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最新号の内容 -20160210 No:1472
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香港ヤッピーの人気キャラが復活!
 

華流エンタのすすめ

『小男人週記3之吾家有喜』のポスター(写真提供・HMV Digital China Group Ltd.)

 

人気DJからエンタメ界の大御所に

 

 2017年の旧正月映画のなかで、周星馳(チャウ・シンチー)監督の『西遊 降魔篇(西遊記 はじまりのはじまり)』の続編となる『西遊2降魔篇』、謝霆鋒(ニコラス・ツェー)主演のグルメ・アクション『決戰食神』、低音が魅力な人気司会者・林盛斌(ボブ・ラム)主演の人情コメディー『我要発達』などとともに、長年の香港映画ファンをうならせる異色な1本が公開されている。「旦哥」こと鄭丹瑞(ローレンス・チャン)が監督・主演を務める『小男人週記3之吾家有喜』である。

 

 「『小男人週記』30周年記念作」とうたわれた本作だが、そもそも旦哥とは何者なのか? 1978年、大学卒業とともに亞洲電視(ATV)の前身となる麗的電視に入社し、5年後の83年には香港電台(RTHK)に所属し、DJとして一躍人気者になった彼。なかでも、現在は鄭伊健(イーキン・チェン)のマネジャーとして知られる林‮)‬k‮)‬k(サンディー・ラム)、歌手としても活躍した何嘉麗(スザンヌ・ホー)とのユニット「三個小神仙」としての活動は、サンディーの弟としても知られる林海峰(ジャン・ラム)のほか、葛民輝(エリック・コット)、芝See菇Biこと卓韵芝(ヴィンシー・チェク)らといった多くのフォロワーを生み、現在もはやりモノを多く生み出すスターDJの先駆け的存在といえるだろう。

 

 メガネキャラで知られるそんな彼は、DJの枠にとらわれず、俳優、プロデューサー、脚本家、小説家など、マルチに活動。現在62歳で、ここ30年以上にわたり、香港エンタメにおいて、知らない者はいない存在であることに間違いない。そんな中、「小男人周記」とは86年に始まった人気ラジオ・ドラマであり、旦哥が演じるのは、商社に勤めるどこかうだつの上がらない「香港ヤッピー」の代表格ともいえる「阿寛」こと梁寛である。
 

 

四半世紀ぶりの新作映画での怒涛の展開


 その人気から、89年に成龍(ジャッキー・チェン)作品でもおなじみだった嘉禾有限公司(ゴールデンハーベスト社)が制作したのが、映画版『小男人週記』。文雋(マンフレッド・ウォン)演じる同僚らとの友情物語に、7年目を迎える鄭裕玲(ドゥドゥ・チェン)演じる妻・アンと夫婦生活のなかで訪れる鍾楚紅(チェリー・チェン)演じる美女との間に訪れるロマンス。そんなあるあるなストーリー展開は、同世代の若者のハートをつかみ、スマッシュ・ヒットを記録。翌90年には日本に出張が命じられた「阿寛」が、関之琳(ロザムンド・クワン)演じる美女との出会い、デートシーンでは当時流行していた巨大迷路やUFOキャッチャーも登場する『小男人週記 II 錯在新宿』が公開されたほどだ。

 

 しかも、この2作で監督デビューを果たしたのが、林超賢(ダンテ・ラム)監督の師匠としても知られる『飛龍再生(メダリオン)』の陳嘉上(ゴードン・チャン)監督ということもあり、プロデューサーとしての「旦哥」が映画界に残した功績も大きいといえるだろう。

 

 往年の旧正月映画『家有事(ハッピー・ブラザー)』をモジった意味深なタイトルである現在公開中の『小男人週記3之吾家有喜』は、52歳になった「阿寛」の物語だが、前作から四半世紀のあいだに、とんでもない事実が判明するところから始まる。今や上場企業の社長になっていた彼だが、なんだかんだで元サヤに納まっていた妻のアンが彼の元を去っていたのだ。しかも、彼の娘と名乗る美女が彼の元を訪れる、というまさかの状況にアタフタする。

 

 新たなヒロインに、グラビア・クイーン出身の周秀 (クリッシー・チャウ)と月平(ラリーン・タン)を迎えた「阿寛」の顛末も気になるところだが、本作が映画館離れしている「阿寛」と同世代の観客に、どのように受け取られるか気になるところだ。

 

筆者:くれい響(くれい・ひびき)

映画評論家/ライター。1971年、東京生まれのジャッキー・チェン世代。幼少時代から映画館に通い、大学時代にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。卒業後はテレビバラエティー番組を制作し、映画雑誌『映画秘宝』の編集部員となる。フリーランスとして活動する現在は、各雑誌や劇場パンフレットなどに、映画評やインタビューを寄稿。香港映画好きが高じ、現在も暇さえあれば香港に飛び、取材や情報収集の日々。1年間の来港回数は平均6回ほど。