こだわり目線のセレクト食品
「八珍」は、1932年香港創業。その名の由来は、『四書五経』の中の言葉「百醤八珍」。中国伝統の調味料の製造販売から始まり、今では、食品雑貨のオリジナル食品と、こだわりのセレクト食品のお店として香港で名を馳せている。 私がまた始めたいと思っている漢方美容のお店の食品特化版が、この「八珍」。憧れのお店だ。私の家の台所には、「八珍」の調味料のほとんどがそろっている。また、旧正月に食べる「大根もち」は、お金を出して買うならココの!と決めているくらいおいしい。今年は月餅を食べる機会もあった。ご存じの通り最近の月餅は伝統的なものだけでなく、アイスクリームとか、甘さ控えめとか、漢方入りとか、ペット用とかバリエーションに富んでいるが、「八珍」の月餅は干した柚子の皮が入っていてとってもおいしかった。 本店が旺角にあり、女人街からも駅からも近いし、食のセレクトショップと言ったら高いお店が多いのにもかかわらず、ここはリーズナブルやから大好き!! また場所柄、香港地元に根付いているので、食の街・香港のこだわり目線で選んだものが置いてある。例えば、ドライフルーツ。私が初めて香港に来た30年以上昔から、オフィスなどでは「おやつの時間」というのがなかった。これは、おやつを食べへんのではなく、いつでも食べていいから! みんながフツーに食べているのが、ミカンの皮やイチジクの皮を干したものをはじめとするドライフルーツ。そして、それを常食にしている人たちは、見た目もカラダも元気いっぱい。香港パワーの源はここにもあるんや!という感じ。 今回ご紹介するのは「れもんグラッセ」と「ゆずグラッセ」。日本製やのに、あの「八珍」で売っている、つまり、食の街・香港のこだわり目線にかなっているってこと。おまけにね、今年の月餅の中に入っていた柚子の皮が、この「ゆずグラッセ」やと聞いた日には、大人買いするしかないやん! 実は、私は柑橘系の皮が大好き。この2種類は柑橘系がおいしいことで有名な大分県産だからなのか、一口食べて「太陽の味」を感じた。フツーやったら、ゆずかレモンのどっちかがめっちゃ好きになるんやけど、口の中に入れたときの、柚子の甘酸っぱい味が広がる感じと、レモンのほろ苦すっぱい味が広がる感じの甲乙がつけがたく、毎日2種類持ち歩き状態♥ (このコーナーは月1回掲載)
筆者・楊さちこ
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