中国本土からの越境出産が香港の社会問題となって久しいが、今度は子供を香港の幼稚園に入れようと画策する本土籍の親に対する不満の声が上がっている。１０月６日には香港市民数百人が参加し抗議デモが行われた。４、５日付香港各紙によると、このところ北区の幼稚園では入学申請用紙を入手しようとする本土籍の親たちが行列をつくり、中には７～８カ所の申請用紙を持っているのにさらに２カ所に並ぶ親もいたという。１５０枚配った後にそうした掛け持ち受験のために追加で用紙を配る幼稚園もあったほどだ。ネットには２０００人民元で香港の幼稚園入学申請を請け負うという広告も出ている。上水のある幼稚園では数日前から列ができたため４日に整理券を５００枚配ったものの、それでもまだ３００人が夜通し並んでおり、５日にさらに４００枚の整理券を配ったそうだ。仲介業者が代わりに並んだり、横入りのトラブルなどもあって、警察への通報も３度にわたった。教育局では香港のほとんどの地域で幼稚園の定員は平衡が保たれており、過度の心配は不要と呼び掛けているが、香港の親たちは本土の子どものせいで正当な福利が受けられなくなると不満を抱いている。