浅井先生の鍼灸Q&A

《63》 脳梗塞後のマヒ

Q:こんにちは。先月、軽い脳梗塞を起こし、入院していました。まだ左側の手足にしびれが残っているのと動きに敏捷性がないのです。私の父が脳梗塞後に鍼治療を受け、回復が早かったので参りました。

A:そうでしたか…。お歳はまだ48歳ですね、血圧はどうでしたか?

Q:今は、薬で小康状態なのですが、服用し始めたのは、約2年前でした。最初ドクターから「ストレス症かもしれないし、落ちつけばやめても良いかも」と言われていたので、のんだりのまなかったりしていました。
 ちなみに父は83歳なのですが、毎日ウオーキングなどやっていて、体に気をつけているせいか元気です(笑)。父も50代から血圧の薬を服用しています。

A:薬をのんだりのまなかったりは危険なのです。お父さまも血圧が高いということは、食生活が割に似ているということです。何か前兆は、ありませんでしたか?

Q:今思えば、数カ月前に、階段を上がろうとした時などに、少し自分の足を思い通りの場所へもっていけなくなったのですが、すぐに普通に歩いていけるようになるので放っていました。そして1カ月前の朝に手足がしびれて動かず、思ったようにしゃべれなくなったので、妻が救急車を呼び、病院へ直行、そのまま入院しました。
 1週間したら自分でトイレにも行けるようになり、退院後もきっちりお薬をのみ、リハビリに通っています。

A:今の時点で手と足にどういった不便さを感じますか?

Q:しびれ以外では左足の力が少し弱いのと、軽く外へ振るような動きになってしまいます。左手も少し力が弱くなっているのと、キーボードに触れるとしっくりきません…。

A:わかりました。それでは、早速治療を開始しましょう。右側の頭部に「頭皮針」、左の上肢と下肢を中心に鍼をして、右側の上下肢にも一部の穴に施術して、両サイドから、大脳の働きを回復させるようにいたします。 また「指のまた」の針に軽い低周波電気を使ったりして、動かしていくようにして、神経の筋肉に対する、伝導能力を高める方法を行っていきます。
 もちろん、針はディスポーザブル(使い捨て)ですし、治療の途中でご気分が悪くなるようでしたらお知らせください。大体の方は、「鍼と低周波」で気持ち良くなり、寝てしまう場合もあります。
 では、こちらのベッドに腕や足を出して、横におなりください。

(治療頻度は症状の程度によっても違います。また、進展具合にも個人差があります。)               (この連載は2カ月に1回掲載)

浅井先生:1987年から中国に留学。日本で鍼灸師の資格を取得後、診療所の理学療法科や鍼灸院、接骨院勤務を経て、1999年より香港で「誠恩堂鍼灸院」を開業。2003年に特区政府が定めた全科漢方医(漢方、鍼灸)の第1回資格試験に合格した。 

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