5月29日~6月12日のニュースから抜粋

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■5月の酷暑記録、134年ぶり更新

 温暖化の影響で香港の夏は年々暑くなっている。香港天文台が5月25日に発表した統計によると、5月17〜25日に9日連続で気温が摂氏33度以上となり、1884年以降で5月単月としては最も長い酷暑の記録となった。5月26日付香港各紙がよると、1963年の5月に8日連続で酷暑となった記録を134年ぶりに塗り替えた。33度以上を記録したのはの9日間。今年5月1〜24日の平均気温は例年に比べ2度近くも高くなっているという。ちなみにこれまでに最も長かった酷暑の連続記録は1978年7月4〜22日の計19日間だ。一方、今年1〜5月は乾燥しており、その間の累積雨量は170.7ミリメートルと少ない。これは史上2番目の少なさで、平均よりも70%近く少ないという。5月21日までの香港の貯水池の水量は61.26%で昨年に比べ7.4%少ない。1963年の酷暑では取水制限が行われたことから、心配する声も出ている。

■「Twins」の阿嬌が結婚

 2人組ユニット「Twins」のメンバーで、「阿嬌」の愛称で親しまれた鍾欣潼(ジリアン・チョン)(37歳)が米ロサンゼルスで5月25日(現地時間)、結婚式を挙げた。5月27日付香港各紙によると、お相手は台湾の俳優・王陽明に似ていることから「医学界の王陽明」と呼ばれるイケメン医師、頼弘国さん(33歳)。2人は2017年、阿嬌がドラマ撮影のため台湾滞在中に友人の紹介で知り合い、同年10月には交際宣言し、遠距離恋愛を実らせた。交際が明るみになる前は、頼さんが勤務する医学美容中心に阿嬌が出入りする姿がたびたび目撃されたことから整形疑惑が浮上してしまったという。頼さんは再婚で、16年に中華航空の客室乗務員だった女性と結婚したが、半年後に離婚。阿嬌は、方力申(アレックス・フォン)や麥浚龍(ジュノ)と交際のうわさがあったほか、2008年には流出した陳冠希(エディソン・チャン)のわいせつ写真の中に写っていた女優の1人だったことが分かり世間を騒がせた。

■MTR運賃3%値上げ、5億ドル還元

 MTRの運賃が6月30日から値上げされることが正式に発表された。5月29日付香港各紙によると、値上げ幅は以前に報道があった通りの平均3.14%。値上げのたびに発表される負担軽減措置だが、今回は計5億ドルが市民に還元される予定だという。まず日本の定期券に近い機能を持つ「月票」と「都会票」だが、年内に限り価格は据え置きになる。2つ目は八達通(オクトパス)使用者に限られるが、2018年6月3日〜19年1月1日の半年にわたって運賃が自動で3%割り引かれる。3つ目は緑色のミニバス(路線バス)の乗り換え割引だ。これも八達通使用者に限られるが、香港内の緑色ミニバスおよそ500路線を、乗り継ぎや乗り換えでMTRと併用すると30セント割引になる。この割引のみ適応期間が長く、6月3日から5年間、すなわち23年の6月まで続けられるという。

■トラムの値上げ申請承認、7月から

 トラムを運行している香港電車公司が特区政府運輸署に申請していた運賃改定が行政会議によって承認された。5月30日付香港各紙によると、新価格での営業は7月2日から。値上げ幅は年齢により異なり、初乗り料金は大人が2.3ドル→2.6ドルに、子供(3〜11歳)は1.2ドル→1.3ドル、高齢者(65歳以上)は1.1ドル→1.2ドルなどとなっている。2011年6月以来、7年ぶりのトラム運賃の値上げとなるが、政府関係者は申請を可決した背景として、ほかの交通機関との競争にさらされ経営環境が厳しくなっていることや、乗車料金以外の収入を得ることが難しい同社の構造的な問題を挙げた。

■政府、米国の犯人引き渡し要請を拒否

 米国国務省はこのほど香港政策法リポートを発表した。5月31日付香港各紙によると、リポートは「林鄭月娥・行政長官が昨年10月、中央の指示の下で米国に対する逃亡犯引き渡し要請を拒否し、さらに逃亡犯を中国本土に引き渡した」と指摘し、「中央政府の一部挙動は香港に高度な自治を認めた承諾と一致しない」と非難した。この逃亡犯はマカオ市民で、2016年末に香港で逮捕され、現在、本土で取り調べを受けているもよう。逃亡犯は本土住民2人とともに米国の法律事務所のパソコンに侵入してデータを盗み株のインサイダー取引を行ったという。特区政府報道官は「過去5年に10人の逃亡犯を協定に基づき外国に引き渡したが、米国を含む外国との協定には特区政府が要請に従って処理するとは限らないことを明記している」と説明した。国務院外交部の華春瑩・報道官も「香港は中国の特別行政区であり、いかなる外国も干渉する権利はない。米国に間違ったやり方をやめるよう要求する」と述べ、こうしたリポートを発表して香港事務に干渉することを批判した。

■映画小道具の偽札、有罪判決下る

 映画の撮影で小道具として使用した香港ドルや人民元、米ドル、英ポンドなどの偽札計22万3000枚を保管していたスタッフらが「偽紙幣保管罪」で香港警察に逮捕された事件の裁判が5月31日、東区法院で開かれた。6月1日付香港各紙によると、起訴されていたのは映画製作会社で小道具を担当する男性Aと、ネットムービー製作を目的に偽札を借りた男性B。このたびの裁判では香港ドルの複製紙幣についてのみ審理された。裁判官は不法な用途でないにしろ、お札の模倣度が極めて高く、もし市場に流出した場合に他人に損害を与えることになると指摘。両被告に禁固2年執行猶予4月を言い渡した。A被告のような映画関係者が偽紙幣保管罪で有罪になるのは初めてのケースという。この判決に対し映画業界は「道具と偽札は別々の概念を持つものなのに、今はごちゃまぜにされている」と反発。香港電影工作者総会ら業界団体は5月31日晩、今まで小道具としての複製紙幣に関するガイドラインが示されたことはなく、複製は政府金融管理局への申請が必要と知ってから申請したのに却下されたなど、政府に改善を求める声明を発表した。

■そごうもアリペイ、DLで50ドル

 近年、香港での普及活動を加速させているアリババ傘下のアリペイ(支付宝)だが、百貨店のそごうもアリペイでの支払い受け付けを開始した。6月5日付香港各紙によると、銅鑼湾と尖沙咀の両店舗で、香港と中国本土の双方のアカウントで支払うことができる。アリペイの李詠詩・港澳台区総経理は「感謝セール開催中に試験的に導入をしてみたところシステム上の問題はなかった。モバイルペイメントの利便性や安全性を実感してほしい」とコメントしている。アリペイは新規顧客開拓のためそごうの顧客向けプロモーションを開始、香港版アリペイのアプリをダウンロードしてそごう各店で買い物すると50ドルがキャッシュバックされる。また、買い物1回ごとに電子クーポンを1枚贈呈、3枚たまると25ドル分の支払いに充てることができる。

■元ミス香港が王冠を借金の担保に

 1995年にミス香港に選ばれた女優の楊婉儀が、ミス香港コンテスト優勝時に授与された王冠を借金の担保にしていたことがわかった。6月5日付香港各紙によると、米国の金融会社が先ごろ楊とその夫が取締役を務める会社を相手どって、借金および利息の計376万ドルの支払いを求める訴訟を起こした。夫妻は2014年12月と15年11月に計240万ドルの借り入れ契約をした際にミス香港の王冠と米カリフォルニアに所有する不動産物件を担保にしていたという。2期分は期限内に返済したものの、以降は滞ったままで、担保である王冠と不動産の引き渡しも拒否したことから、訴訟に発展した。王冠は年代や会期によって素材、デザインが異なり、95年はゴールドにダイヤモンドがあしらわれ、ローブ、ステッキなど一式で123万ドル相当の価値があるという。2003年の夫妻の結婚式では新郎がその王冠を頭に載せて新婦を迎えにいくという演出があり、話題を呼んだ。王冠の価値について、歴代ミス香港の意見はさまざまだ。85年の優勝者である女優の謝寧「私の王冠はダイヤモンドじゃなくてガラス、ただの道具よ。本物はブローチだけ」と話したほか、93年の莫可欣は「ステッキだけ本物だった。だから王冠はタオルに適当にくるんでクローゼットにしまっている。友達がみんなかぶりたがるので、出しやすいところに入れているのよ」、94年の譚小環は「王冠は箱に入れてベッドの下に保管している。湿気に気をつけているけど、もうすでに錆びてしまったわ」などと話している。

■関東4県の青果と乳製品の輸入が解禁

 東日本大震災の原発事故により制限されていた一部の日本産農産物の輸入が解禁となる見込みだ。6月6日付香港各紙によると、特区政府食物及衛生局が5日に立法会に文書を提出したばかりで詳細は未定だが、茨城、栃木、千葉、群馬の青果物と乳製品が条件付ながら輸入解禁となりそうだ。条件とは日本側の農林水産省発行の放射性物質検査報告書と輸出証明書の提示で、上記4県と福島県産の食肉と海産物は現行でも条件付ながら輸入は可能、福島県産の青果と乳製品については禁輸のままとなる。ただ、今回の措置によって香港への輸入量が増加するかは未知数だ。マスコミの取材に対し多くのローカル系スーパーが、当面の取り扱いはないと回答しており、比較的日本産の農産物の取り扱いの多いシティスーパー、そごうからはコメントを得られなかった。一田百貨のみ「現時点では取り扱いの予定はないが、消費者の反応や政府の安全に関する指針を見極めて社内で討論したい」と答えている。

■年初の昇給実績、平均3.2%の伸び

 香港人力資源管理学会が企業の今年年初の昇給率を発表、平均3.2%だったことがわかった。6月8日付香港各紙によると、これは同学会が今年1月に香港域内の企業48社(8万6717人を雇用)を対象に、給与傾向について調査したもの。その結果、2018年1月に昇給を実施した企業の昇給率が、前年同月の2.9%より0.3ポイント増の3.2%に上昇したという。また昨今の好況感を反映し、何らかの昇給があった被雇用者は全体の85.2%にものぼり、昇給無しは14.8%どまり、逆に減給となった被雇用者は1人もいなかった。企業規模別では従業員500人以下の零細企業と1000人未満の中小企業は平均3.7%と、1000人以上の大企業の3.2%を上回っている。同学会の李志明・会長は今後の傾向について「今年4月に2.8%という20年来の低失業率が記録され、全香港市民が就業しているともいえる状態。下半期は人材不足が加速するだろう」と予測した。

■市民の7割がW杯のために休暇取る

 香港市民の7割が2018FIFAワールドカップ・ロシア大会のために休暇を取ることを考えているという。6月8日付香港各紙によると、信和集団が先ごろPR会社に委託して香港人のサッカー観戦習慣についてアンケートを実施した。その結果、回答者962人のうち70.4%が観戦のために休暇をとる可能性があると答えた。さらに29.7%は少なくとも1日は休むと答えた。また、回答者の51.9%が普段から毎週少なくとも1試合以上サッカーを観戦しており、27.5%はW杯開催期間中は半分以上の試合を観ると回答した。一方、観戦中におやつを食べる習慣については77.8%が食べると答え、中でもポテトチップス、ピーナッツなどのナッツ類が人気だった。観戦場所については、バーと答えた人が53.5%で最も多く、次がショッピングモールの25.4%、レストランの21.8%だった。そして92.8%がW杯開催期間中は試合を観に行ったり、おやつやドリンクを買うため消費が増加すると予測している。

■家政婦が漢方薬にベビーパウダー混入

 アマ(外国人家政婦)が雇い主にいやがらせをする事件が相次いでいる。6月7日付香港各紙によると、5月26日に24歳のインドネシア籍の家政婦が尿を入れたドリンクを38歳の雇い主の女性に飲ませた容疑で逮捕されたのに続き、6月5日にも36歳の女性が愛飲している漢方薬にベビーパウダーが混入される事件が起きた。この女性は常日頃から冷蔵庫に「山薬粉(サンヤク)」を保管していたが、6月5日に飲んだときに味がいつもと違うと感じ、保管容器の中を確認したところベビーパウダーが混ざっていたという。幸い被害女性に健康被害はなかった。女性が同居していたのは夫と子供と家政婦(35歳)で、つい最近その家政婦を解雇したばかりであることから、いやがらせをされた可能性がある。通報を受けた警察では容疑者として浮上した家政婦の行方を追っているが、すでに香港から出境した可能性もあるという。

■IFCにティラノサウルスが出現

 IFCモールで6月7日から恐竜の化石の展覧会「MEET THE T.REX:探索暴龍世界」が始まった。6月8日付香港各紙によると、展示の目玉は、体長12メートル、高さ4メートル、重さ2トンというティラノサウルスの化石。2010年から14年にかけて米国のサウスダコタ州で発掘および組み立てられたものだ。この化石は全体の3分の1以上が本物の骨で、それ以外はポリウレタンフォームやスチールの骨組みなどを使っている。当初は欧州の博物館で長期間展示される予定だったが、それに先駆け香港でワールドプレミアが実現した。会場にはそのほか、ティラノサウルスの歯の化石や、ティラノサウルスに噛まれた跡が残るエドモントサウルスの背骨の化石が展示されており、6500万年前のティラノサウルスの大腿骨の化石には触ることもできるという。観覧は無料、会期は7月27日まで。


@cosme store 」がオープン

 6月8日にコスメセレクトショップ「@cosme store 」の香港1号店「@cosme store Star House 店」が尖沙咀にオープンした。「試せる・出会える・運命コスメ」をテーマにしたもので、@cosmeのクチコミデータベースやユーザー の行動履歴などを分析し「利用客が何を求めているのか」を追求した MD や売り場づくり、売り場オペレーションの IT 化 や来店頻度や来店客数などを重要視するウェブサービスの KPI の考え方を導入したコスメセレクトショップ。2007年に「ルミネエスト新宿店」のオープンを皮切りに国内 25店舗、海外 4店舗(中国本土、台湾、マレーシア、米国)を展開している。日本同様、流通チャネルの垣根を超えた商品ラインナップとなり、香港初上陸のブランドは現在80種類。今後はさらに増やしていく。店内では肌の悩みやメークの悩みに応えるカウンセリングコーナーや肌診断スペースを設け、日本同様の教育を受けたスタッフがカウンセリングを行い、ブランドを横断した商品提案を行う。中国本土からの観光客が来港者数の75%の割合を占めるなか、観光客のショッピングスポットでもある尖沙咀エリアでブランド認知拡大を図っていく。

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