8月28日~9月8日のニュースから

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828日~98日のニュースから抜粋(月~金曜に毎日配信)

■天文台が放射線の観測車を導入

 香港天文台が約150万ドルを投じて放射線観測車を新たに導入、6月から供用を開始した。8月29日付香港各紙によると、同車両が1カ月に1回香港全域の道路を巡回してガンマ線量を実測し、来年からその数値を公表する考えだ。天文台はこれまでにも放射線観測車を所有していたが、線量の高低を測れるだけで、それが自然放射性核種なのか人工放射性核種なのか区別はできなかった。それに対し新型車両は、空気中の人工放射性核種を観測でき、毎分ごとにデータを天文台へ転送することが可能という。

■国慶節のMTR運賃、成人は半額

 来る10月1日は国慶節(中国の建国記念日)。香港特区成立後20回目の国慶節を迎えることを祝し、香港鉄路(MTRC)は10月1日と2日に乗車賃の割引サービスを提供する。8月23日付香港各紙によると、両日はオクトパスカードを使って乗車した場合に限り、成人運賃が子供運賃になるほか、シニアと子供、身障者は1回1ドルで乗車できる。この2日間はオクトパスカードを使えば何度でもこの割引運賃で乗車することが可能という。また、指定駅の割引サービス、オクトパス使用時の運賃の3%還元など別の割引も同時に適用された場合は、例えば‮/‬ژ湾—セントラル間なら成人の乗車賃は通常運賃14.2ドルが4.4ドルになる。ただし、エアポートエクスプレス、シャトルバス、東部線の上水—羅湖・落馬洲区間、ファーストクラスの運賃などについては割引適用外となるので注意したい。

■セントラルの観覧車が突然の営業停止

 中環新海浜のランドマークともいえる大型観覧車「香港摩天輪」が突然8月29日から営業を停止、観光客に動揺が広がっている。31日付香港各紙によると、現場周辺には閉鎖の知らせを掲げた看板が立てられたのみで、チケット売り場や付帯の飲食店舗はシャッターが下ろされた状態だという。同施設のサイトは閉鎖されてはいないものの、前売り券の払い戻しの問い合わせ用メールアドレスが表示されているだけで、閉鎖に関する具体的な言及は一切なされていない。ただ地政総署では動きを把握していたようで、現運営のスイスAEXホールディングスとの土地の賃貸契約とライセンス期限が28日に同時に終了したことを明かし、「現在は新しい運営会社への引き渡しとライセンス交付の時期で、再開は新しい運営の決定事項になるため未定」とのみコメントした。

■代表的セレブ「上海灘」創業者が死去

 会員制クラブ「中国会(チャイナクラブ)」やファッションブランド「上海灘(シャンハイタン)」の創業者として知られる‮>‬Hأْ(デビッド・タン)氏が8月29日、英国で死去したことが分かった。31日付香港各紙によれば、死因は肝臓がんで、亨年63歳。タン氏の曽祖父は銀行家、祖父は慈善事業家の‮>‬H肇堅氏で、タン氏自身は13歳から英国に留学し、ロンドン大学で哲学を、ケンブリッジの修士課程で法律を学んだ。1980年代には北京大学で英国文学の教授を務めた。故ダイアナ妃とは仲の良い友人関係で、英ロイヤルファミリーと交流があって、大英帝国勲章を授与されるなど、香港を代表するセレブリティーの1人だった。

■バス停飛ばしに激怒、女性運転手に暴行

 乗るはずのバスが停留所を通り過ぎたことに激怒し、男が女性ドライバーを殴り逮捕された。9月1日付香港各紙によると、事件が起きたのは8月30日の夜10時過ぎ、加害者は54歳の男で、被害者の運転手は55歳女性。男は石غئ尾南昌街の停留所で86C路線のバスを待っていたが、バスは到着したものの停留所を通り過ぎたため、男は走ってバスを追い、車体を叩きバスを停めたという。男は激怒し乗車後に運転席に詰め寄り女性を殴打。男はすぐさま逃走しようとしたが、乗客数人が取り囲み制止、さらにもみ合いになり乗客数人も殴られた。乗客の通報で警察が駆けつけ男を逮捕したが、乗客や被害者の話では、バスは停留所横に停車していた自家用車をよけて停車しようとしただけで、無視していたわけではないとの証言がなされている。なお、事件を受けて九龍バスでは、9月1日付の新聞各紙に意見広告を掲載。近年、バスの運転手に対する暴力が頻発していることなどから、同様の事件が発生すれば法にのっとり厳正に対処するとの声明を発表した。

■イーキンの妻、300万ドル賠償に異議

 俳優・歌手の鄭伊健(イーキン・チェン)の妻で女優の蒙嘉慧(ヨーヨー)が2011年に起こした交通事故によりケガをした男性が賠償金300万ドルを請求している裁判で、被害男性の偽証を裏付けるような証拠が見つかり、先ごろ賠償額の話し合いが行われた。8月30日付香港各紙によると、ヨーヨーが運転する乗用車と衝突したバンに乗っていた男性(現62歳)は、頸椎、大腰筋、股関節、尾てい骨を損傷。頸椎手術後は手足のまひや過活動膀胱があらわれ、排尿や歩行が困難だと訴えている。しかし、13年に裁判所で行われた調停の帰り道、男性がファストフード店に立ち寄り、手すりにつかまれば問題なく階段を上れたほか、人ぶつかりそうになっても迅速に避けるなど行動に支障はない様子で、街をぶらぶらし、介添えもなくミニバスに乗って帰宅が夜10時になっていたことが判明。ヨーヨーの弁護団がその一部始終をビデオで撮影しており、8月29日に高等法院に証拠として提出したのだ。また、男性が今回の事故の1年前に別のバス衝突事故に遭っていながらそのことを隠しており、その事故から4カ月過ぎるまで病院に行かなかったことも明らかになった。

■香港の億万長者は600人に1人

 1000万ドル以上の資産を持ついわゆる千万長者の人口当たりの割合で、香港が首位となったことがわかった。9月6日付香港各紙によると、これは中国本土のシンクタンク「胡潤研究院」の中華圏を対象にした金融リポートであきらかになったもの。首位香港の千万長者は34人に1人で、以下、北京(83人に1人)、台北(86人に1人)、マカオ(91人に1人)、上海(105人に1人)と続く。一方、香港の億万長者の割合は600人に1人で、台北、北京、上海の1200〜1600人に1人と比べると、やはり香港が群を抜いている状況だ。

■上海ガニ、ダイオキシン問題で厳格化

 間もなく上海ガニのシーズンがやって来るが、昨年は江蘇省産のカニの一部検体から発がん性物質のダイオキシンが見つかったことから、今年は中国当局が輸出審査基準を引き締めており、香港市場への入荷量が減るもようだ。9月6日付『香港経済日報』が伝えた上海ガニ専門店・老三陽の話では、中国の検疫当局が香港への輸出ルートや方法について公布しておらず、詳細が明らかになるのはまだ1週間ほど先になるという。このため昨年は9月半ばには江蘇・浙江省の太湖産上海ガニの第一陣が到着していたのに対し、今年は遅れる見込み。しかし9月末には到着する予定だそうだ。香港市場に出回るカニの量や質が分かるのは9月半ば以降になるが、中国本土ですでに販売されているカニから推察すると値段は昨年より20%ほど高くなり、重さ5両ほどの大きさのカニは1匹200ドルくらいになる見込み。例年中秋節から10日後あたりがピークシーズンで、この時期に良質のカニが出回るという。

■観覧車の売買決着、撤去は回避

 撤去が危惧されていた中環の大型観覧車「香港摩天輪」だが、状況が一転、存続が決定した。9月7日付香港各紙によると、これは現在の運営会社であるスイスAEXが発表したもので、新運営会社TECLに対する観覧車の売買契約が成立したという。交渉は観覧車本体の事実上の所有者であるダッチウィール社も参加し6日に行われ、観覧車撤去のデッドラインとなっていた7日の直前に決着した形となった。売買金額はあきらかにされていないが、情報筋の話では地盤などの基礎が450万ユーロ、観覧車本体が800万ユーロの合計1250万ユーロ(約1億1600万香港ドル)程度との見方が有力だ。

■郵便料金値上げ、国際郵便は2倍に

 香港郵政は9月6日、2018年1月1日から郵便料金を引き上げることを発表した。9月7日付香港各紙によると、値上げの理由は人件費や末端費用などコスト増。上げ幅は物価上昇率を加味している。16年1月に実施された料金調整では重量制に加え尺寸制が導入され一部料金が平均6.2%上がったものの香港域内の郵便物の8割に影響は及ばなかったため、実質的な値上げは13年10月以来となる。しかし、香港域内の郵便物は小型封筒の30グラムまでの料金が現行1.7ドルから新料金は17.6%増の2.0ドルとなるため、市民からは高すぎるという反発の声が出ている。このほか、上げ幅が目立つのは国際郵便だ。20グラムまでのエアメールの場合は上げ幅が97.3〜100%で、現行料金の約2倍となる。

ジェトロ、香港対日投資セミナーを開催


ジェトロ香港事務所は9月7日、香港総商会(HKGCC)との共催で香港対日投資セミナーを開催した。会場となった香港総商会には香港の不動産、ホテル、旅行代理店などの企業や投資関係者およそ100人が参加した。訪日外国人旅行者数は昨年2400万人を突破、上方修正した2020年目標の4000万人に向け堅調に推移している。近年の関西国際空港の航空路線拡大に伴い、外国人旅客者数は過去5年間で45倍に増加し、鉄道や道路などのインフラの充実に加え都市再開発プロジェクトが進んでいる。香港のホテル業界が関西エリアに注目する中、セミナーでは株式会社日本ホテルアプレーザルの北村剛史・代表が「関西の魅力と日本のホテルビジネスの展望」と題して基調講演を行った。北村氏は日本の魅力を日本人ではなく海外の方々の視点で発信していくことの大事さを訴え、「海外からのリピート率を高めるためにも、訪日する観光客を裏切らない、期待を上回る(ホテル業界の)対応も課題となる」と日本のホテル業界の現状と問題点、今後の課題について指摘した。
(写真:楢橋里彩)

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