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最新号の内容 -20170310 No:1474
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《39》自分でできる簡単なケア

 私たちが体に不調をきたす原因は自分の生活習慣によるものがほとんどのケースだということを何回もお話ししてきました。ということは、私たち治療家が行う治療のほかに患者さん自身が行うべきこと、改善することが存在します。基本的なこととしては(A)健康的な食事(B)適度な運動(C)十分な休息などが挙げられます。

 とは言いましても、仕事で一日中座っている必要がある人などはどうしても腰や背中が張ってきたり、首や肩がこってくるということがあります。今回は家で自分でできる簡単なケアの仕方について紹介していきます。
 

☆5つ痛みを出すポイントを知る

 まず、体に痛みがあって来院される患者さんのタイプですが、一昔前とは変わってきています。昔は農業であったり、各種違った動きをする工場で働いている患者さんたちは皆それぞれ違った動作で体を痛め、それぞれバラバラの症状を訴えていました。しかし最近の患者さんは、ほぼ同じ個所に同じ症状を訴える方がほとんどです。

 それはなぜか? 例えば香港に駐在されている日本人の仕事の形態はどうなっているでしょうか。金融業であれ、運送業であれ、または製造業であったとしても1日のほとんどの時間をパソコンの前に座って仕事をしているのではないでしょうか。そうなってくると個々によって少しの違いはあれ、皆さんほぼ同じところに同じような症状を訴えるようになります。私が統計をとったところ大別して5つの個所が痛みを出すポイントだとわかってきました。

(1)梨状筋:お尻の上方・側面

(2)ふくらはぎ

(3)腰と背中の間の背骨の脇に沿ったライン

(4)左右の肩甲骨の内側

(5)後頭骨のすぐ下の辺り

 これら5カ所のケアを自分でできれば体の不調をほぼ解決できると考えています。


☆毎日5分でも続けることが大事

 実際に行っていく方法を紹介します。まずは野球の硬式ボールかソフトボールをご用意ください。ベッドまたはマットレスにボールを置き、その上に寝ころびます。最初に(1)のお尻の上方・側面にボールが位置するように調整してみてください。問題がない場合には「押されている痛みはあるけど、まあ我慢できる痛み」となります。問題がある場合には「痛くてボールの上に寝ころべない」となります。マッサージなどで他人に押してもらう場合には強度を自分で調節できませんが、この方法なら自分で調節できます。

 同じように(2)(3)と進んでいきます。ボールは枕元に置いておいて毎晩寝る前に5分から10分行ってください。2週間ぐらい続けると、以前まで痛くて我慢ができなかったところにも少しずつ寝ころべるようになってきます。

 たったこれだけです。これだけで大きな違いが出ますので一度試してみてください。毎日5分でもいいですので続けることが大切です。

(この連載は2カ月に1回掲載)

 

ドクター青(あお):D.C.(ドクターオブカイロプラクティック)パーマー・カイロプラクティック医科大学卒業。米国政府公認カイロプラクティックドクター、香港特区政府カイロプラクティックドクター免許取得。「Millennium Chiropractic Centre」勤務