快適な客室や魅惑のダイニング、話題の新ホテル

 最近、香港では新しいホテルのオープンや有名ホテルの大規模改装などが相次いでいる。どのホテルも各種レストランやスパなどさまざまな施設を備え、宿泊に限らず大いに利用できそうだ。今回は今年オープンしたばかりの2つのホテルと、先ごろリノベーションが完了したホテルを紹介する。
(文・鈴木理絵/写真と資料提供・取材各ホテル)

270度の絶景望む好立地

屋外プールのデッキテラスでホテル滞在を充実させたい。香港島独り占めの高揚感がある

 今年4月、紅磡にシャングリ・ラ・グループの新しいホテル「ケリーホテル香港」がグランドオープンした。九龍のウォーターフロントの新ランドマークとしてオープン前から話題を呼んだ同ホテルは「都心のライフスタイルリゾート」がコンセプト。MTR新線の黄埔駅から徒歩数分の至近距離にあり、香港島間を結ぶフェリーの紅磡ターミナルにも直結する。

全長8メートルのガラス窓が印象的な「ロビーラウンジ」でアフタヌーンティーを

 計546室の客室は、ナチュラルウッドとオーシャンブルーを基調とした落ちついたインテリアで統一されている。滞在するならきめ細やかなサービスを提供する「ザ・クラブフロア」がお薦めだ。同フロアのラウンジでは朝食、アフタヌーンティー、カクテルタイムなど、早朝から晩まで自由に利用できる。

全客室の6割がハーバーやランドスケープを眺む
商用での滞在者にうれしい充実したスポーツスタジオ

 またホテル内には託児所・託児サービスも完備しており、子供連れのお客にはありがたい。

 ホテル内のすべてのダイニングからビクトリアハーバーを愛でられるという好立地も素晴らしい。中国料理レストラン「紅糖」=16面に関連記事=をはじめとする6つのダイニングとバーでは、上質なサービスと料理が堪能できるとあって、オープン間もなく多くの地元客でにぎわっている。

 シェフがゲストの目の前で料理するライブ感あふれるクッキング・ステーションが自慢の「Big Bay Café(ビッグベイカフェ)」 は屋外のテラスも利用でき、まさに夏の特等席と言えそう。

トロピカルリゾートをイメージした「ビッグベイカフェ」の店内
「ビッグベイカフェ」のチルカウンターには新鮮なシーフードも

 紅磡が造船地帯だった歴史にちなみ名付けられた「Dockyard(ドックヤード)」は、世界各国の料理が味わえるフードホールで、ユニークなダイニングとして話題だ。

 お酒やドリンクを楽しみたいなら、バー「Red Sugar(レッドシュガー)」がいい。各種クラフトビールやアジアンフレーバーのさわやかなカクテルを多数用意し、週末にはライブ演奏を開催する。テラス席から視界270度に広がるハーバーを眺めれば、心身ともにくつろげるだろう。

270度のランドスケープを愛でる「レッドシュガー」のテラス

 落ち着いた「Lobby Lounge(ロビーラウンジ)」は、グリーンを多く配置し、優雅な庭園にたたずむような快適さ。香港式ティーやデザートも多種用意している。

昔日香港の魅力にあふれる「レッドシュガー」の店内

 このほか、2100人まで収容可能なボールルームや、16室ある大小の多機能ルームには最先端のオーディオビジュアル機器を用意するなど、ビジネスユースにも利用できる。

【Kerry Hotel, Hong Kong】
所在地: 38 Hung Luen Road, Hung Hom Bay, Kowloon
電話:2252-5888

香港初のファクトリーホテル

ロビーフロアにはギャラリーを併設し、至る所にCamluxのアイコンのサプライズ

 今年5月、九龍湾(カオルーンベイ)エリアで初のホテルとなる「カムラックス・ホテル」がグランドオープンし、香港で最初のファクトリーホテルのひとつとしても大きな話題となった。MTR九龍湾駅から徒歩10分ほどの利便性。近隣には、大規模な商業施設のメガボックスやインターナショナル・トレード&エキシビション・センター (KITEC)などがある。

色鮮やかなコーラルブルーの外壁やファーサードはひときわ目立ちながらも、このエリアにしっくりとマッチする

 ホテルの建物は、かつて魔法瓶製造工場のビルだった。その無機質さをクールでシックな魅力へと転換、さらにファッショナブルで機能的な館内へとリノベーションを施した。魔法瓶のモチーフをロビーなどの共有部や客室のインテリアとしてポップに演出。ロビー脇のグランドフロアの随所には、魔法瓶や製造器具がアートとして置かれ、工業地として栄えた歴史を体感できる。

客室は4タイプに分かれいずれも居心地よさを追求。写真は「コンフィールーム」
カムラックスホテルのオールデイダイニング「カフェ15」では、ホテルゲストでなくとも自由に楽しめる

 計185室の客室はレトロモダンをコンセプトに、コージールーム、コンフィールーム、ファミリールーム、スタジオルームの4つのスタイルを用意している。シモンズ社のベッドをはじめ、ベッド&バスのリネンは高品質にこだわって清潔で快適な環境を提供しつつも、その一方で「サービスアメニティとしては必要最小限のものだけを置く」というポリシーを貫く。旅慣れた上級者には無駄を削ぎ落としたミニマムな空間が心地よく感じるだろう。

カムラックスホテルの「カフェ 15」はメニューも中華、アジアン、ウエスタンと豊富に用意
カムラックスホテルの「カフェ15」の人気メニュー、食べ応えのある「デリシャスクラブサンド」

 ロビー脇には快適なオールデイダイニング「Café 15(カフェ15)」がある。お得なセットのブリティッシュブレックファーストのほか、アペリティフやディナーには地元のカオルーンベイ・クラフトビールなども用意しており、お薦めだ。

 コストパフォーマンスも魅力ともいえるカムラックス。週末には九龍湾までエスケープして、ホテルライフを気軽に楽しむのもいい。

【Camlux Hotel】
所在地:15 Wang Kwong Road, Kowloon Bay
電話:2593-2828

ヘルスプログラムも再始動

16~19Fにある「スカイハーバー・スイート」の客室

 リニューアルしたばかりの新生ザ・ロイヤル・ガーデンもぜひ利用したいホテルのひとつだ。1981年のオープン以来、実力派ラグジュアリーホテルとして高い評価を得てきたが、2011年から3000万米ドルをかけてリノベーションを始め、昨年にほぼ全てが完了した。

 客室は「家から家への快適さ」をコンセプトに、400室のコンテンポラリールームと50室のスイートルームを配置。全ての部屋に最新のテレビ・オーディオ機器や、イタリア・フレット社のベッドシーツ、羽毛ふとんを用意し、部屋の中でゆったりとくつろげる完璧な設えだ。

昼も夜も眺望が素晴らしい「スカイハーバー・スイート」

 さらに、新たに増設された16~19Fの「Sky Tower(スカイタワー)」と呼ばれるトップフロアーは、クラス感あふれる部屋作りを著名なデザイナーが手掛け、随所にナチュラルウッド、大理石、金の格子が施されている。

 香港在住者にとってうれしいニュースは、ヘルスプログラムの「Sky Club(スカイクラブ)」の再開だ。宿泊者以外でもビジター料金(1回500ドル)で利用可能。ルーフトップにありハーバーのパノラマを一望しつつ、トレーニングできる全長25メートルのプールとジム。プール脇のテラスではドリンクや軽食も楽しめる。

「スカイクラブ」内のスチームルームはスパ施術前に

 話題の地中海式スパは、美しいサウナルームやジャグジーも併設。フランスのプロダクト「Thalgo Beaute Marine」を使い施術を行う。現在はオープン記念のさまざまなプロモーションを実施中。

 ベーカリー「Fine Foods(ファインフーズ)」もお薦め。1日1万枚を焼き上げるという人気のバタフライクッキーは手土産にぴったりだ。

「ファインフーズ」の焼き菓子は手土産にぴったり

 充実したホテル内ダイニングも変わらぬ人気を誇る。かつて利用したことがある人たちも、今夏はレストランやスパを再訪するのはいかがだろう。

【The Royal Garden】
所在地:69 Mody Road, TST East, Kowloon, Hong Kong
電話:2721-5215

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