6月22日〜7月6日のニュースから抜粋

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622日〜76日のニュースから抜粋
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■今が旬の果物、「ライチ病」に注意

 今が旬のライチ。今年は豊作だが、ライチの食べ過ぎによる不調に気を付けたほうがよさそうだ。6月22日付『大公報』によると、広東省広州市では最近、7歳の児童が空腹時にライチを10個食べて、こん睡状態に陥ったことが報じされた。急激に糖分を摂取したため体が糖分を排出しようとして、血糖値が急下降したことが原因とみられている。香港中医師公会の会長の話では、5月末からこれまでに10人近くがライチの食べ過ぎで診察に訪れたという。そのうち20歳の男性患者は、広東省にライチ狩りに行き食べ放題を堪能したところ、血便が出たため受診。胃腸に持病があったこともあり、ライチの食べ過ぎが胃腸に負担をかけたらしい。子供の診察者は、ライチを食べた後に湿疹が悪化したという。漢方学ではライチは「気」が上がるフルーツとされ、体が熱をもち、口の渇きやニキビ、口内炎、歯痛などを誘発することがある。適量ならば問題はないが、食べすぎには注意が必要だそうだ。

■割のいいバイト話で詐欺

 報酬のいい副業があるとSNSで若い女性に声をかけ、金銭を騙し取っていた犯罪グループが摘発された。6月25日付香港各紙によると、逮捕されたのは暴力団の新義安ともつながりのある25歳の男を筆頭に男女計6人。最年少では16歳の高校生もいたという。被害にあった16人はすべて女性で年齢は17〜28歳と若く、犯人らは最初にフェイスブックで、副業にできる時給150〜200ドルのバイトがあると募り、西九龍のショッピングモールに応募者を呼び出して、言葉巧みにIDカードや銀行カードを提示させてコピーを作成。それを個人資料として消費者金融や銀行に融資やクレジットカードの作成を申請し、金銭を奪うという手口。収入証明などの資料も偽造するなど手は込んでおり、当初100万ドル以上の詐取を計画していたようだが、実際の被害総額は数万ドルのみにとどまっている。

■バーが20ドルの「お触り券」

 香港警察は6月23日、店内で性的サービスを提供していたバー3店を摘発し、従業員やタイ人の風俗嬢(66人)らの身柄を確保した。6月24日付香港各紙によると、チムサーチョイに位置する当該店は、表向きは政府リカーライセンスも所持している普通のバーで、客の消費額が毎回1000ドルを超える高級路線で売っていたという。しかし実際はマフィアが管理する風俗店で、なじみの客の隣にはタイ人の風俗嬢(19〜45歳)を座らせ、1枚20ドルで「お触り券」を販売しており、この券と引き換えに触れるようになっていた。さらに常連客が望めば、手を使った性的サービスや売春も行っていたようだ。3店ともバーとして数年間営業し、風俗店としてのサービスを始めたのは数カ月ほど前だが、すでに毎月500万ドル以上の売り上げを得ていたとみられる。また1店では先ごろ開幕したワールドカップにかかわる違法とばくが行われていた。当局ではこの摘発で現金12万ドル、コカイン、刃物や鉄パイプなどの武器を押収した。

■警官が職権乱用でモデルをナンパ

 香港警察の警官がパトロール中に女性モデルをナンパしていたことが分かった。6月23日付香港各紙によると、6月21日午後にモデルの伍淑怡(ヨーヨー)がMTR旺角駅に入ろうとした際、突然警官に肩をたたかれ、職務質問を受けたという。言われるままに香港身分証を見せ、携帯電話番号や住所、職業などを答えたところ、警官は身分証番号を無線を使って本部に問い合わせるそぶりもみせず、「友達になってくれないか?」と聞いたが、ヨーヨーは警官の左薬指に指輪があるのに気付き、やんわりと断ったそうだ。その晩、警官から電話がかかってきたため恐ろしくなった彼女は、いったんは食事中だと言い訳して切り、その後、女性の友人に協力してもらいながら電話に出て内容を録音。「飲みに行こうよ」「君から電話がほしい」など、くどいてきたので、証拠にしようと警官の顔写真をSNSに送信するよう要求したものの、警官は警戒して送ってはこなかった。明日かあさってデートをしようというリクエストに対し検討するという口実で電話を切ったヨーヨーは、翌日証拠を持って警察署へ出向いたが、刑事事件ではないため、苦情として処理されると言われたようだ。警察の資料では、当該警官は武装警官で未婚の33歳。何らかの処罰がされるものとみられる。

■太古城で叔母を射殺、財産分与で

 財産争いから親族を銃撃した女が逮捕された。6月27日付香港各紙によると、事件が起きたのは26日午後3時すぎ太古城のクォーリーベイ公園で、逮捕されたのは警備の仕事をしていた44歳の女。故人である犯人の母親の兄弟姉妹にあたる叔父と叔母4人と一緒に飲茶をした後に、祖母の遺した800万ドル分の不動産の分与について、公園で話し合っていたという。女は自分の取り分が少なく不公平だと激怒し、所持していた拳銃を取り出し犯行に及んだとみられる。80歳女性は銃弾を頭部に受け即死、60歳の女性は左肩を撃たれたものの現在は落ち着いた状態で命に別条はないが、叔父にあたる62歳と72歳男性はそれぞれ頭部と左肩に被弾し現在も危篤状態にある。女は犯行後すぐさま現場から逃走を試みたが警察は特殊部隊を投入し、ほどなく逮捕された。

■教会でのセクハラ、カウンシルが調査

 先ごろ教会の女性信徒が牧師によるセクハラ被害に遭った事件が明るみに出て社会に動揺が広がる中、香港基督教協進会(Hong Kong Christian Council)が6月24日、セクハラに関する調査報告を発表した。6月25日付香港各紙によると、同会では2017年8月から18年4月にインターネットを通じて教会内でのセクハラに関するアンケート調査を行ったところ、55件の有効回答が得られた。55件のうち、64%が自身の被害経験、36%が友人のセクハラ経験について書かれていた。またその内容は、強姦や強姦未遂を含む性行為を迫られたケースが17%(10件)、体を触られたり、触らせられたケースが33%(18件)、性的な連想をさせるジョークを言われたなどのケースが5%だった。さらに、加害者の38%が牧師あるいは伝道師、35%が信徒仲間だということが分かった。

■住宅政策で6項目の新措置を発表

 林鄭月娥・行政長官らは6月29日に記者会見し住宅政策の新措置を発表した。新措置は(1)政府が購入を支援する住宅の価格設定政策を変更(2)市区重建局の馬頭囲道の開発プロジェクトを「港人首次上車盤」のパイロットプロジェクトに変更(3)民間開発の住宅用地を公共住宅の建設用地に回す(4)民間による過渡的住宅プロジェクト推進を支援するタスクフォース設置(5)空室の住宅物件に対し追加の不動産税を徴収(6)地政総署のプレセール同意案を修正し販売手法を改善——6項目。(1)では分譲型公共住宅の価格設定について新たな負担能力テストを採用することで今後は市価にリンクしないこととする。2018年は市価の52%となり、現在の70%から引き下げられる。賃貸型公共住宅の住民向け物件については前期の分譲型公共住宅の価格から10%引き下げられる。(5)では不動産税条例を改正し、過去12カ月のうち6カ月以上、居住や賃貸されていない新築住宅物件は空室物件とみなしオーナーから追加の不動産税を徴収。税額は住宅価格の5%に相当する。

■現金持ち込み、12万ドル超は要申告

 香港税関は7月16日から現金類の香港への持ち込みに関する新制度を実施し、香港市民、旅客にこだわらず全入境者は所持額が12万香港ドル相当を超える場合に自主申告が必要となる。6月29日付香港各紙によると、香港ドルや外貨の貨幣だけでなく、トラベラーズチェック、無記名の債券・小切手などの物品が対象で、所持者は税関の赤い通路へ進み書面で申告しなければならない。また、7月3日からは電子申告システムがスタートする予定だ。当該条例に違反した場合、初犯は2000香港ドルの罰金、再犯の場合は刑事起訴され、有罪となれば罰金50万香港ドル以下の罰金および2年以下の禁固刑となる。しかし当局では今年10月15日まで移行期間を設けており、期間中は故意ではなく条例に違反した場合、書面での警告措置がとられるという。出境者の現金類の持ち出しは、税関職員から要求があった場合のみ申告する形となる。税関は6月28日に同条例実施に関する詳細を発表するとともに、14万香港ドルを投資して導入した貨幣探知犬4頭によるデモンストレーションを披露。探知犬は紙幣のインクのにおいや濃度で外貨の種類や分量を識別することができ、貨幣が5万香港ドル以下の場合は反応しないよう訓練されている。しかし小切手を識別することはできないそうだ。

■落雷直撃、英国進学を控えた学生死亡

 雷雨警報が発令された7月2日、落雷の直撃による死亡事故が発生した。3日付香港各紙によると、死亡したのは高校生の廬高彦さん(18)。廬さんはこの6月に高校を卒業したばかりで、当日は同級生5人と馬鞍山にトレッキングにでかけていたという。廬さんを含め6人は朝10時に出発し、直後に雷雨警報が発令されたにもかかわらず、現地は天気が良かったため登山を続行。だが正午過ぎに中腹の大金鐘に到着した頃に雷が鳴り天気が急変、大金鐘は高い樹木がない平原のため6人は各自その場にうずくまり落雷を避ける態勢をとっていたが、雷は廬さんの頭部を直撃した。友人らはすぐさま消防署に助けを求め、廬さんはヘリで病院に運ばれたが間もなく死亡した。当日、香港域内では1029回もの落雷を観測、地域別では馬鞍山を含む新界東が568回と最も多かった。なお廬さんは9月から英国に大学に進学することが決まっていた。

■林鄭長官、運輸及房屋局の分離を否定

 林鄭月娥・行政長官は7月3日、住宅政策をスムーズにするため構想されてきた特区政府運輸及房屋局の分離を否定した。4日付香港各紙によると、同局の分離は林鄭長官が1日の特区成立21周年記念レセプションの後にメディアと談話した際に言及したもの。3日の記者会見で立法会にいつ提案するかを聞かれたが、林鄭長官は「当面は全く計画していない」と回答。運輸及房屋局は仕事量が多く、運輸と住宅を分けるべきとの意見はかなり前から聞いているため行政長官選挙時の政権公約(マニフェスト)にも盛り込み、それをあらためて述べただけと説明。機構改革は多くの事柄がかかわるため簡単ではないと指摘した。林鄭長官は当初、運輸及房屋局をそれぞれ分離し、土地開発と住宅事務を合わせた「土地及房屋局」と、運輸事務と工務政策を合わせた「運輸及工務局」とする機構改革を提案していた。もともとは梁振英・前行政長官が就任後に推進しようとした機構改革の一環だったが、民主派による議事妨害のため棚上げした経緯がある。

■九龍バス、針の仕込みに座席切り裂き

 九龍バスの座席に針を仕込む行為に続き、座席自体を刃物で切り裂く犯行も増加していることがわかった。7月4日付香港各紙によると、針は直近では3日朝8時過ぎの葵涌のバスターミナルで発見されたばかりだという。発車直前の46番路線(麗瑶邨—佐敦)の車両の座席に刺さっているところを乗客により発見された。同車両の上階には防犯カメラが設置されておらず、犯人の姿は確認されていないもようだ。仕込み針に関しては最初に見つかった6月27日以降で計6件となったが、あわせて座席自体を刃物で切り裂く犯行も多く発見されており、7月1〜3日の3日間だけで13件も報告された。ただ、仕込み針の事件が各媒体で大きく取り上げられたこともあり、同一犯ではなく模倣犯の可能性も指摘されている。

■スマホ決済浸透せず、利用率2割

 数年来、支付宝(アリペイ)や微信支付(ウィーチャットペイ)、アップルペイなど、スマートフォンによる決済が話題となっているが、香港での普及率はわずか2割にとどまっていることがわかった。7月5日付香港各紙によると、これは香港生産力促進局(HKPC)が支付宝香港と共同で、香港市民1049人(15〜64歳)を対象に過去1年間で日常で頻繁に使用した決済方法について調査したもの。首位は現金で99%、以下、八達通(97%)、クレジットカード(53%)、EPS(25%)非接触型クレジットカード(25%)と続き、スマホ決済はわずか20%という結果に。スマホ決済をしない理由としては「操作方法がわからない」(68%)、「個人情報が流出するリスクがある」(55%)などが主因のようだ。香港資訊科技商会の方保僑・栄誉会長は「八達通が浸透している上に、現在スマホ決済は高額チャージができない。香港金融管理局(HKMA)が推進する快速チャージシステムが開始される9月が分水嶺になるのでは」とスマホ決済の普及に期待する姿勢を見せた。

■同性伴侶のビザ却下、差別を認める

 同性のパートナーに連れ添って来港した英国籍の女性が、扶養家族の身分で滞在することを香港入境処に却下された案件で、香港終審法院(最高裁に相当)は7月4日、入境処に性的べっ視があったと判断し、原告の主張を認めた。7月5日付香港各紙によると、原告は2011年6月に家族ビザを申請したが8月に却下され、同年9月に来港して以降も旅客の身分で香港に滞在。13年には就労ビザを申請したが却下され、その後再度家族ビザを申請したが却下されたため司法審査を申し立てた。16年10月に原告は敗訴したものの上訴し、上訴審では原告が逆転勝訴。その後、入境処が上訴して終審法院で審理された結果、入境処に性差別があったとして原告の主張が認められた。入境処は終審法院の判決を尊重するとコメントしている。

「あしたの働き方改革シンポジウム」開催


株式会社あしたのチームが主催した「あしたの働き方改革シンポジウムin 香港」が629日に開催された。あしたのチームは既に海外10カ国・地域でサービスを展開しており、5月には香港での現地法人を設立、海外でも国内同様、人事評価クラウドを活用した運用支援サービス を提供し、各企業様が抱える人材に関する様々な課題をサポートし ている。同社代表取締役の高橋洋介氏による「社員のエンゲージメント(自発的貢献意欲)を高めるすごい人事評価」と題した基調講演をはじめ、シンポジウムでは香港での企業経営者や人事責任者に対する労務専門家による特別講演、HR業界の有識者や日本人経営者を招き「香港で勝ち抜く為の真の現地化とは」をテーマにパネルディスカッションなどが行われ、香港・華南地域の日系企業の現地化を実現するための人材マネジメント、そして人事評価制度に焦点をあて具体的な事例を交えたものとなった。
(写真:楢橋里彩)

 

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