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最新号の内容 -20111118 No:1346
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香港公演で聴衆を魅了
林英哲の和太鼓演奏

 和太鼓演奏家の林英哲さんが10月28・29日、自身が主宰する「英哲風雲の会」の若手メンバーと笛・尺八演奏家の竹井誠さんと共に香港で演奏会「太鼓伝奇(Taiko Legend)」を行った。林さんはブッシュ前米大統領やチャールズ英皇太子・故ダイアナ妃に太鼓演奏を披露するなど国際的に活躍。香港フィルハーモニー管弦楽団とは過去に2度共演し、いずれも好評を得ている。
(取材と文・綾部浩司/構成・編集部)

 林さんが太鼓演奏を始めたのは40年前。当時は「太鼓だけをステージで演奏する」という形式はなかったがその後、和太鼓そのものを1つの楽器とする演奏・創作スタイルを確立。多くの作品やステージを生み出した。海外公演の評判が日本に伝わり、日本で太鼓演奏が注目されるようになったという。海外公演はすでに40カ国におよび、太鼓演奏の普及活動に力を注いでいる。また、太鼓演奏は情操教育にもよいといわれ、日本や米国の教育活動にも協力している。

 筆者は以前、香港フィルとの共演を鑑賞した時に不思議と涙が流れたことがあった。その体験を林さんに伝えると、太鼓の不思議な効果についてこう語ってくれた。

 「演奏会で子供は熟睡してしまうのに大人は涙を流すということが日本でも海外でもあります。なぜなのか最初は分からなかったのですが、専門家によると胎児が聞く母親の心臓の音と太鼓の連打で生まれる雑音がとても似ているそうです。和太鼓は他の楽器とは異なり、音のチューニングをしていません。このため倍音成分である雑音が多くなります。赤ん坊も大人も恐らく覚えてはいないけれど、意識のどこかにそうした感覚があるのでしょう。太鼓の振動や雑音を感じた時におなかの中にいたころの安心感が蘇って、子供は寝てしまい、大人は涙が出るのだと思います。日本の太鼓の音は一見攻撃的に思えますが、実は人間にとって最も安らぎがあって心地よい音だということを後になって知りました」

 今回の公演は全席完売という人気の高さ。当日は太鼓と笛の音が圧倒的な説得力で胸に響き、流麗な太鼓のバチさばきを視覚的にも楽しむことができる演奏会だった。日本の演奏家としてそんな素晴らしいステージを披露した林さんらに送られた観客のスタンディングオベーション。筆者も日本人の1人として誇りを感ぜずにはいられなかった。


香港の裏グルメ本第2弾
ローカルの魅力再発見

「食の都・香港」を語る上で外せない分野B級グルメ。そんなB級グルメ好きにはたまらないガイドブック『香港路地的裏グルメ』が先ごろ出版された。3年前に出版された第1弾『香港女子的裏グルメ』では麺、ギョーザ、飲茶など、メニューごとに紹介していたが、今回は地域ごとにまとめたラインアップだ。紹介する店も、深水埗、太子、大坑など、香港情緒たっぷりのローカルエリアまで網羅。広東語が話せない、メニューが読めない、おいしいお店かどうか不安などの理由で香港在住者でも外国人にとってはハードルの高いローカルフード店だが、この本を持って出かけてみてはどうだろう? また、日本から来る友人のアテンドにも活用できそうだ。


w-indsにファン熱狂
10周年記念ライブ香港公演閉幕

 去る10月15、16日に九龍湾国際展貿中心で、アジア圏でも人気を誇るダンス&ボーカルユニット「w-inds」のメジャーデビュー10周年記念ライブが行われた。15日のチケット完売に伴い16日には追加公演を開催。ライブではアンコールを含め計22曲を披露し、多くのファンを魅了して幕を閉じた。


生まれ変わった旺角スタジアム

大型スクリーンでゴールシーン再現

 プリンスエドワードにある「旺角大球場(旺角スタジアム)」が約2年にわたる改築工事をへて、10月16日にリニューアルオープンした。同施設は1961年に供用開始された歴史あるスタジアムで、老朽化を理由にこのたび建て直された。



 総工費2億7550万ドルを投じて生まれ変わったスタジアムは各所に最新設備を導入。メーンビルディングの屋上にはソーラーシステムが設置されているほか、雨水の再利用システムなど環境に優しい配備も施されている。 観客スタンドの座席数は計6664席。座席数は旧スタジアムよりも少なくなったものの、3300席の上部には屋根が設置され、雨天でも観戦しやすくなった。また、試合中に得点や時間を表示する電光掲示板として大型スクリーンを採用。このスクリーンには時折試合のハイライトが映し出され、ゴールシーンを見逃すこともない。

 

南華所属の中島(中央) 
(撮影・馮耀威)

 香港で活躍する日本人プレーヤー 旺角スタジアムはアジアで最も長い歴史を持つプロリーグである香港リーグの主要開催地として、長きにわたって市民に愛されてきた。その香港リーグでは現在、3人の日本人選手がプレーしている。公民(シチズン)所属の中村佑人は浦和レッズユース出身で、ポルトガルでプレーしたこともあるストライカー。高田寿典は天水囲飛馬(TSWペガサス)のゴールキーパー。今季から南華(サウスチャイナ)に加入した中島ファラン・パリスは実兄もサッカー選手という若手ディフェンダーだ。チームもポジションも異なる3選手だが、シーズン中盤に向け、さらなる活躍が期待されている。