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最新号の内容 -20161202 No:1468
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《105》花ちゃんは姉猫に昇格

 

動物との幸せな時間

お腹を出すガブちゃん(筆者撮影)

 

ガブリと噛んだ遠慮しらず猫

 

 いまだ兄猫チョビが死んだことが夢のようで、まだろくに涙も流せないまま1カ月。にもかかわらず、気が狂った私は、チョビの美猫妹・花ちゃんの友達兼弟として体重8キロのデブ猫を我が家に連れてきた。香港人の友達が行き所のない非社交的猫たちを保護しているという素晴らしい非利益団体「Home for Paws」から引き取ったのだ。私はデブ猫を猫バッグに突っ込み、さらにイケアの青いデカバッグに入れて、ニャーニャー叫ぶ彼をなんとか連れ帰った。

 

 私の手をガブリと本気で噛み、流血&噛み跡4個を烙印してくれたガブちゃんことガブリエル。 兄以外の雄猫と友達になってもらおうと花ちゃんの気持ちも考えずに、でかいガブをいきなりドサッとカバンから下ろした。その時の花の目はマンマル。もとより社交性抜群のガブちゃんは、早速ご挨拶に向かうが、2匹の距離が近づくとシャーっと怒った花ちゃん。やはり、しばらくはガブには私のベッド横のケージで過ごしてもらうことにした。

 

 その間、窓はすべて紐で結び開放厳禁に。ガブはおトイレも無事にケージ内で行い、ご飯も翌日から食べ始め、「触われ」と愛嬌を振りまくので、ケージの中から出して遊んであげる。その様子を花ちゃんが棚の上からガン見。新しい家に到着2日目でガブは花ちゃんを追い回し、部屋中を忍者のように駆け回り、カーテンレールの上を疾走。ふと忍者に似ていた亡き兄猫を想った。

 

 最初の2日はカリカリビスケットのみをチョロリチョロリと食べていたガブ。しかし、夜は猫缶を食べる花ちゃんを見て自分も試してみることに決定。結果、味にはご満悦だったようで、次からは姉猫の食べ残りを頂戴することに決めたらしい。なんでも真似をしたい様子。姉はムッとしてみている。

 

 一方、兄姉猫(亡くなったチョビと花ちゃん)はいつも私とベッドを共にしていたが、姉猫が私と寝るのを真似して、ガブは我が家到着3日目にして私の枕の横に。しかも、腹を上にして大の字になって寝ている。その反対側には姉猫が。そうこうするうちに、2匹はある一定の間を空けて一緒にベッドで横になり、口を嗅ぎあうことを花ちゃんはガブに許すまでになった。それを目撃した私は感動した。花ちゃんの寛容な性格と恐れ知らずのカブの大胆さに——。しかし、あまりに顔が近づきすぎたので、姉猫はシャーっとたしなめ、軽やかに棚の上に飛び上がった。その後ガブは何か遊び道具を見つけて走り回るのだった。