9月22日~10月6日のニュースから


メルマガ『日刊香港ポストe-mail版』
9月22日~10月6日のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)

■政府記者会見、ネットメディアに開放
 特区政府新聞処は9月19日、政府主催の記者会見およびイベントの取材について、条件を満たせばインターネットメディアの取材申請を認めると発表した。9月20日付香港各紙によれば、その4つの条件は(1)「本地報刊物註冊条例」の規定にのっとり媒体を登録すること(2)少なくとも編集者1人、記者1人がいること(3)1週間に少なくとも5日間はニュース記事を更新すること(4)申請前の3カ月内に定期的にニュースをインターネットで配信したという証明を提出すること——となっている。林鄭月娥・行政長官は、ネット媒体への取材開放により、新聞、雑誌、テレビ、ラジオら伝統的なマスメディアの質疑応答時間が減ってしまうとの心配はあるだろうが、自身を含め各部門長には適宜会見時間を延長するよう通達したと話した。

■「日本秋祭 in 香港」、蘭桂坊で記者会見

セントラル蘭桂坊のカリフォルニアタワー内にあるLOFT22で9月27日、「日本秋祭 in 香港—魅力再発見—」の記者会見が行われた。昨年に引き続き2回目を迎える同イベントは香港特区設立 20 周年記念イベントとしても認定され、在香港日本国総領事館が日本の文化団体、学校、企業、地方自治体などと協力して実施する。同イベントでは公演・芸術、映画、飲食、スポーツなど様々な分野で約90のイベントがすでに認定され日本の魅力を紹介していく。記者会見は香港電台(RTHK)のMCパク・ロビン氏が司会を務め、ステージには特別ゲストとして蘭桂坊グループ創業者のアラン・ジーマン氏や11月に香港初公演を控えている紅白歌合戦出演アーティストのAIさんも登場した。在香港日本国総領事館の松田邦紀・大使兼総領事は記者会見で「今年も秋祭りを行うことができ大変嬉しく思う。昨年は無我夢中で走りながらだったが、今回は香港の人たちとともに考え、準備して楽しんでいこうと心掛けた」と述べた。同イベントは10、11月を中心に約2カ月にわたって開催される。(写真:楢橋里彩)

■料理につめ混入、値引き拒否に仕返し
 高級ホテルの披露宴に出席した女性が、料理に異物が混入していたと食物環境衛生署に通報し、ホテル管理会社が違反キップをきられた事件の審問が9月21日、開かれた。22日付香港各紙によると、原告は昨年12月にシェラトンホテルで行われたいとこの披露宴で、燕の巣スープの中に成人のつめらしき異物を発見。苦情を言うとホテル担当者が、干物の中に混ざっていたもので調理の過程で混入したわけではないと説明し、作り直したスープを提供されたが、その対応に納得せず通報した。しかしその後、新郎が以前からホテルに対し不満を持っていたことが判明。料理の試食ができなかったことやドリンクの量が足らないとホテル側に文句を言ったいたほか、披露宴の後の支払い時に親族がディスカウントしてくれと騒いだのだという。ホテルの弁護人は「値引きされなかったため、原告はその腹いせに通報した可能性がある」と主張している。

■バス事故、運転士13時間労働が発覚
9月22日に発生した3人もの犠牲者を出したバスの事故で、逮捕された運転士の数日にわたる長時間労働が発覚した。26日付香港各紙によると、これは城市巴士(シティーバス)幹部がテレビ取材に対してあきらかにしたもの。運輸署のガイドラインには沿った内容と前置きしながらも、運転士が上司の求めに応じて、就労が13時間を超える日が事故当日の過去5日間にわたりあったことを認めた。さらに過去にも、14時間を超えた日が5日連続であった可能性もあるという。運輸署の現在のガイドラインでは、休息時間を含め労働時間は14時間という上限があり、うち車両運転は11時間までと定められている。ただ、長時間労働が今回の事件を引き起こした可能性も否定できず、張建宗・行政長官代行もバスの運転士の労働時間に関するガイドラインに改善の余地があることを認め、運輸署に対し再検討を指示したと述べた。

■MPF、17年間で100万ドル超えも
2000年12月から開始された強制積立年金(MPF)制度だが、過去17年間(17年7月末まで)の統計が強制性公積金計画管理局(MPFA)から発表された。9月28日付香港各紙によると、総口座数は920万件、1件あたりの平均残高は15万4000ドル、1件あたりの年間平均利回りは4.3%と香港の平均物価上昇率(1.8%)を上回る運用実績であることがわかった。過去17年間の累計で最も利回りがよかったのは「アジア株式ファンド」で207.2%、反対に最も低かったのは「通貨ファンド」で9.3%となっている。また、残高が100万ドルを超えた加入者が3万人、50万〜100万ドルが14万人、20万〜50万ドルが87万人もいることがわかったが、これについてMPFAでは積み立て金の増額を申し出る加入者の増加によるものと分析、昨年だけで加入者から増額された積み立て金が95億ドルにも上ることが明かされた。

■客室乗務員が日本へ黄金を密輸
最近、無料で日本旅行ができるとの誘い文句で、香港市民が純金の運び屋となり逮捕される事例が頻発しているが、今度は航空会社の客室乗務員が逮捕された。9月28日付香港各紙によると、27日に東京成田空港の税関検査で、香港から日本へ到着した香港航空の乗務員が未申告の金の延べ板を所持しているのが見つかった。香港では個人が黄金を香港から持ち出す場合の規制や法令は確立されてないが、日本では入国時に純度90%以上の金を1キロ以上所持していた場合は申告および納税が必要となる。このところ香港人の金の持ち込みは増えており、日本の財務省が発表した密輸に関するリポートでは、2015年7月〜16年6月において294件の純金の密輸が確認されており、そのうち半数近い135件(45%)が香港からの密輸で占められていたことが明らかになっているという。

■高級オフィス賃貸料、4年連続世界一
不動産コンサルタントのナイトフランクによる統計で、香港の高級オフィス賃貸料が世界一であることが分かった。9月29日付香港各紙によると、世界23都市の30階建て以上の物件にある高級オフィス賃貸料を調査したリポートで、第2四半期の香港の平均賃貸料(1平方フィート/月)が197ドルと4年連続で世界一となった。この数字は飛びぬけて高く、2位のニューヨーク(マンハッタン)の105ドルを88%も上回り、3位の東京(91ドル)の倍以上となっている。高値の原因について、同社の林浩文・高級董事は「中環の高級オフィスの絶対量がマンハッタンの10%程度しかなく、空室率が1.9%しかないのが大きい。下半期も前期比で2〜4%上がるのでは」と中環地区の需要の高さを指摘している。

■婚姻の44%が本土との越境カップル
政策研究機関の香港集思会の調査で、中国本土の男性に嫁いだ香港女性が過去20年で3倍以上に増えたことが明らかになった。9月27日付香港各紙によると、香港集思会は6〜7月、2003年以降に結婚し、世帯収入が2万5000香港ドルあるいは人民元で、夫婦のどちらかあるいは双方が専門学校または大卒の学歴を持つ人にアンケートを行った(回答者508人のうち55%が男性で、45%が女性)。1997年から2016年の本土人と香港人との越境婚姻は、毎年1万5000件から3万4000件と年によって異なるが、20年来の累積総数は48万件を超えており、香港の累積結婚数の44%を占めるという。本土の男性と香港女性の婚姻は1997年に2190件だったが、2016年には約3.4倍の7626件に達した。一方、香港男性と本土女性との婚姻は45%も減少し、2万8309件から1万5300件に減った。専門学校・大卒以上の学歴を持つ香港人と結婚相手である本土人との年齢差の中位数は2012年の9歳から16年には3歳に縮小した。

■香港エクスプレス、18便を突如欠航
 国慶節と中秋節の連休を直前に控えた9月29日、香港エクスプレス航空が10月1日から8日までの日本便と韓国便の一部を突如キャンセル、航空業界と香港市民から非難を浴びる事態となった。10月1〜3日付香港各紙によると、欠航となったのは大阪と名古屋、ソウルの定期路線計18便で、2000人を超える乗客が影響を受けたという。日程や便の変更、航空券の払い戻し、他社便への振り替えなどを行ったが混乱は収まらず、1日に同社のアンドリュー・コーウェンCEOと上層部が謝罪と事情説明を行った。欠航の直接の原因は8月に起きた操縦トレーナーの大量辞職で、急きょ社員の募集を行ったものの退職者の穴を埋められず、考慮の末に欠航の判断がなされたという。運輸及房屋局の陳帆・局長は事態を重く見て、同社に対して民航処と空運牌照局を通じて6日までに詳細な報告を行うよう求めている。また規定違反の可能性も指摘されているが、その懲罰に関しては「報告前でありコメントするには時期尚早」と明言を避けた。

■アデランスの香港1号店がオープン
株式会社アデランスの香港1号店が9月28日、銅鑼湾(コーズウェーベイ)にオープンした。同社は1968年に創業、現在全国に506店、海外には17カ国・地域に323店舗展開。アジアはすでに上海、台湾、シンガポールで展開している。香港の店舗は約186平方メートル、VIPルームを含め4つの個室を設けている。海外事業の強化を進めているなか香港店への投資額は1350万香港ドル(約2億円)。オーダーメードや既製品、医療用ウィッグなどの販売だけでなく、増毛・育毛サービスも提供する。同社代表取締役社長COO の津村佳宏氏は「顧客の7割は女性。女性にむけての商品開発は強化しており、髪の悩みだけでなく、地肌のスキンケアからオシャレで使うウィッグのオーダーメ―ドの相談をされる方などが増えている。美意識が高まる香港で、富裕層を中心に取り込んでいきたい」と述べ、5年以内に5店舗以上の出店を目指している。

 

Share