最新技術の二大ショーケース開催

最新技術のショーケース
「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」
「エレクトロニック・アジア」が
10月13日から開催

【プロフィール】
桑田靖章(くわた・やすあき)
 香港貿易発展局 東京事務所マーケティングアシスタント・プロジェクトチームリーダー。1998年 大阪大学大学院基礎工学研究科修了後、大手OA機器企業に入社。その後転じた大手医療機器企業、大手IT企業を通じ一貫して研究開発、商品企画、事業企画を兼ねた新規事業の立ち上げに従事。2015年9月に香港貿易発展局に転じ現職。中国及びアジアへの企業進出支援業務に従事。工学修士。

電機・電子業界の方に定番の見本市「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」と「エレクトロニック・アジア」が2017年10月13—16日に香港コンベンション&エキシビション・センターで開催されます。完成品主体のエレクトロニクス・フェア、部品主体のエレクトロニック・アジアには、世界中から合計約4200の出展者が集まり、世界最大級のエレクトロニクス展示会として、優れた製品、スタートアップ企業の革新的なアイデア、電子部品などを幅広く紹介します。

今回で37回目を迎える「香港エレクトロニクス・フェア(秋)」は香港貿易発展局の単独主催、21回目を迎える「エレクトロニック・アジア」は香港貿易発展局とメッセ・ミュンヘン アジア (MMI Asia Pte Ltd)との共催となっています。2016年には両見本市に約150カ国・地域から計9万4000人近いバイヤーが訪れました。

多くの出展者が参加する両見本市は業界関係者が今後のトレンドを把握したり、最新のマーケット情報を収集したりするための重要な場になっています。また、両見本市には、電子機器の受託製造サービス(EMS)企業等が多く出展しており、そういった会社を目当てに世界中から訪れたバイヤーが実際の商談活動を行う点が、新商品の「展示」「プロモーション」によるブランディングを主目的とする国内の展示会との大きく異なる特徴となっています。

日本からも毎年、自社で企画や設計した商品の生産委託先を探しに多くの方が来場されます。そして、見本市の閉会後に、各出展者が行うバイヤー向けのファクトリーツアーに参加し、サンプルのスペックや初期取引条件の詳細などをひざ詰めで打ち合わせるという姿が恒例になっています。

■世界のバイヤーが認めた総合見本市

今回は、昨年好評を博した「テック・ホール」内に、3D印刷、ロボット&無人技術、スマート・テック、スタートアップ、仮想現実(VR)といったカテゴリー別のゾーンが設置されます。各カテゴリーの最新技術や最新製品が紹介されるゾーンには、世界中のバイヤーが詰め掛けます。

スタートアップ企業は新しいコンセプトや製品を市場にもたらしており、エレクトロニクス産業における成長力になります。スタートアップ・ゾーンには約100社が出展します。新たな投資先や提携先の発掘に目を凝らすベンチャーキャピタル(VC)やファンド、エンジェル投資家らに対して各社が熱心に自社のイノベーションを売り込む場となっており、例年、会場内でもとりわけ熱気であふれています。

スタートアップ企業がソリューションや製品アイデアを投資家に売り込む「ピッチング・セッション」や、新開発した技術や製品をバイヤーに紹介する「スタートアップ、スマート・ローンチ」、成功した起業家が自分たちの経験をスタートアップ企業と共有する「スタートアップ・メンタリング・セッション」など、さまざまなイベントが開催されます。

一方、3D印刷ゾーンも近年、バイヤーの注目度が高く、優良サプライヤーが選りすぐった最新の3D印刷、フィラメントや関連素材を見つけることができます。ロボット&無人技術ゾーンでは空撮用カメラ、産業用ロボット、家庭用ロボット、電動スクーターなどの最新モデルが紹介されます。スマート・テック・ゾーンではモダンな生活向けに、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」のアプリケーションを組み込んだエレクトロニクス製品が紹介されます。VRゾーンではさまざまなVRヘッドセットや関連技術が紹介されます。

また、テック・ホールと並ぶ注目エリアが「ホール・オブ・フェイム」です。Binatone、Goodway、Motorola、VTechといった有名ブランドが520以上出展し、スタイリッシュな製品が紹介されます。その他に、i-World、ウェアラブル・エレクトロニクス、ヘルスケア・エレクトロニクス、AV機器、パーソナル・エレクトロニクスの各エリアにも、各サプライヤーの新製品、主力製品が多数出品されます。

■「エレクトロニック・アジア」…部品・部材のワンストップ調達プラットホーム

香港エレクトロニクス・フェア(秋)と同時開催のエレクトロニック・アジアは電子部品や製品技術を調達するための世界的なプラットホームになっています。今年は「パワー・サプライ・ゾーン」を新設し、さまざまなバッテリーや電源アクセサリー、太陽光発電コンポーネントに関する製品と技術を紹介します。自動化のトレンドを踏まえ、センサー技術ゾーンも新設し、多種多様なセンサーや関連技術を紹介します。

一方、「ワールド・オブ・ディスプレー・テクノロジー・ゾーン」では高度なコンピューター視覚技術や3次元(3D)視覚技術を含む多数の視覚技術が紹介されます。プリント回路基板&EMSゾーンでは、プリント回路基板や、設計、製造、テストなどの関連サービスが紹介されます。その他、キーボードおよびスイッチや香港製金属部品&部品パビリオンなども設置されます。

■「スモール・オーダー・ゾーン」と各種併設イベント

最小発注量5個から最大1000個と小ロットで発注できる便利なプラットホーム「hktdc.comスモール・オーダー・ゾーン」のショーケースを、オンラインの http://smallorders.hktdc.com と連動させる形で会場内に設置しています。効率的に商品を調達する機会になりますので、こちらのコーナーも是非ご覧ください。

また、フェア期間中にはエレクトロニクス産業における最新動向を共有する機会として、出展者やバイヤー、来場者向けの各種セミナーやフォーラムも開催します。「イノベーション&テクノロジーに関するシンポジウム」は会期初日(10月13日)に開催され、自動車技術、5G技術、ウェアラブル・エレクトロニクスやVRなどのホットな話題に関する知見を有名ブランド、有名企業からのスピーカーにご講演いただきます。

さらに会期最終日(10月16日)には、フレキシブル・エレクトロニクスや人工知能(AI)搭載エレクトロニクスについて議論する「香港電子フォーラム」が開催されます。

【公式サイト】
■香港エレクトロニクス・フェア(秋)
http://www.hktdc.com/hkelectronicsfairae
■エレクトロニック・アジア
http://electronicasia.com
(このシリーズは2カ月に1回掲載します)

 

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