2012年を代表する９品
香港料理大賞

今年で11年目を迎えた香港の中国料理コンテスト「Best of the Best香港料理大賞2012」の受賞料理が10月4〜5日に決定した。11月1〜4日に開催された「香港ワイン・アンド・ダインフェスティバル」でお披露目された最優秀金賞受賞作９品を写真入りで紹介する。　                           　 
（構成・編集部／資料と写真・香港政府観光局、香港賽馬会、香港旺角朗豪酒店）

 

味はもちろん、食材、テクニックも審査

本コンテストは香港政府観光局と香港中華ガス有限公司の共催で行われたもので、香港の中国料理シェフの才能を実証するものというだけでなく、香港域内および海外からの観光客にアジアの「グルメ都市香港」の確固たる地位を示すようなおいしい中国料理を紹介するもの。

　今年は「ロブスター」「牛肉」「豆腐」、そして今年新たに設定された「創作伝統料理」の4つのカテゴリーで競われ、「最優秀金賞」「金賞」「銀賞」が決定した。

　今年初めて設置された「創作伝統料理」部門では、伝統的な広東料理である「江南百花鶏（エビすり身付き鶏肉蒸し）」と「桂魚巻（マンダリンフィッシュロール）」を現代的にアレンジすることがシェフに課せられた。

　9月に行われた予選を勝ち抜いた各部門10人のファイナリストが大会当日に料理を披露し、香港の料理評論家、シェフ、有名人が審査員となり、味、プレゼンテーション、食材はもちろんのこと、シェフのテクニックや創造力そして料理手順を審査した。

　参加レストランのうち、「御苑皇宴」は九龍湾店が牛肉と豆腐の２部門で、同系列のチムサーチョイ・イースト店がロブスター部門でそれぞれ最優秀金賞を獲得する快挙となった。


 

 

 

ロブスターのスモークの野菜ミックス添え

［料理名］四喜煙燻龍騰薈／Smokey Lobster with Assorted Vegetables
［店］香港賽馬会-満貫庁/The Hong Kong Jockey Club - Moon Koon Restaurant

 

ロブスターとしろきくらげの燕の巣巻

［料理名］龍虎会風雲／Lobster and White Jelly Mushroom in Bird's Nest
［店］御苑皇宴(尖東店)/The Banqueting House (Tsim Sha Tsui East Branch)
 

 

 

タロイモと伝統的な手作り豆腐

［料理名］石磨農家豆腐／Traditional Homemade Tofu with Taro
［店］煌府婚宴専門店（荃湾‬店)/Wedding Banquet Specialist (Tsuen Wan Branch)

 

4つの味の豆腐ドラゴン

［料理名］ 龍騰四喜/ Tofu Dragon with Four Tastes
［店］ 陶源酒家(鮑魚専門店)/ Sportful Garden Restaurant

 

花型の豆腐とホタテガイのスープ

［料理名］ 花放瑤池/ Tofu and Dried Scallop Soup in Flower Shape
［店］ 御苑皇宴(九龍湾店)/ The Banqueting House (Kowloon Bay Branch)
 

 

 

オーストラリア産和牛と黒トリュフ

［料理名］ 松露和牛礼物盒/ Boxed Australian Wagyu Beef, Black Truffle
［店］香港旺角朗豪酒店-明閣/Langham Place, Mongkok, Hong Kong - Ming Court

 

チーズと胡椒のビーフトリオ

［料理名］ 牛気十足/ Beef Trio with Cheese and Peppers
［店］ 御苑皇宴(九龍湾店)/ The Banqueting House (Kowloon Bay Branch)

 

 

 
桂魚巻とミックス野菜のチキンスープとプラムソース添え

［料理名］玉湖抜萃巻/Mandarin Fish Rolls with Assorted Vegetables in Chicken Soup and Plum Sauce
［店］鍾菜(赤柱店)/ Chung's Cuisine (Stanley Branch)

 

エビ入りチキンの塩卵とカボチャソースがけ

［料理名］百花争鳴/Hundred Flowers Blossoming　※この日本語料理名のみ編集部訳
［店］太興（雅蘭店）/Tai Hing Roast Restaurant (Grand Tower Branch) 

 

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 今回「最優秀金賞」を受賞したシェフが腕を振るうレストランの中から、クオリティーの高さでグルメに定評があるという２店を紹介。受賞作品以外にも旬の食材を取り入れたメニューなど、魅力的な料理がたくさんある。
 

 

伝統あるジョッキークラブのレストラン

大きな窓から差し込む光が心地よいレストランの店内

　1884年に設立された「香港ジョッキークラブ」は世界でも歴史あるクラブのひとつ。そのハッピーバレー競馬場の2Fに位置するレストラン「満貫庁（ムーン・クーン・レストラン）」からは、広々としたレースコースが一望でき、レースの有無にかかわらず料理とともに景色を楽しむことができる。
 

銀賞を獲得した料理「三味桂魚巻」

　今回の最優秀金賞を受賞したのは25年以上のキャリアを持ち、これまでにもさまざまな賞に輝いてきたシェフ、林勧飛（パトリック・ラム）氏による「四喜煙燻龍騰薈（ロブスターのスモークの野菜ミックス添え）」。ロブスターの各部位を3種の調理法で薫製にし、それぞれ異なる食感に仕上げた。

　このほかにも「三味桂魚巻（3つの味わいのマンダリンフィッシュ）」＝右写真＝が創作伝統料理部門で銀賞に入選している。
 

茶玉子「八宝茶燻蛋」もお薦めの一品

 ■香港賽馬会満貫庁/The Hong Kong Jockey Club-Moon Koon Restaurant
［所］跑馬地馬場快活看台2楼(ハッピーバレー競馬場スタンド2F）
［電話］2966-7111

 

 

ミシュラン2つ星のホテルダイニング

「松露金縷衣」はチキンとブラックトリュフの組み合わせ

　旺角にあるランガム・プレイス・ホテル内の広東料理レストラン「明閣（ミン・コート）」は、ミシュラン2つ星を獲得している実力派。40以上ものレストランが応募するなど、しのぎを削った牛肉部門で、黄偉文（レイモンド・ウォン）氏が腕をふるった「松露和牛礼物盒（オーストラリア産和牛と黒トリュフ）」が最優秀金賞を受賞した。
 

豆腐にブラックトリュフソースをかけ金ぱくを載せた「金箔松露千層豆腐」

　同シェフはたびたび香港料理大賞に応募しており、独創性あふれる料理は審査員を驚かせてきた。今回の受賞料理は牛肉と黒トリュフ、そしてマツタケのコンビネーションがポイントになっている。ギフトボックスのようにかたどられた牛肉は、味だけでなくビジュアル的にも楽しめる。

　同店では受賞料理をはじめ、今年9月に一部リニューアルしたメニューが堪能できる。

リニューアルしたダイニングルーム

■明閣/Ming Court
［所］九龍旺角上海街555号「香港旺角朗豪酒店（ランガム・プレイス・ホテル）」内
［電話］3552-3300