6月12~21日のニュースから抜粋

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612~21日のニュースから抜粋
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■東区区議会の補選、親政府派が当選

東区区議会佳暁選挙区の補欠選挙が6月10日に行われ、親政府派の候補が当選した。11日付香港各紙によると、同選挙は林翠蓮・議員が死去したため実施。登録選挙人8728人のうち4307人が投票し、投票率は49.35%に達した。2015年の区議会選挙の同選挙区の投票率45.98%より高かった。候補者3人の得票数は民主建港協進連盟(民建連)と香港工会連合会(工連会)の共同推薦を受けた植潔鈴氏が2268票、民主派統一候補の李鳳瓊氏が1302票、無所属民生派の陳真真氏が707票で、植氏が当選した。同選挙区では民主派候補が出馬したことはなかったが、投票率が高まっても民主派に有利とはならなかった。ある有権者は「これまで民主派を支持してきたが今は信頼していない。彼らは反対のために反対し、政府の施政を妨げている」と述べ、非民主派候補に投じたという。

■エイの赤ちゃん、両親は日本出身

海洋公園で先ごろ、香港では初となるマダラトビエイの赤ちゃんが2匹(オス1匹とメス1匹)誕生した。6月8日付香港各紙によると、赤ちゃんの親は2009年に「いおワールドかごしま水族館」から香港にやって来た3匹(オス2匹、メス1匹)だ。3匹は約10歳で昨年4月に交配して、今年1月6日に2匹の赤ちゃんが誕生したが、どちらのオスが父親かは分からないため今後DNA鑑定する予定という。2匹のうちオスは「波波」、メスは「点点」と名付けられた。現在、親とは隔離され環境適応訓練を行っており、早ければ今年第4四半期に展示用水槽にお目見えする見込みだ。

■元「本土民主前線」の梁氏に禁固6年

高等法院(高等裁判所)で6月11日、2016年春節(旧正月)に発生した旺角暴動で起訴された元「本土民主前線」スポークスマンの梁天٥a氏ら3人に対し量刑が下された。12日付香港各紙などによると、梁氏は亜皆老街での暴動罪と警官襲撃罪について禁固6年の刑が言い渡され、まだ判決に至っていない“\蘭街での暴動罪については7月13日にあらためて予備審理が行われる。同様に暴動罪で有罪となった慮建民氏は禁固7年、黄家駒氏は禁固3年半が下された。裁判官は判決文で「暴動の規模は大きく極めて深刻。香港市民の安全に大きな危険がもたらされ、抑止性のある刑罰が必要である」「社会に誤ったシグナルを与えないため、政治的訴えを情状酌量の理由として受け入れることはできない」「暴動は集団的暴力行為で、暴動への参加を選択した者は自業自得」「マスクをして手製の盾を持っていたことから行為は組織的で計画的」と述べたほか、英国の同様事件の判例を複数引用した。旺角暴動では91人が逮捕され、28人がすでに有罪判決を受け、被告3人が逃亡中。今のところ慮氏の禁固7年が最も重い刑となっている。

■梁振英氏、「八万五」の再評価訴える

梁振英・前行政長官は6月12日、作家の屈穎妍氏の新書『既是紅底又如何?(赤だからってどうなの?)』の発表サイン会に出席した。13日付香港各紙によると、梁氏は董建華・元行政長官の政権時に推進した「八万五」(年間8万5000戸の住宅を供給する)政策に触れ「董氏が政策を放棄しなければ、住宅問題はすでに解決している」と断言。当時「八万五」政策を放棄したのは世論の圧力と立法会で民主派の反対に遭って推進が難しくなったためと振り返り、「だから今、社会政策を討論する際は事実に基づいて真理を検証しなければいけない」として再評価を促した。一方、屈氏の新書タイトルは民主派などが愛国者に対して「赤」というレッテルを張ることへの反発を表したもの。愛国学校出身の屈氏は後輩らが偏見のため愛国の感情を隠さなくてならない事情を語ったが、梁氏は「自身の国家を愛するのは最も普遍的な価値観」と述べた。

■2割が第3四半期の新規採用に意欲

3カ月以内に増員を予定している香港企業が20%を超え、人材不足の傾向が顕著となっている。6月13日付香港各紙によると、これは人材コンサルタントのマンパワーグループが香港内の経営者636人を対象に行った第3四半期の「就業展望調査」であきらかにしたもので、経営者の21%が増員予定と回答した。全6業種(金融・保険・不動産、製造、鉱業・建設、卸・小売り、サービス、運輸・公共)の中で最も採用意欲が高いのは「金融・保険・不動産」で23%にのぼり、前年同期比で5ポイントもアップしている。今後の傾向について同社の徐玉珊・大中華区高級副総裁は「全般的に採用意欲は旺盛だが、中でもIT技術者の需要が最も高い」とコメント、「フィンテックやビッグデータ技術者の引き合いは多く、金融では給与の3割増しでのヘッドハントはざら」と具体的に述べた。

■後継者なく、湾仔の人気麺屋が閉店

このところ老舗レストランの廃業が相次いでいるが、また1つ香港市民に親しまれた麺屋が姿を消すことになった。6月13日付『香港経済日報』などによると、湾仔で約60年間営業してきた「永華麺家」が8月末に閉店するという。従業員の話では、廃業の理由は家賃の高騰のほか、店主が高齢になり後継者がいないこと。閉店日は決まっていないものの1〜2カ月以内に店を閉めることになっているそうで、店の看板にはその店名を覆い隠すように「光栄結業」の張り紙が張られている。永華麺家は湾仔エリアで60年前に創業、おいしいワンタン麺で人気を博した。1989年にヘネシーロードへ移転し、以降同地で営業を続けてきた。2016年から『ミシュランガイド香港マカオ』の「ビブグルマン選定レストラン」に3年連続で掲載されるなど、美食家からの評価も高かった。

■ヤミ金業者を摘発、年利670%も

高金利で違法な融資を行っていた、いわゆるヤミ金業者が摘発された。6月14日付香港各紙によると、貸し付け金額は総計で200万ドル以上、押収された名簿から顧客は100人以上とみられている。逮捕されたのは23〜43歳の男女15人で、背景には暴力団が関係しているという。香港の法律では最高金利は年利60%と定められているが、この業者はその10倍以上の670%で貸し付けていたようだ。手口としては携帯電話のSMSで、低金利、収入証明不要をうたった勧誘を糸口に、最終的には親や友人を保証人に立てることを要求し、高金利で融資を行っており、借主の返済が滞ると、保証人に対し恐喝や暴力、住宅にペンキをかけるなど違法行為を行っていた。なお、活動拠点からは顧客名簿のほか、ヘンプ(大麻)オイル708グラム、金属バットなども見つかり、証拠品として押収された。

■香港衆志、米国の反中政治家と会談

香港衆志の敖卓軒・常務委員と民間人権陣線の楊政賢・元召集人(香港中文大学学生会の元会長)は6月6日に米ワシントンで開催された第2回「チベット・香港・台湾円卓会議」に参加した際、米国の反中勢力の政治家と会談したことが分かった。14日付『文匯報』によると、同会議はチベット独立組織「自由西藏学生運動」が主催し、チベット、台湾、香港の各独立勢力の連携を討論したもので、台湾の「ヒマワリ学生運動」リーダーの林飛帆氏も出席した。その後、敖氏、楊氏、林氏、それに自由西藏学生運動のドルジェ・ツェテン執行就任は米議会の施設で「米国の中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」共同主席を務める共和党のクリストファー・スミス議員と会談し、敖氏がその写真をフェースブックにアップした。スミス氏は香港の民主化運動を支持し、中国の人権問題に積極的にかかわり「香港人権および民主法案」を提出している。民主建港協進連盟(民建連)の葛珮帆・議員は「香港衆志メンバーなどは度々、異なる独立勢力とともに米国の反中議員と結託し、米国で売国売港法案を立法手続きに入れようとしている。これは明らかに売国奴行為だ」と批判した。

■USB充電アダプター、全部不合格

消費者委員会は6月14日、コンセントに差し込んでスマホなどの充電を行う旅行用電源アダプターの品質調査の結果を発表した。15付香港各紙によると、同委員会が選んだのはタイ製1種と中国本土製9種の計10種で、国際的な基準を満たした製品が満点の5点の評価を得るというもの。結果、最高評価はタイ製のSkrossのもの(399ドル)と、本土製の牛魔王のもの(249ドル)で同点の3.5点。最低評価は本土製のメーカー不明の製品(78ドル)で1.5点と、全体的に低評価で、安全といえるものはひとつもなかったことになる。低評価の原因はすべての製品において、基板同士を絶縁する処理がなされていなかったこと。特に9位(98ドル、メーカー不明)と最下位の本土製品は過度の電流を遮断する機能がなく、充電中にアダプター自体が変形するほど過熱し、調査不能となった。

■消費者委、生理用ナプキンを調査

消費者委員会が先ごろ、香港域内で流通している生理用ナプキンについての性能検査を行った。6月15日付香港各紙によると、今回対象となったのは計45種で、昼用・経血量ふつう・長さ23〜25センチの商品21種と、昼・夜用で長さ26〜29センチの商品10種、羽付きの夜用で長さ29〜42.5センチの商品14種だ。吸収量や吸収後の表面の乾燥度などを5点満点で評価したところ、45種のうち29種が総合評価で4点またはそれ以上という結果となり、全体的に性能が良いことが分かった。また、45種すべてで病原菌や蛍光増白剤など、有害物質は検出されなかった。消費者委による人工血液を使った測定で最も評価が低かったのはドラッグストア「ワトソンズ」のプライベートブランドの昼用ナプキン「超薄綿柔護翼衛生巾(日用)」。ナプキン1個あたりの単価は79セントと安いものの、吸収後の乾燥程度が最も低かった。一方、値段が高いのに漏れやにじみが出た商品も2種あった。しかし「ORGANYC有機綿衛生巾」(ナプキン1個あたりの単価4.99ドル)と「Natracare有機綿倍安(繊巧)護翼衛生巾・日用量多/夜用(26センチ)」(同4.9ドル)の代理店は消費者委の指摘に対し、もれがないことを裏付ける製品テストの動画と第三者の検査機関による測定結果を提出したという。

■W杯開幕前夜、ノミ行為で45人逮捕

FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会の開幕前夜の6月13日、香港警察と中国広東省の当局が、違法とばくの一斉取り締まりを行い、両地合わせて52人が逮捕された。6月15日付香港各紙によると、香港では20数カ所で男女計45人を逮捕し、サッカーくじ7800万ドルの投票記録をはじめ、現金250万ドル余り、パソコン、とばく道具、ドラッグなどの証拠物品を押収した。摘発場所の中にはホンハムの商業ビルの一室を利用し、クラブ形式で運営された豪華な賭場もあった。内部には麻雀台やゲーム機、休憩室、サウナ、ワインセラーまで完備していて、バスローブやワインのサービスもあったという。そこでは3000万ドルにおよぶサッカーくじと競馬のノミ行為の投票記録が見つかり、胴元ら5人と客11人が逮捕された。香港警察の資料によると、サッカーくじのノミ行為の摘発は、2014年W杯開催年は89件で逮捕者は155人、投票額は7億3600万ドルだったが、翌15年の摘発は5件で逮捕者は17人、投票額は9700万ドルというように、いかにW杯開催時に違法とばくが増えるかがうかがえる。

■IPO資金調達額、上半期は世界5位

監査法人デロイト・トウシュ・トーマツが、上半期の新規株式公開(IPO)による資金調達額に関するリポートを発表した。6月20日付香港各紙によると、今年上半期の香港取引所(HKEX)のIPOは101社で資金調達額は503億ドルに達し、世界ランキングでは5位にランクイン。1〜4位はニューヨーク(35社、1401億ドル)、ナスダック(68社、934億ドル)、上海(36社、737億ドル)、ドイツ(12社、675億ドル)となっている。下半期の香港の動向について同社の欧振興パートナーは「少なくとも5銘柄はフィンテックなど新しい経済モデルの企業で、それぞれ100億ドル超えの規模の上場があると思う」と予測、また「通年では180銘柄、1600億〜1900億ドル程度になるのではないか」と付け加えた。

■偽札製作に関する初のガイドライン

映画の撮影で小道具として使用した偽札を保管していたスタッフらが「偽紙幣保管罪」で有罪となり、映画界から批判の声が出ていたが、このほど政府金融管理局が小道具としての紙幣の複製に関するガイドラインを初めて公表した。6月19・20日付香港各紙によると、金融管理局は6月18日に公式サイトに規約を掲載。小道具の偽札は本物の紙幣よりも20%大きいまたは小さいサイズであること、偽札の作成前に警察にサンプルを提出すること、紙幣の表面にテレビや映画会社の名称を印刷すること、紙幣の表面に「Stage Money」と印刷すること、使用後は警察によって廃棄処分とすることなどについて記録を残すこと、などの13項目が含まれている。また、6月19日には金融管理局、警察、と映画業界代表らが面談し、偽札使用申請の手順などに対する要望などについて検討した。金融管理局によると、過去10年(2008年1月から18年6月)に同局が受けた紙幣の複製申請は690件、うち587件が承認された。ほとんどの使用目的が教科書などの教材と広告に使われるためだった。撮影の小道具としての申請は13件のみで、うち5件は承認、2件は却下、その他5件は申請取り下げだった。承認されなかった2件は、紙幣のサイズが規約に符合しなかったためという。


サバとマグロの「SABAR×DORAYA」開店

とろさば料理専門店「SABAR」を運営する株式会社 SABARと、人気ホンマグロ専門店「定食のどらや」を展開する株式会社FFJ がタッグを組んだ「SABAR×DORAYA」が6月20日にオープンした。SABARは日本国内で18店舗、海外ではシンガポールに2016年に進出し、香港店が20店舗目となる。店内は55席(テーブル42、カウンター9、半個室4)。この日はJETRO 認定日本産食材サポーター店として世界で3000店舗目(香港で780店舗目)として認定証授与式も併せて行われた。メニューで使用されるのは主に福井県小浜市と鳥取県で養殖サバ。酒かすを餌に混ぜ育てた福井県産の「酔っ払いサバ」が人気メニューだ。香港では日本で人気のあるメニューから厳選した32種を展開、定期的に替えていく。7年前からシティスーパーやSOGOなどで短期間サバ鮨を販売して進出のタイミングを見ていたという鯖や・SABAR代表取締役社長の右田孝宣氏は「日本ではサバ一本だが、海外ではサバ・プラスとして最強のパートナーと組むことによって飲食業界の概念をかえていきたい」と意気込みを語った。
(写真:楢橋里彩)

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