10月20日~11月1日のニュースから抜粋

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1020日~111日のニュースから抜粋
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■日本から来たコアラの「そら」安楽死

 香港海洋公園(オーシャンパーク)は10月17日、オスのコアラ「そら」を安楽死させたと発表した。18日付『東方日報』によると、5歳のそらは2016年7月に日本の大阪天王寺動物園から貸し出されたオス。同10月から一般公開されており、同園が飼育するメスのコアラとのペアリングが期待されていた。今年5月に深刻な呼吸器感染症にかかって治療を受け、治癒はしたものの次第に衰弱していったという。過去数カ月は同園が24時間体制でケアしていたが、10月16日から容体が悪化。同17日に安楽死の決断をしたという。14年にオーストラリアから同園にオスの熙熙(英名:Dougie)、メスの悠悠(英名:Yani)、美美(英名:Merinda)という3匹のコアラが贈られたが、うち美美は到着まもなく腎臓病のため安楽死となっている。美美の死因には遺伝的多様性が低い(環境の変化に対応できない)ことがかかわっているとの見方があり、オーストラリアではなく日本から1匹借りることになったという経緯があったようだ。

■支付宝が街市に進出、小額決済を狙う

 QRコードとスマホアプリを使った決済で知られる支付宝(アリペイ)が香港の街市に進出することがわかった。10月24日付香港各紙によると、初の導入となるのは秀茂坪の宝達市場。当初3カ月間は商店主から手数料を徴収せず、浸透の度合いや業績によって再検討する予定だという。アリペイの李詠詩・港澳台区総経理は「クレジットカードに対応していない商店が5割を超える香港で、クレカとのバッティングを避ける意味もあり、小額決済市場にフォーカスした」とその街市戦略を明かす。なお今回の街市進出にあたり、専用アプリのダウンロードで入手できる50ドルの電子割引券や、ポイントカード的なシステムなど利用者への販促活動も用意されているという。宝達市場を含め、香港内で12の街市を運営している香港街市集団の凌偉業CEOは「すでに宝達市場では試験的に一部店舗で導入を開始しており予想以上に浸透している。ただ、いまだに現金派が圧倒的で現在は過渡期」と、その難しさを述べる一方で「年内には5〜6カ所の街市でも導入していきたい」と抱負を語った。

■8歳少年に淫行した家政婦、上訴で無罪

 雇い主の8歳の息子と性行為におよんだ容疑で起訴され、禁固4年6カ月の判決を受けた外国人アマ(家政婦)の上訴が認められ、判決が破棄された。10月21日付香港各紙によると、被告はフィリピン籍で、2011年7月から13年3月に数度にわたり雇い主の息子の局部を触ったり、性行為を強要した疑いがもたれていた。弁護側は、被害者である少年が「事件当日は勃起していなかった」と証言していたにもかかわらず、担当裁判官が「性行為があった」と誤った判断をしたと主張。上訴法廷がその訴えを認め、検察側も再審理を行う意思がないことから、被告の無罪が確定した。香港の法律では、強姦罪が適用されるのは「男性器を女性局部に挿入した場合」であるため、女の被告が強姦罪に問われることはなく、先の裁判ではわいせつ罪で告発され有罪となり、このたび上訴が認められるまで1年半にわたり服役していた。

■銅鑼湾書店店主、交通事故の刑期満了

 中国政治書籍の専門書店「銅鑼湾書店」の店主だった桂民海(桂敏海)氏が10月17日に釈放されたことが分かった。25日付香港各紙によると、これはスウェーデン外務省が24日に明らかにしたもので、北京のスウェーデン大使館が2週間前に国務院外交部から通知を受けたという。ただし桂氏の娘はツイッターで、父の消息について何ら連絡は受けていないと述べている。スウェーデン大使館によると、桂氏は2003年に交通事故で女子大生を死亡させた件について禁固2年の刑期を満了。大使館職員は釈放の通知を受けてから刑務所で面会し、17日に再び刑務所を訪れた際にはすでに出所していたという。桂氏は15年に出頭し収監されている間、公安機関が捜査中の違法経営とのつながりが発覚。銅鑼湾書店関係者らが国家新聞出版部門の販売許可を得ていない書籍を郵便によって中国本土で大量に販売し、違法に利益を得ていたため、関係者らは本土に入境した際に相次ぎ逮捕された。

■情報提供の見返りに性的サービス

 廉政公署(ICAC=汚職取り締まり署)は10月24日、かつて香港警察の対マフィア部門などで警司(部隊や小地区などで主管や指揮官を務める上級捜査官)として活躍した呉偉漢氏を「公務失当」および「わいろ防止条例」「刑事罪行条例」の違反などで正式に起訴した。10月25日付香港各紙によると、呉氏は2015年11月29日から今年1月24日に、捜査に関する機密情報提供の見返りとして会員制クラブの経営者から6度にわたって計78万ドルを受け取ったほか、経営者が手配した女性から性的サービスを受けたとの疑いがもたれている。ICACが今年1月に展開した大規模摘発で、計12人が逮捕され、その中には呉氏のほかに2人の警察関係者が含まれていたが、正式起訴されたのは呉氏のみ。わいろを渡したクラブ経営者2人も同様に起訴されている。53歳の呉氏は、対マフィア部門や香港島刑事総本部で警司を務めた香港警察の精鋭。数々の大事件の捜査にかかわり多くの手柄をあげてきた人物であり、逮捕時には香港警察に大きな衝撃が走ったという。

■カメ10匹虐待、鉛筆で刺し殺される

 東区医院敷地内の池で飼われているカメ10匹が何者かに虐待を受け、うち6匹が死んだ。10月27日付香港各紙によると、10月26日朝に出勤した職員がたくさんのカメが殺されているのを見つけ通報。カメは、口や首から差し込まれた鉛筆が尾の辺りまで貫通していた。7匹は発見時も鉛筆が身体に刺さったままで、3匹は鉛筆は残っていなかったものの傷跡があったという。発見時に生きていた4匹も瀕死の重傷で、動物愛護協会の獣医が治療にあたっている。被害に遭った10匹は体長20〜30センチのカメで、年齢は10歳を超えている。同院ではその池で約90匹のカメを飼っているが、10月21日にもカメ2匹が同様の手口で虐待され、1匹はビニール袋に入れられたまま死んでいたそうだ。

PMQ、ジャパンデザインウイーク開催

 セントラルのPMQで10月18〜22日、「ABLE&PARTNERS JAPAN DESIGN WEEK in Hong Kong」が開催された。19日にはスペシャルゲストとしてタレント・絵本作家の西野亮廣氏が来港し記者発表会が行われた。会場では西野さんの絵本「えんとつ町とプベル」の展示会もあわせて開催。作品は特殊なフィルムに絵をプリントし、後ろからLEDライトで絵が光る仕掛けになっている。4年半かけて作り上げた同作品は「分業制」で制作。西野氏が作品の元となる絵コンテを描き、各得意分野をもったイラストレーター総勢30名以上が関わった。日本では5000部でヒットといわれる絵本市場で201610月の発売後、半年でAmazon書籍総合ランキング1位、累計印刷部数32万部を達成した。
(写真:楢橋里彩)

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