課文176「ちょっとしんどいに先回り」
タイの軍隊も携帯した常備薬
そして、その成分は体に取り付いた「邪(ウイルスなどの病原菌)」を発散するのだという。暑さのせいや冷たい飲食物をとり過ぎて働きの悪くなった胃腸を癒やし、食欲不振などを改善する「香」、せき止め・解熱・鎮痛・鎮静・消炎・利尿作用のある「丁香」、香りで癒やす極上級のお香としても有名で、抗菌(煎液:ヒト型結核菌、チフス菌、コレラ菌)・健胃・ヒステリー・ぜんそくなどに効く「沈香」、古来から中国の宮廷の女性たちにより美容用にも使われていて、風邪・頭痛・片頭痛にも効く「川白●」。発汗解熱・鎮静・抗炎症・抗アレルギー・抗菌・水分代謝調節・消化吸収抑制効果のある「細辛」、中枢神経系の興奮を鎮静し、水分代謝を調節し体表の毒を取り去りこれを和解する作用があるので、頭痛・発熱・のぼせ・感冒・身体疼痛・抗ストレスに効く「桂皮」。説明書には、その効能として嘔吐、腹痛、おなかの膨満感、胸のつかえ、痰、せき、乗り物酔い、精神鬱屈、めまいと書かれている。 飲み方は1日3〜4回、ティースプーン1杯くらいを以下のいずれかで摂取する(1)お湯に溶かして飲む(2)お湯と一緒に飲む(3)鼻から吸う——。軍隊では水のないところもあるので、そのままとるという方法も考えられたようだ。子供は半分の量にある。老若男女、妊婦も大丈夫。
昔はタイでしか手に入らず、中国人や華僑がタイに行くと必ず買うモノとして有名であったが、今では、インドネシア、台湾、フィリピン、香港などでも手に入るようになってきた。ウチの家でもいつからか、救急箱の中の必需品となっていた。あまりにも当たり前だったので、ご紹介するのがこんなに遅くなってしまった。 私は、「風邪をひきそう」「おなかが痛くなりそう」「頭が痛くなりそう」「何かだるい」というときに、飲んでおく。つまり、「ちょっとしんどい!」というときに飲む。お家とオフィスに常備したいおススメアイテムのひとつである。 (このコーナーは月1回掲載)
筆者・楊さちこ
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