5月11~28日のニュースから抜粋

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51128日のニュースから抜粋
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■湾仔で今年3度目の不発弾発見

 1月に続き、湾仔のMTR沙中線の工事現場から不発弾がみたび発見された。5月11日付香港各紙によると、時刻は10日午後4時ごろ、会議道と杜老誌道の交差点付近で見つかったという。警察では現場周辺の道路を封鎖し、現場から付近から周辺住民やホテルの宿泊客ら数百人を避難させた。また今回は湾仔発着のフェリーも運行停止となった。爆弾は先に発見されたものと同型のAN—M65で、第2次世界大戦中に米軍が当時湾仔の海岸にあった日本軍の海軍基地と軍艦を攻撃するために投下されたものとみられる。撤去作業は夜通しで行われ、11日正午過ぎに撤去完了。封鎖されていた道路も順次開放されている。

■2019年の公休日を発表

 特区政府は5月11日、2019年の公休日を発表した。同日付政府広報によると、仏誕節が日曜に当たるため、翌日(月曜)を振替休日とした。19年の公休日は毎週日曜のほか、以下の通り。1月1日(正月元日)、2月5日(旧正月元日)、2月6日(旧正月二日)、2月7日(旧正月三日)、4月5日(清明節)、4月19日(キリスト受難の日)、4月20日(キリスト受難の日の翌日)、4月22日(イースターマンデー)、5月1日(メーデー)、5月13日(仏誕節の翌日)、6月7日(端午節)、7月1日(特区成立記念日)、9月14日(中秋節の翌日)、10月1日(国慶節)、10月7日(重陽節)、12月25日(クリスマス)、12月26日(クリスマス翌日のボクシングデー)。

■保釣メンバーが北京訪問、入境果たす

 尖閣諸島における中国の領有権を主張する民主派団体「保釣行動委員会」のメンバーが5月13日、北京に到着した。14日付香港各紙によると、保釣行動委員会は13日、セントラルに設置している慰安婦像前で記者会見し、何陣かに分けて北京に赴き政府機関に陳情を行うと発表。陳裕南・主席(社会民主連線メンバー)は(1)今後、彼らが尖閣諸島に向かう際に国家海洋局が船舶を派遣して護衛するよう要請(2)国家郵政局に彼らのデザインした尖閣諸島切手の発行を要請(3)教育部に彼らが制作した尖閣諸島に関する教材を中国本土の小学校の教科書に盛り込むよう要請——などの陳情内容を挙げた。現在は微妙な時期ではないため入境が認められると見込み、回郷証を保有する3人が第1陣として北京に向かった。3人は同日夜に入境を果たし、国務院香港マカオ弁公室の担当官2人が面会し、旅程を尋ね協力を承諾した。

■牛角の叙福楼がIPOに向け公募開始

 焼き肉の「牛角」のほか「しゃぶしゃぶ温野菜」「モーモークラブ」などを手がける叙福楼集団が新規株式公開(IPO)に向け5月15日から公募を開始した。同日付香港各紙によると、同社は1株当たり1〜1.3ドルで2億株を発行、最高で1億9300万ドルを調達する見込み。取引単位は2000株で、2626ドルからの投資が可能となる。公募締め切りは18日正午、30日に上場する予定だ。大口投資家の1人として香港鉄路公司(MTRC)の馬時亨・会長の名前が挙がっているが、叙福楼の黄傑龍・会長兼CEOは「馬氏は旧友であり今回の出資もあくまで個人名義。MTRとは一切関係はない。出店する場所もMTRの物件に偏った選定はしていない」と癒着を否定した。また黄氏は牛角の華南地域6省・自治区での独占経営権の取得や、モーモークラブのシンガポールとマレーシアでの商標登録を済ませたことを明かした。

■パンティー泥棒、においかぐ容疑者

 土瓜湾で干してあった女性の下着を盗んだ男の画像がネット上に公開され、警察も捜査に動きだした。5月11日付香港各紙によると、動画を公開したのは同地に立っている8階建ての旧式ビルに住む男性。昨年4月には男性の妻洗濯物のうちパンティーが盗まれたほか、数年前から同ビルでは下着泥棒の被害が出ており、2年前から防犯カメラを設置したのだという。動画公開に踏み切ったのは、5月8日早朝に雨が降っていることに気付いた男性が干してあった洗濯物を取りこもうとした際に偶然、スキンヘッドの男が立ち去るのを目撃。防犯カメラの映像を巻き戻して確認したところ、約2分前に男が花柄のパンティーを盗みにおいをかぐ様子が映っていた。男性はビルの住人や隣人に男が誰なのか知らないかと聞いたが特定できず、公開することにしたそうだ。その後、事情を知った警察が捜査を開始している。

■港珠澳大橋の袋詰め死体で7人逮捕

 港珠澳大橋の建設現場で5月4日に男性の死体が発見された事件で、香港警察は男女7人を殺人および死体遺棄容疑で逮捕した。5月14日付香港各紙によると、容疑者は39〜59歳の男5人と、24歳と48歳の女2人。いずれもマフィアとつながりのある人物で、被害者とはドラッグを通じて面識があったという。当局は被害者が服役を終えたばかりで、出所後に向かった先が旺角の「毒品飯堂」と呼ばれるドラッグ提供場所だという情報を得て、容疑者を追跡。5月12日未明に旺角、屯門などで身柄を確保した。容疑者たちと被害者は恋愛関係にはなく、ドラッグをめぐって何らかのトラブルになり殺害されたものとみられている。

■高速鉄道、チケット購入は実名登録制

 広州—香港間高速鉄道は今年第3四半期に開通予定となっているが、香港鉄路(MTRC)が5月14日、乗車券購入に関する詳細を初めて発表した。15日付香港各紙によると、同社では香港発あるいは香港が終着駅となる18都市の乗車券の販売が可能。西九龍駅に28カ所設置されるチケットカウンターで入場券の購入、受け取り、変更、払い戻しなどのサービスを行うほか、自動券売機39台で乗客が自分で購入することもできる。駅では、現金、オクトパスカード、クレジットカードで購入できるが、実名での登録となるため受け取りの際には回郷証(港澳居民来往内地通行証)や中国本土の身分証が必要という。

■西城秀樹さん訃報、香港各紙が報道

 5月16日に亡くなった西城秀樹さんの訃報は香港でも大きく報じられ、その人気の高さを物語っている。5月18日付香港各紙は西城さんを中国語で「日本殿堂級歌手」「巨星」と評して追悼記事を掲載。『りんご日報』は、日本のみならずアジア全域で絶大な人気を誇ったこれまでの活躍を紹介する記事に加え、付録として『傷だらけのローラ』のころを思わせる長髪の西城さんのカラーポスターも付けていた。西城さんは1981年から5回にわたって香港でコンサートを開催。そのヒット曲の数々は故・張国栄(レスリー・チャン)さん、劉徳華(アンディー・ラウ)ら香港のアーティストたちがカバーして大ヒットし、香港市民に親しまれた。西城さんは1987年には香港映画『天使行動(Angel)』に出演、方中信(アレックス・フォン)と共演した。日本で行われた音楽イベントで共演したことをきっかけに梅艶芳(アニタ・ムイ)さんと交流が続き、2003年にアニタさんが他界したときには友人として追悼コメントを寄せた。アニタさんは芸能界デビューする前から西城さんの熱狂的なファンだったことで知られており、17歳で婚約したアニタさんがその後婚約破棄に至ったのは、婚約者がアニタさんの熱狂ぶりに耐えられなかったからだと報じられたこともあったという。

NNA jobwireで『香港ポスト』の記事

 NNAC Limited5月22日より同社が運営するアジア各国のニュースや求人情報を配信するアプリ「NNA jobwire」上で『香港ポスト』『バンコク週報』『ミャンマージャポン』『Mtown(マレーシア)などアジア各地の有力邦字メディアのニュース配信を開始した。「NNA jobwire」はアジアで働く日本人ビジネスパーソンに向けた経済ニュースや海外勤務の求人情報を配信しているアプリで、現在はiPhoneにのみ対応。利用は無料でApp Storeからダウンロードできる。アジアの経済ニュースを配信するNNAから厳選したニュースを配信しているほか、上記4媒体からのニュース提供が実現したことで、中華圏や東南アジアのニュースを平日約100本配信する。

■盗撮を罰する新たな法律を制定へ

 法律改革委員会は5月16日、盗撮や乱倫、性器の露呈など9つの性犯罪にかかわる法整備案を発表した。17日付香港各紙によると、香港には現在は、相手の同意を得ずに性的な目的で観察や撮影・記録する窃視(のぞき見)行為について罰する特定の法律はないが、新たに法律をつくりこうした行為を刑事犯罪として取り締まることを呼び掛けている。例えば、スカートの中を盗撮したり、トイレやお風呂ののぞき見もこの法律で罰することができるようになるという。また乱倫罪については、適用範囲を血縁のある親族(伯父、伯母、叔父、叔母など)まで拡大することを検討。現在の「刑事罪行条例」では、直系の血族である親、きょうだい、孫までしか適用されていない。今後3カ月の公衆諮問を行い検討するという。

■偽ブランド米、多数の飲食店に供給

 タイ産のブランド米に安い米を混入し販売したとして、香港海関(税関)が卸売業者を摘発した。5月20日付香港各紙によると、摘発されたのは新蒲崗にある米穀と食用油の卸売業者。金鳳米などの香港内でも人気のあるタイ米に、同じくタイ国内やベトナム、カンボジアなどから仕入れた古米や安い米を1:9の割合で混ぜてレストランなどに安値で販売していたという。業者の倉庫からは15トン分の米と、米を袋詰めするための自動包装機、米袋およそ7000枚が見つかり、会社代表の男女2人の身柄が拘束された。税関では混入米を購入したレストランの数を100軒程度と発表、税関の方永佳・版権及商標調査課監督は「店側も米の詳細を承知で意図的に購入した形跡もある」と今後逮捕者が増える可能性も示唆、また「混入米は食べても体に問題がないか調査中」と付け加えた。

■バスおたく? バス盗み事故で大破

 盗まれたバスが十数キロを走行、衝突事故を起こし大破するという事件が起きた。5月23日付香港各紙によると、バスが盗難にあったのは22日深夜2時すぎの黄大仙楽富バスターミナル。何者かが停留していた2階建ての九龍バスに乗り込み逃走したという。通報を受けた警察は車載のGPSからバスが葵涌のコンテナ・ターミナル付近を走行中であることを確認し跡を追ったが、追いついたときにはすでに犯人の姿はなく、植栽の縁石に衝突し、フロント部分が著しく破損したバスが残されていたという。バスは導入から十数年を経た古い車両で、車内用の監視カメラは搭載されていなかったが、その一方で楽富バスターミナルの防犯カメラは犯人の男の姿を捉えており、警察では分析を急いでいる。警察では犯人像をバスの操作を熟知したバス運転経験者とみているが、昨今多発している、いわゆる「バスおたく」の犯行の線でも捜査を進めている。

■売春婦殺害、バイアグラのせいと主張

 2015年8月に油麻地で売春婦(当時45歳)を刃物で20カ所以上も刺して殺人容疑で起訴された男(23歳)の裁判が5月23日に開かれ、犯行の動機が明らかになった。5月24日付香港各紙によると、被告は殺意を否認している。現場は売春街として知られる新填地街のビルで、個人経営の売春宿が多く入居しており、被告は事件当日、被害者の店に入る前に隣の店で800ドルを払って性的サービスを享受。その部屋に泊まって夜を明かそうとしたが断られたため、ちょうど隣だった被害者の店へ行くことにしたという。ところがバイアグラを飲んで頭痛と眠気に襲われ、眠ろうとした被告を被害者がたたき起こし、料金を払うよう催促したことからカッとなって刺したと供述している。しかし裁判官は「殺意を否定する動機として成り立たない」とこの主張を退けた。

■ヘンダーソンがユニーを買収

 デベロッパーの恒基兆業発展が、ユニー・ファミリーマートホールディングス傘下の香港事業を買収することがわかった。5月25日付香港各紙によると、買収の対象となったのはユニー(生活創庫)とアピタ、ピアゴの3事業で、北角にある「私と生活」のみ9月30日をもって営業終了となる。買収金額はおよそ1億米ドル。10年間にわたる社名の継続使用契約を締結しており、購買担当として日本側からは社員5人の出向も予定されているという。今回の買収に関し、恒基兆業発展の広報は「小売業としての地位を確立し、シェア拡大を目指したい。仕入れのコスト削減など様々な面で相乗効果が期待できる」とコメントしている。同社はすでに小売業としては総合スーパーの千色店6店舗を運営しており、客層はユニーと近しいものの商圏そのものは重なる店舗がなく、シェア拡大に好都合だったと指摘する声もある。

■旺角のホコテン、18年の歴史終わる

 買い物客や街頭パフォーマンスを眺める市民らでごった返す旺角の歩行者天国が、早ければ4カ月後になくなるという。5月25日付香港各紙によると、かねてより付近住民から騒音に対する苦情が多く、たび重なる実施時間の縮小によっても改善は見られなかったようだ。5月24日に行われた油尖旺区議会では賛成票が16票で、旺角の歩行者天国を撤収する議案が通過した。旺角の西洋菜南街で歩行者天国が始まったのは2000年8月から。その後03年12月に拡張されたが、10年8月に時間帯が縮小されたのを皮切りに12年7月に再度時間帯が縮小された。14年1月には歩行者天国の実施日数を削減し、時間帯も縮小されたほか、月〜金曜は車両通行止めを撤廃し、車の通行が再開された。街頭パフォーマンスが見られなくなることを惜しむ声も出ており、議員の中にはパフォーマンスをライセンス制にするなどで規制・監督してはどうかという意見もある。


乃木坂46の元メンバー来港

 株式会社パルコが若手女子クリエ イターの表現作品の発表の場を提供することを目的として行っているカルチャーイベント「シブカル祭。」は渋谷パルコを拠点に2011年より開催しており、過去7年でアート、ファッション、音楽、パフォーマンスなど、あらゆるジャンルからのべ1000名以上の女子クリエイターが参加、多彩な表現の場を創出してきた。こうしたなか、8年目を迎える今年は香港セントラルのPMQで5月18日から29日まで開催。日本から参加する新進気鋭の女子クリエイターと香港のクリエイターがPMQのエントランスから広がる野外の空間を存分に活用しながら、各々のクリエーションを最大限に表現する。日本からは、愛☆まどんな、伊藤万理華(元乃木坂46)、UMMMI.、キュンチョメ、塩見友梨奈、Takako Noel、チョーヒカル、時吉あきな、とんだ林蘭らが参加した。 (写真:楢橋里彩)

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