香港貿易発展局だより《特別編》夏のイベント早わかり

香港貿易発展局だより
《特別編》
夏のイベント早わかり

香港貿易発展局は2018年度(2018年4月〜2019年3月)に香港で展示会37本、国際会議8本の開催を予定している。16年度は展示会36本への出展者数が約3万8000人、来場バイヤー数が約77万人となり、香港の経済振興に一定の役割を担ったが、17年度、18年度もこれを上回る商機と需要の創出を目指す。本稿では、18年度の第2四半期(7〜9月)に開催されるイベントの見どころを紹介する。7月は香港の夏の風物詩となっている「香港ブックフェア」、8月は日本企業が300社以上出展する「フード・エキスポ」、9月は世界最大規模の時計見本市である「香港ウォッチ&クロック・フェア」が開催され、優良なサプライヤーを求めるバイヤーが世界各地から香港に集結する。(構成・編集部)



■第25回「香港ファッション・ウィーク」(春/夏)

新興セレクトショップとして急成長中のトウキョウベースが2017年4月に「ステュディオス」、同年11月に「ユナイテッドトウキョウ」の海外1号店を香港に出店したことに象徴されるように、香港はアジアのファッショントレンドの発信源として注目されている。その香港で開催されるファッション・ウィークには昨年、世界各地から1094社が出展し、1万2024人のバイヤーに売り込みを掛けた。プロバイヤーのみ入場が許される実務的な展示会だが、会場内ではショー的な要素も随所に光る。

■第29回「香港ブックフェア」

人口約736万人の香港で来場者数が100万人を超す驚異的な書籍見本市。昨年は過去最大のジャパンパビリオンに21社・自治体・団体が集結した。今年はこれがさらにパワーアップする。お子さまからお年寄りまで誰でも来場可能。

■第2回「香港スポーツ&レジャーエキスポ」

ブックフェアに来場するファミリー客に書籍以外の商品を販売する場として始まったB2C(消費者向け)のイベント。各種スポーツ用品からキャンプ、ハイキング、登山などのレジャー用品、フィットネスやジム関連グッズが所狭しと並ぶ。昨年は香港企業を中心に89社が出展し、100万人の来場を記録した。

■17回「現代漢方&ヘルスケア国際会議」

英国植民地としての155年の歴史的遺産を背景に西洋医学と東洋医学が見事に融合する香港。その地で開催される漢方と健康に関する本格的な国際会議。従来の漢方薬品などの出品物は同時開催の「フード・エキスポ」内に移管されバイヤー、一般来場者双方に向けて営業・販売される。イベントの運営は現代化中医薬国際協会が全面的に支援する。

■第10回「香港インターナショナル・ティー・フェア」

「茶」に関連する総合的な商品見本市。中国茶、日本の緑茶、スリランカの紅茶といった茶葉をはじめ、保存容器、茶器、茶菓子、茶葉の加工・試験関連機器などを紹介。日本の農林水産大臣が毎年、会場を視察し、お点前を受けるのもおなじみの光景となっている。世界的な緑茶、抹茶ブームを受けて日本の出展ゾーンへの注目度が年々上昇している。

■第3回「ビューティー&ウェルネス・エキスポ」

食物や飲料を摂取することと密接にかかわる美と健康に関するB2C(消費者向け)のイベント。アジアの美容先進国・韓国のパビリオンも設けられる。昨年は一般来場者への販売と並び、香港をはじめシンガポール、タイ、豪州などのパートナー候補者との商談の場としても活用されたと、ある韓国の出展者は話した。KOL(キー・オピニオン・リーダー)による講演や、メークレッスン、カウンセリングなどもあり女性に大人気。

■第29回「フード・エキスポ」

8月は、食事が健康の基という「医食同源」の文化に美と健康まで含んだ一連のイベントが開催される。その中心に位置するのがこの食品・食材の総合見本市。出展者の国・地域別内訳で日本が中国本土に次いで2位を占めることから日本のプレゼンスが極めて高いことも特徴。2013年12月に「和食」がユネスコの無形文化財に登録されたことで盛り上がりが加速している。最終日は一般来場者にも開放され、日本各地の名産・特産品を目当てに大勢の来場者が殺到し、縁日にようなにぎわいをみせる。

■第5回「香港家電・日用品展」

昨年は168社が出展し、一般来場者向けにキッチン家電、日用家電、照明といった家電類や、シェーカーやメジャーなどのバー用品、寝具、調理器、食器類といった日用品を販売。スポーツ&レジャーエキスポ、ビューティー&ウェルネス・エキスポと合わせると、ひとつの「ライフスタイル展示会」になるとのコンセプトで運営される。

■第37回「香港ウォッチ&クロック・フェア」

時計というとスイスの印象が強いかもしれないが、実は世界最大の時計見本市は香港で開催されている。昨年は世界18カ国・地域から827社が出展、来場バイヤーは2万867人を数えた。モデルによるショーやデザインコンペなども多数開催される。近年では「サロン・ド・ティー・イー」と呼ばれる高級時計ゾーンを独立化して運営される。ティー・イーは「タイム・エクストラバガンザ(時間の祭典)」の頭文字から取られた。

■第3回「センターステージ」

第2四半期のイベントのトリを務めるのにふさわしい華麗なるファッションショー。開幕日に開催される「センターステージ・エリート」では、アジアの選りすぐりのデザイナーのコレクションを身にまとったモデルたちによるランウェイが行われる。今年は、2016年の第3回「 LVMH Young Fashion Designers Prize(LVMHプライズ)」で日本人初のファイナリストにノミネートされた落合宏理氏が「ファセッタズム」のショーを行うことが決定している。


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