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最新号の内容 -20120907 No:1366
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現地スタッフをいかに動かすか

 経済のグローバル化が進む中、自らの組織のために粉骨砕身するリーダーたち。彼らはどんな思いを抱き何に注目して事業を展開しているのか。さまざまな分野で活躍する企業・機関のトップに登場していただき、お話を伺います。
(インタビュー・楢橋里彩)

コーチA高起(香港)有限公司        
董事総経理 竹内雅哲さん
【プロフィール】
 1991〜95年、カナダNGO「Beyond the Earth Summit」設立メンバー。ラテンアメリカ環境問題調査に携わる。96年に株式会社キャッチボール21(コーチA関連会社)設立、2007〜10年、同社取締役社長。コーチとしての活動は99年から。10年に株式会社コーチ・エィ取締役、11年にコーチA(香港)総経理に就任。

 

——最近、話題になっているコーチングですが、カウンセリング、コンサルタントとの違いは何ですか。

 まず、コーチはアドバイスをしません。コンサルティングは主に課題に対する解決策を提案することが求められると思いますが、コーチはクライアントが自ら考え行動する際、その思考や行動の選択肢を広げるためのパートナーという役割です。またカウンセリングは問題を解決するために過去を扱うケースが多いとすると、コーチングは主に現在から未来を扱います。
 

——コーチングが浸透してきた要因は何だと思いますか。

 ビジネス環境は年々複雑になっており、特にグローバル環境でのビジネスは先の見通しが難しくなっています。そんな世の中だからこそ、ビジネスをするなら自分の選択により責任を持たなければいけません。企業のトップにしてもメンバーにしても、その時々の状況に応じて自発的に考えて、自律的に動く人材が求められています。そこでパートナーとしてコーチをつける方が増えています。
 
 
 
——日本と中国のトップの違いは。

 判断力とスピード、そしてもうけることに対しての貪欲さがちょっと違うかもしれませんね。企業はもうけるのが目的です。中国の経営者はその部分に比較的ストレートのように感じます。日本の経営者は比較的に保守的な傾向がある一方、変化への対応力をもっと身に付けたいと考えている方は多いように思います。今はいいけど将来に危機を感じる意識の高い人がコーチをつける傾向があります。

 
——具体的にどんなコーチングがありますか。

 コーチ・エィでは、経営者を対象とするエグゼクティブ・コーチングとミドルマネジメントを対象としたコーチングを軸に、組織変革のお手伝いをしています。エグゼクティブ・コーチングでは、対象の経営者についてだけでなく、組織全体の機能性やコミュニケーションなどの現状をリサーチします。そのリサーチ結果に基づいて、組織全体のパフォーマンスを上げるために、どのようなリーダーシップを発揮するかについてコーチします。ミドルマネジメントに対するコーチングでは、上司が普段の会話の中で質問をしながら部下の考えを引き出していくコミュニケーションの取り方についてコーチングします。上司が部下をコーチするわけですね。上司と部下のコミュニケーションの量を増やし、質を上げることによって、組織を変革していきます。
 
 
——香港の日系企業トップが悩んでいることは。

 香港人スタッフが何を考えているか分からないというのが多い。企業のビジョンやミッションといったものをいかに浸透させるか。末端まで浸透させることについては難しいと思われている方が多いと感じています。そして優秀な人材をいかにとどまらせるかということに悩んでいる人も多いですね。
 
 
——中国本土に進出されている日系企業のトップの方も同じような悩みを?

 中国本土でも、ナショナルスタッフをいかに動かすかという、同じ悩みをお持ちの方は多いと思います。中国では、上司は指示する人、部下は従う人という構図が典型的ですが、コーチングでは、上司が部下にたくさん質問し、自分で考え行動することを促進します。最初は部下も戸惑うようですが、継続していくことで次第に効果を実感し、仕事によりコミットしていきます。その結果、部下からは「上司が意見を聞いてくれるので、自分で考えて、提案するようになった」といった声も届いています。
 
 
——社内コミュニケーションが大切なのですね。

 社員と会社の方向性がかみ合えばいいんです。会社は今こういう方向に行っている。これに自分が加担することが人生にとってどんな意味があるのかなどを考えさせるのもコーチングなんです。
 
 
——今後のビジョンについて教えてください。

 世界中に拠点を増やしたいですね。中国だけでも数カ所つくるかもしれません。アジア全体に進出している日系企業をサポートしていくのはもちろん、海外の日本企業で上げている実績を他の欧米企業でも展開していきたいですね。

(この連載は月1回掲載します)

【楢橋里彩】フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。