーマンス
マカオのシティ・オブ・ドリームズで

「ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター」の上演会場として知られているマカオ有数の大型IRリゾート「新濠天地(City Of Dreams)」では、「決勝機械人(Beat the Robots)」と題したロボットによるパフォーマンスが、毎日午前10時15分から夜21時45分まで30分おきに繰り広げられている。

このところ人工知能(AI)が話題となっているロボット。その進化は著しく、今回のイベントでは、かわいらしいミニロボット88体が音楽に合わせてダンスを披露する。複雑な動きを一糸乱れず完全に音楽に同調する様子は、かわいらしさと技術の進化の両方を感じさせてくれる。

別の場所では、お茶をいれるデモンストレーションがある。自動車組み立て用の産業ロボットみたいな形をしたロボットが、お茶をカップにこぼさずに注ぐというものだ。

また、人型に近いロボットがカンフーのようにキックをしたり、構えたりしているロボットというのもあるので、楽しめるだろう。

決勝機械人(Beat the Robots)の会期は6月10日まで。この機会にお見逃しなく。

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