《65》 目のぼやけと鼻眉間の不快感

Q: こんにちは。この半年、仕事中に目がぼやけたり、目の奥が痛むようなことがあり、目薬を使ったりしましたが、さほど変わらず、1カ月前に眼科でチェックを受けました。結果、網膜や眼圧などにも特に異常は、ありませんでした。そのほかPCの画面や携帯も目に刺激のないようにし、仕事以外では見ないのですが、やはり同じ症状が出るんです。

A:そうですか、お歳が35歳ですね? まだ老眼が入る年齢でもありませんが、以前と比べて視力はいかがでしょう?

Q:はい、ぼやけがないと以前と同じ視力にもどっているんです。

A:なるほど、そのほか頭痛や肩こり、耳の周囲や顎、喉に、何か違和感を感じたことはありませんか?

Q:肩こり、頭痛は何年にもなります。特に、おでこ、眉間が凝ったりするのと、肩こりがきついと目のぼやけ、さらに進行すると頭痛、鼻づまりも起こります。気になったので一度、耳鼻科で診察を受け鼻炎だというので、薬を暫く使ったのですが、またすぐにつまり始めるんです。

A:少し頭まわりをチェックしてみます。この位置(ぼんのくぼ)は、押されるとどうでしょう? 何かいやな感じはありませんか?

Q:あー、ここです。このあたりから頭痛や肩こり感が広がり始めるんです。震源地なんです。

A:この位置はちょうど後頸部から後頭部、そして頭のてっぺん、前におりて眉間に分布する知覚神経の出口なのです。目のぼやけもこれが原因になることが多いので、可能性(震源地の可能性)は十分あります。今、座っていただいているままで、このぼんのくぼに鍼をしてみます。消毒しますので少し冷やりしますよ。どうですか? 針が刺さっているのですが、ご気分は?

Q:全然大丈夫です。

A:はい、では抜きました。消毒しますね…目の感じはいかがですか?

Q:あっ、クリアーになりました。えー、なぜですか?

A:皆さん、そうおっしゃって不思議がられます。では、暫くうつぶせで、頸肩周囲を中心に鍼をしていきます。15分程したら針を取り、上向きで目の周囲や手足に少しだけ治療を加えていきます。

※治療効果の出かたには、個人差があります。症状の軽い場合、1回でかなり改善されたりもします。

(この連載は2カ月に1回掲載)

浅井先生:1987年から中国に留学。日本で鍼灸師の資格を取得後、診療所の理学療法科や鍼灸院、接骨院勤務を経て、1999年より香港で「誠恩堂鍼灸院」を開業。2003年に特区政府が定めた全科漢方医(漢方、鍼灸)の第1回資格試験に合格した。

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