1月23日~2月6日のニュースから抜粋

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1月23日~2月6日のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)


■安全ランク、キャセイは12位に転落

2018年の安全な航空会社ランキングで、昨年まで3年連続首位だったキャセイパシフィック航空(国泰航空)が今年は12位と大幅に順位を下げたことがわかった。1月22日付香港各紙によると、これはドイツで航空関連の調査を行っているJACDECがトップの20社を選定、発表したもの。昨年までは単純に事故の回数などで評価を行ってきた同調査だが、それでは短距離便が有利になることもあり今年からは基準を一新、対象の航空会社を60社から100社に拡大し、事故のほか経営環境や気象変化への対応なども加味されることになったという。結果、順位は様変わりし、1位はエミレーツ航空、2位以下はノルウェージャン・エアシャトル、ヴァージン・アトランティック航空、KLMオランダ航空、英イージージェットと続く。

■無免許の両替店、5年で検挙数44件

2012年から金銭サービス業がライセンス制となり、両替店は営業免許が必要となったが、過去5年内に当局が検挙した無免許経営は44件となった。1月22日付香港各紙によると、税関はマネーロンダリングとテロ分子の資金調達の防止を目的に、12年4月から貨幣交換店を含む金融機構に対し免許の申請を義務づけた。また、免許の申請のみならず、顧客の身分や取引の全記録を少なくとも6年間保管することを義務付けている。当局は定期的にパトロールを行っており、店先に両替レートを表示しているのに無免許だった店などが数千から数万ドルの罰金刑やライセンス申請資格の取り消し12カ月などの摘発例がある。免許を持つ両替店は17年11月末までで1290店あるが、109店が税関に報告せずに支店数を増減した、銀行口座の審査を怠ったなどで当局から警告を受けた。しかし、この5年間で無免許店は増えているわけではないという。

■住宅購入、年収の19年分超

香港は世界で最も住宅に手の届かない都市であることがわかった。1月23日付香港各紙によると、これは米コンサルティング会社のデモグラフィア社が世界9カ国293都市を対象に行った「世界住宅価格負担能力調査」で明らかになったもの。2017年の各都市の住宅価格とその住民(世帯)の世帯年収の中央値を算出し順位付けしたところ、香港は年収31万9000ドルに対し住宅価格の中央値が619万2000ドルと年収19.4年分にあたり、世界で一番住宅が買いにくい都市となった格好だ。これで8年連続での首位となるが、前回は18.1年まで下がったものの、今回は6%増で再度プラスに転じた。高値が続く背景として、ある経済学者は「中国本土からの投資に加え、現役時代を好景気で過ごしたベビーブーマーが子供に援助しているため」と指摘している。


■高速鉄道、列車の名称募集

今年第3四半期に開通予定の広州—香港間高速鉄道。その列車の命名コンテストが1月25日から始まった。同日付プレスリリースによると、同コンテストは香港鉄路(MTRC)が列車に香港らしいネーミングをつけてもらおうと企画したもの。名称は英語あるいは中国語どちらでもよい。命名公式サイト(www.xrltrainnaming.com)から応募できるほか、ホットライン(2350—9708)に電話して応募用紙を取り寄せることもできる。応募は2月14日まで。その後、審査委員会が最優秀賞1名と優秀賞3名を選ぶ。もしも最優秀賞に選ばれた名前を応募した人が2人以上いた場合は、抽選で勝者を1人選ぶことになっている。優勝賞品は、MTRモールで使用できる1万香港ドル相当のキャッシュバウチャー、広州—香港間のファーストクラスの往復チケット2人分、広州のホテル1泊宿泊券2人分、列車の模型1個だ。優秀賞は、広州—香港間のファーストクラスの往復チケット2人分、広州のホテル1泊宿泊券2人分がもらえるという。結果発表は3月22日の予定だ。


■不当勧誘で舒適堡を起訴

高圧的かつ不合理な勧誘で本意ではない契約をさせられたとして、フィットネスジムの舒適堡(フィジカル)が会員から訴えられた。1月26日付香港各紙によると、訴えられたのは同社の旺角支店。原告の男性によると、2017年7月下旬、同ジムに8年分の会費と36時間分のパーソナルトレーニング費の計4万2000ドルを支払ったものの、入会後にトレーナーから骨格が変形していると指摘され、まず矯正がなされなければトレーニングを受けられないとの理由でトレーナーにジムの使用を禁じられたという。骨格矯正のためのトレーニングとしてトレーナーは4万2000ドルの追加トレーニング費を要求、原告は求めに応じ支払ったものの、金額に誤りがあったとしてさらに6万ドルを請求してきたという。ジムに対し不信感を抱いた男性は警察に相談した後、支払い済みの会費計8万4000ドルの返却を求め、今回の訴訟となった。舒適堡側では定められているクーリングオフ期間はとうに過ぎているとして会費の返却を拒否、抗戦する構えを見せている。


■一田百貨、葵芳店をオープン

スーパーの一田百貨(YATA)が1月26日、葵芳にある香港メトロプラザ内にYATA 葵芳店をオープンした。2008 年 4 月に香港の SEIYU を買収し、一田百貨として再スタート。「現代日式生活百貨」として高品質なものを取り揃え、ショッピング体験を提供、デパートメントス トア3店舗、スーパーは今回のオープンをあわせて8店舗運営している。初日は京都府、京都府農林水産物・加工品輸出促進協議会、(公財)京都産業21が主催する「香港観光物産展(YATA × Kyoto Fair 2018)」のオープニングセレモニーも開催、香港人タレントのグレース・チャンやムーン・ロウらも駆けつけ会場に華を添えた。京都フェアは府内産農畜水産物の香港への輸出促進の拡大をめざし開催しているもので、「京みず菜」「九条ねぎ」をはじめとした京の伝統野菜や京都産和牛「Kyoto Beef 雅」「丹後ぐじ」等の水産物や日本酒、地ビールなどの加工 品18社、工芸品8社が出展、京都観光PRとして盛り上げる。


■日本産メロンと偽装、青果店を摘発

香港税関は先ごろ、安価なメロンを北海道産のメロンと偽って販売していた青果店を摘発した。1月26日付香港各紙によると、市民から通報があり、税関が旺角と深水埗にある3つの青果店に踏み込み捜査を行ったところ、偽物とみられるメロン68個(市価1775ドル相当)が見つかったため押収。「商品説明条例」違反容疑で47〜59歳の店員を逮捕した。売られていたメロンは楕円形で、黄色っぽく、縞模様がないにもかかわらず、「温室メロン 北海道産 マスクメロン」というラベルが付けられていた。実際にはそれらのメロンは中国本土産で、香港の市場でよく見かける20〜30ドルのものとみられている。しかし、同紙では別の青果店でも同様に売られているのを見つけており、店主らは「入荷したときすでに北海道産というラベルが付いていた」と説明し、「中国本土産だけど北海道の品種のメロンではないか」と言い訳していたそうだ。業界関係者は、その値段で日本産メロンが買えるはずはないため、価格によっておおよその真偽がわかると消費者にアドバイスしている。


■ハードル女王にわいせつ、コーチ逮捕

さまざまな国際大会で活躍し「ハードルの女王」と呼ばれる陸上選手の呂麗瑤さんが昨年11月に過去の性的被害を告白した事件で、その加害者である指導者の男性(76歳)が1月28日、逮捕された。12月1日付香港各紙によると、容疑者は呂さんが中学生のころに指導していた陸上コーチで、自宅で呂さんにマッサージを施した際に、ジャージやパンティーを脱がして下半身を触ったなどの疑いがもたれている。呂さんは自身の23歳の誕生日にあたる昨年11月30日に事件をSNSで告白。性的被害の深刻さや問題を社会に訴える行動の1つとして広がりをみせるハッシュタグ「#ME TOO」を書いた紙を持った写真を投稿し、社会は騒然となった。容疑者はこの告白後に海外に滞在していたが、1月28日に香港に戻ったところを香港警察が身柄を確保した。当初、呂さんは通報する気はないと話していたものの、当局は第三者を通じて呂さんを説得して話を聞くことに成功。約2カ月半をかけて捜査にあたったのだという。

■マック、微信払いで10ドル引き

中国本土で広まっているスマホの決済アプリのひとつ「微信支付HK(ウィーチャット・ペイ)」が利用者拡大のための大規模プロモーションを開始することがわかった。1月31日付香港各紙によると、これはマクドナルドとのコラボ企画で、微信支付の利用により同店舗での定価25ドル以上のセット価格が10ドル引きになるというもの。期間は2月5〜19日で、利用可能な回数は1日あたり1回のみ、期間内に最高で計150ドルの割引を受けることができる。現在、同アプリは中国本土生まれの決済アプリとして双璧をなすアリババ傘下の「支付宝(アリペイ)」と香港でシェアを争っており、今回のコラボも吉野家やオープンライスと組んだアリペイに対抗したものとみられる。

■湾仔で再度不発弾、5000人が避難

1月27日に続き湾仔の地中から不発弾が再度発見された。2月1日付香港各紙と香港電台(RTHK)によると、時刻は31日午前11時ごろ、27日の発見場所から程近い約10メートル離れた場所で見つかったという。警察ではあらためて現場周辺の道路を封鎖し、現場から半径400メートル以内から周辺住民やホテルの宿泊客ら約4000人を避難させた。1日午前11時ごろに爆弾内部の火薬は燃焼廃棄され、撤去作業は完了した。爆弾は先日発見されたものと同型のAN―M65で、第2次世界大戦中に米軍が当時湾仔の海岸にあった日本軍の海軍基地と軍艦を攻撃するために投下されたものとみられる。

■黎智英氏から民主派への献金、不起訴に

特区政府律政司は2月1日、民主派の立法会議員5人(元議員を含む)が『りんご日報』などを発行する壱伝媒集団(ネクストメディア)創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏から献金を受け取っていた件で不起訴処分を決定した。2日付香港各紙によると、これは2014年7月に廉政公署(ICAC)が調査を開始したもので、民主党の“\謹申氏、公民党の梁家傑氏、毛孟静氏(現・香港本土)、陳淑荘氏、工党の李卓人氏が黎氏とその部下であるマーク・サイモン氏(米共和党の元香港支部長)からの献金を申告していないことから賄賂防止条例違反、選挙条例違反、公職者行為失当の容疑がかけられていた。律政司は声明で、梁氏と李氏は献金を受け取った証拠があるものの、昨年7月に同様の容疑で無罪となった社会民主連線の梁国雄氏と状況が類似しているため、起訴するのに十分な証拠はないと説明した。これに対して民主建港協進連盟(民建連)の李慧瓊・主席は「この件が当時社会を騒然とさせたことを考えると今回の決定は市民の期待と大きな落差がある」とコメントした。

■「慰安婦像」盗難未遂、犯人の意図不明

中環に設置されている慰安婦像が盗難未遂にあった。2月2日付香港各紙によると、事件が起きたのは1日早朝、像などには鎖がつながれていたが切断されており、計3体あるうちの2体と、像をのせている椅子、募金箱などを台車に積み持ち運ぼうとしている男の姿を通行人が見て、近くにいた警備員に通報した。逮捕されたのは51歳の呉と名乗る男で、警察の取り調べに対しては「肥華から指示された」と話すのみ。発言の中の肥華がどういった人物なのかは不明なままで、慰安婦像を設置した保釣行動委員会のメンバーとも面識はないとみられるが、同団体の反日デモには参加していたとの証言もある。「慰安婦像」は在日本国総領事館がある交易広場前に、民主派の同団体が2017年7月に設置、管理をしている石膏像。普段は同団体が24時間体制で見張りをつけているが、当日は当番が寝袋で熟睡していたという。

■四洲集団の戴徳豊・主席に旭日双光章授与

日本政府は2017年度秋の外国人叙勲において戴徳豊(タイ・タクフォン)四洲集団有限公司主席に旭日双光章を授与することを決定、1月23日に九龍シャングリラホテルにて伝達式が行われた。同氏への叙勲は中国における日本食材の普及に大きく寄与した功績によるもの。1971年に四洲集団有限公司を創業、以来46年間にわたり主に日本からの食品輸入を手がけ、5000種類以上の食品を扱う香港で最大の日本食材サプライヤーとなるまでに成長。現在香港では700店舗以上に対して食材を供給している。こうした多大な貢献により2007年には国農林水産省より日本食海外普及功労者表彰において農林水産大臣賞を受賞、10年には香港特区政府から社会に多大な貢献をした者へ贈られる金紫荊星章を受章している。(写真:楢橋里彩)


本紙連載「だから犬は買えないの!」単行本化

『香港ポスト』連載の人気エッセイ「だから(香港のアパートで)犬は買えないの!」が書籍化された。同書は2004年1月から05年7月までリンゼイ美恵子氏が本紙で連載したエッセイを大幅に加筆修正した上、英語訳を付けたもの。超高層マンションが林立する香港で犬を飼うとは? どんどん大きくなるゴールデンレトリーバーのやんちゃな行動に翻弄され、追い打ちをかけるように次から次へと巻き起こる事件、事故、珍事の数々。やはり香港のアパートで犬を飼っちゃダメだったの…? 愛と笑いと汗と涙の犬育てストーリー。1月にあるまじろ書房から出版された(定価:本体1200円+税)。リンゼイ美恵子氏は1996年、「答えて、トマス」(新風舍刊)で中央公論社(現・中央公論新社)の第30回女流新人賞を受賞した。

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