香港警察はこのほど、昨年から増加傾向にあった航空機内専門の窃盗件数が今年になり急増していることを明らかにした。１０月２９日付香港各紙によると、２０１０年まで１件も報告のなかった同様の窃盗が１１年は２１件と突如急増。さらに１２年は１０月半ばまでの統計にもかかわらず、すでに６４件も発生、前年比で３０％以上の大幅な伸びを示しているという。警察の調べによると、検挙者の傾向として出身地別では河南省が８割と圧倒的に多く、「河南犯罪グループ」が暗躍しているとみられる。手口としては、２～４人の組になり、シンガポール、タイ、ベトナムなど東南アジア発・香港着の格安航空会社（ＬＣＣ）の便に搭乗、互いを知らないもの同士を装いながら離れた席を取り、狙った乗客が熟睡中かトイレに行っている間に犯行に及ぶケースが多いようだ。警察では乗客に対し、機内での不審者の通報などの協力とともに、現金や貴重品などは常に身につける、バッグやトランクには施錠をするなどの自衛を呼びかけている。