7月21日〜8月15日のニュースから

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721日~815日のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)

■劉皇発氏が死去、先住民の権益確保
 新界先住民のリーダー的存在として「新界王」と呼ばれた劉皇発氏(前立法会議員、新界郷議局の前主席)が7月23日に死去した。24日付香港各紙によると、劉氏は享年80歳。1936年に屯門龍鼓灘村の農民の家庭に生まれ、60年に龍鼓灘村代表に選出されて以来、半世紀にわたり政界で活動。80〜2015年に新界郷議局主席、85〜2016年に立法評議会(立法会)議員、85〜90年に香港基本法起草委員会委員、93〜2013年に全国政協委員、09〜12年に行政会議メンバーを務めた。基本法起草の過程では先住民の合法・伝統的権益を保護するため積極的に働きかけ、最終的に第40条として規定。35年にわたり務めた新界郷議局主席は長男の劉業強氏が後任となっている。

■セントラル占拠発起人、日本でシンポ
 神奈川県三浦市で7月23〜26日に開催されている「2017年中港台政局演変と日本の中国政策シンポジウム」に「セントラル占拠行動」発起人の戴耀廷氏(香港大学副教授)らが出席した。25日付『文匯報』などによると、同シンポジウムは日本の反中組織「民主中国陣線」や「台湾民主基金(TFD)」などが主催。香港からは戴氏のほかに「青年新政」の梁頌恒氏と游؟‮٧‬禎氏、「社会民主連線(社民連)」の黄浩銘・副主席、「2047香港監察」の銭志健・召集人、「香港新婦女協進会」創設者の何芝君氏、時事評論家の程翔氏が出席。戴氏は初日の基調講演で「中国が崩壊する可能性は極めて高く、国家主権に問題が生じ香港は独立できる。独立後に『連邦中国』の一員となることも可能」などと述べた。24日には青年新政の2人が「迫害を受けた」との経験を語った。TFDは2003年に陳水扁政権が米国の全米民主主義基金(NED)にならって設立。海外のチベット独立支援組織などに資金援助している。

■児童わいせつ、父を32年後に告訴
44歳の女性が32年前に実父から受けたわいせつ被害を訴え、逮捕された実父の裁判が7月24日に開かれた。25日付香港各紙によると、被告(72歳)は1985年に当時12歳だった実娘に自分の性器を触らせたことを皮切りに、その後も数年内に娘の陰部に性器を押し付けたり、娘の陰部をなめるなどわいせつ行為を続けていたという。92年にはボーイフレンドができた娘に対し、身体検査をすると言って陰部をのぞくなどしたため、娘は家を出て行った。その後、音信不通になっていたが、2014年に弟の結婚式で父親と再会した娘は当時の忌まわしい記憶がよみがえり、15年に通報。被告は16歳以下の児童にわいせつ行為を行った容疑などで起訴され、罪状を否認しているものの、同日の公判では起訴内容すべてが成立した。

■EGL、自社ホテルを大阪にオープン
旅行代理店の東瀛遊(EGLツアーズ)が日本で自社ホテルの経営に乗り出すことがわかった。7月26日付『香港経済日報』によると、これは同社のي‮.‬国全・執行董事があきらかにしたもの。ي‮.‬氏は「現在の旅行業界は好調だが、ネットでの航空券購入やホテル予約が一般的になりつつあり、将来への打撃は計り知れない。厳しくなりつつある経営環境を踏まえ、業務の多角化を目指した」とその経緯を語る。ホテルの詳細はまだ報じられていないものの、大阪の心斎橋エリアで地下鉄駅からもほど近く、総客室数は350室、温泉施設も併設予定で、今年の年末オープンを目指す。同社ではすでに2軒目のホテルが計画段階に入っており、候補地として東京、京都、沖縄を検討中ともあかした。

■インドネシア人家政婦がISに傾倒
香港のインドネシア人家政婦の中に、「イスラム国(IS)」に影響を受けている女性がおよそ45人いるという報告がなされ話題となっている。7月27日付香港各紙によると、これはインドネシアのシンクタンク「紛争政策分析研究所(IPAC)」が発表したもので、香港にいるインドネシア人家政婦約15万人のうち約45人が、度合いは様々だがISの過激な思想に染まっており、IS加入の意思があったり、中には香港の同胞をシリアに赴かせる手伝いをしている者もいるという。一方で同報告書には反発も多く、亜洲家務工工会聯会組織のある幹部は「仮に過激な思想を持つ45人がいたとして、具体的に何があるという提示がなく意味のない報告だ。いたずらに疑心暗鬼を広めようとしている」と一蹴、工党の張超雄・立法会議員も「数字の具体的な根拠も見えず、家政婦に対する雇用主の警戒を煽っているだけ」など否定的な見方が多い。

■比人家政婦、本土で月給1.5万ドルも
フィリピン人家政婦の北京、上海など中国本土5都市での就労が検討されていることがわかった。8月1日付香港各紙によると、これはフィリピンの現地紙が同国労働雇用省の副大臣の談話として報じたもの。現在、中国大使館との交渉が進行中で、今年9月にも中国側の代表団がフィリピンを訪問する予定だという。需要の要因としては、本土の富裕層がフィリピン人家政婦の英語力に着目しており、子女の英語教育への好影響を期待する側面が大きいようだ。話題となっているのがその給与レベル。最高で1万5000ドルと、現在の香港の外国人家政婦の法定給与4310ドルの3倍以上に達する可能性があると報じられており、本土との間で家政婦の奪い合いや給与引き上げ圧力が生まれるのではないかと懸念する声も上がっている。ちなみに広東省では昨年8月から試験的にフィリピン人家政婦の雇用を一部開始しており、現在の月給は7000元となっている。

■大卒者の収入、20年前より低下
香港の大卒者の収入が、20年前と比較すると5.5%も減少していることがわかった。8月2日付香港各紙によると、これは民間団体の新論壇と新青年論壇が、特区政府統計処が公表している数値を分析しあきらかになったもの。1996年時点の大卒者全体の月収の中央値が3万1000ドルであるのに対し、2016年の調査では2万9000ドルに減少しているという。また同リポートでは、大卒者のうち、16万人以上が一般事務やサービス業、販売員など低技能の職についており、その数は大卒者全体の16%と、96年の8.8%から倍近い数字になっているとも指摘している。新論壇理事の陳偉強氏は収入下落の原因を「中卒者(日本の高卒にあたる)の進学率が4割を越えるなど、この10年で大学進学が一般化したため」と分析、加えて特区政府が推し進める36億ドルの奨学金制度についても「すべての職種に大卒資格が必要なわけではない。潰れるべき大学は自由競争で潰したほうがいい。政府の干渉は不要」と批判した。

■フォーミュラE、今年も香港で開催
ガソリンなどの燃料を使用しない電気自動車のフォーミュラカーレース「フォーミュラE」が、昨年に続き今年も香港で開催されることが決まった。8月3日付香港各紙によると、開催日は12月2〜3日で、場所は中環海浜地区。世界10チームから20人が参加予定だという。今回の会期は2日間で2レースが行われるが、フォーミュラE史上初の試みとなる。コースは龍和道—添馬公園—観景摩天輪(観覧車)の全長1.86キロメートル、45周の周回。話題となっているのが観覧チケットの金額で、1日のみの成人観覧チケットが最高金額2880ドルと、昨年の2割増しという強気の設定だ。また、今回も「Eヴィレッジ」というフォーミュラカー関連の展示や食事が楽しめる施設が用意される。

■ダイヤ窃盗犯、大便と一緒に排泄
セントラルで7月27日に起きた宝石強盗事件で、逮捕された容疑者が飲みこんでいたダイヤモンド9粒が8月2日に大便と一緒に排泄された。8月3日付香港各紙によると、割腹手術や下剤の投与はダイヤと容疑者の腸の双方に傷がつく恐れがあるため、自然な便意による排出が待たれていた。拘置所の独房内のトイレにはダイヤが流れないようにネットを張り、警官が24時間体制で監視。通常は3日待てば便意をもよおすため、容疑者は逮捕後に無理に便意を我慢していたようで、8月2日深夜になってやっとトイレで排泄した。飲み込んだダイヤは9粒とみられているが、出てきたのは6粒で、今後CTスキャンで体内にダイヤが残っていないか調べるという。ダイヤは洗浄、消毒後に証拠として裁判所に提出される予定。傷はついていないものとみられ、売りに出された場合も市場価値は下がらないようだ。

■金密輸で日本旅行、運び屋ドタキャン
日本への純金の密輸を画策したものの肝心の金が行方不明となり、容疑者として運び屋の一家が逮捕されるという事件が起きた。8月4日付香港各紙によると、逮捕されたのは梁氏(50)とその妻(35)と子(15)の一家3人で、行方不明となっているのはインゴットのほかアクセサリーなど144万ドル相当の純金。容疑者は知り合いだった孫氏(32)という男性から「無料で日本旅行ができるうえに1人あたり3000ドルの報酬をやるから純金の密輸に加担してほしい」との依頼を受け、空港に向かった。だが空港に着くなり、監視役兼ドライバーとして付いてきた陳氏という男性の行動に不審を抱き、その場で密輸を放棄、航空機に搭乗することなく帰宅したという。だが一方の陳氏の言い分はまったく正反対だ。空港で金を渡したとたん一家が消えたと孫氏に連絡、現在も日本に滞在しているようだ。孫氏はすぐさま警察に通報、一家は窃盗罪の容疑で逮捕となったが、純金の着服は前述の通り否認している。今回の件では、密輸が成立していないので当然日本側からは刑罰は問われず、また香港側でも商業用途でない金の持ち出しに関してはグレーゾーン扱いで明確な法律違反ともいえない状況だ。

■避妊具で浮気発覚、相手をめった刺し
2009年に同居女性をめった刺しにして死なせた男の裁判が8月8日、高等法院で開かれた。9日付『東方日報』によると、被告は同居女性が浮気したことに腹をたて、女性を刃物で213カ所刺して殺害した容疑がかけられている。被告の供述によれば、09年9月に住居の階段に置いてあるゴミ箱で使用済みの避妊具を見つけ、女性が別の男性と性交したことを知って激昂。言い争いになった末、犯行に及んだという。8日の裁判では、証人として被害女性の交際相手が出廷。女性が殺される前日に、女性宅で性交し、使用済み避妊具をそのゴミ箱に捨てたことを認めた。被告、被害女性ともに離婚歴がある中国本土出身の新移民。2人は本土にいるときから交際し、09年4月にお互いの連れ子とともに香港へ移住したが、ほどなく女性は「間男」となった男性と知り合い、肉体関係をもつようになったという。被告は犯行後に子供に財産を渡した後、いったんは中国本土へ逃亡。しかし1日で香港に戻ってきて、逮捕された。8日の裁判で裁判官は、事件から9年が経過しており短期内での審議は難しいと指摘。長期的審議が予測されることについて陪審員に理解を求めた。

■ミニバスが19人乗りに、国産車も
座席数を現行の16席から19席に改良したミニバス(小巴)が登場した。8月10日付香港各紙によると、すでに大埔墟駅—大美篤間を走る20C号路線で9日から、また黄竹坑駅—石排湾間の4M号路線でも10日から導入されているという。これらは従来の16人乗りのミニバスの荷物置き場を座席に改造したもので、待ち時間が短縮されると乗客にも歓迎する声は多い。ミニバス運営大手である進智交通の陳文俊・総裁は「旧型車だけでなく、来週からは新型車にも19席車両は登場する予定。高齢者にも配慮した低床バスになる」と述べた。これらは日本製のバスのみだったが、近々国産車もお目見えする。喜龍公司ではすでに「廈門金旅」社製のバス7台を購入済みで、8月中に新界の11号路線(将軍澳坑口村—彩虹駅間)に導入される予定だ。

第2回「北九州国際漫画大賞」作品募集

 昨年、世界20カ国・地域から670作品もの応募があった北九州市主催の第1回「北九州国際漫画大賞」(4コマ漫画のコンテスト)。日本発の漫画文化が海外で広く普及し、漫画の注目度の高さ、可能性が改めて示された。第2回目となる今年は、未来の漫画家たちを応援する「ジュニア部門(U—12)」の創設など内容をますます拡充して開催。公式ホームページの言語もこれまでの日本語、英語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語に今年はタイ語が加わり、世界各国・地域からの作品の受け入れ体制がさらに整った。審査委員長は北九州市出身で『銀河鉄道999』で知られる著名漫画家、松本零士氏。大賞(グランプリ)受賞者には賞金50万円が贈られる。応募締め切りは9月30日14:00(日本時間)。詳細は公式ホームページkitakyushu-mangataisho.com(中国語簡体字のみbeijiuzhouguojimanhuadasai.com)で確認できる。


JTB
、銅鑼湾にトラベルサロンをオープン

 JTB Hong Kong LTD.は8月7日、訪日需要の取り扱い拡大を目的に「JTBトラベルサロン・コーズウェイベイ」店をグランドオープンした。同社は日本の高品質な国内ツアーである「夢の休日」を香港で独占的に取り扱うこととし、その第一弾として計10席のラグジュアリーバス:ロイヤルロードプレミアムを使った特別企画の2ツアーの販売を同日開始した。同店舗では主に富裕層向けの高品質なツアーをはじめOTAでの取り扱いが少なく海外からの手配が困難な日本の宿泊施設やアニメ・スポーツイベントなどを活用したSIT(特別な目的に絞った旅行)商品、さらにジャパンレイルパス、テーマパーク入場券など幅広く個人旅行者向け訪日商品を取り扱う。また8月13日までは多数の有名旅館・ホテルの無料宿泊券や高級日本酒があたる大抽選会、日本の宿泊を申し込む人にSIMカードプレゼントなど特典満載のキャンペーンを実施する。

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