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最新号の内容 -20161202 No:1468
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117 18のニュースから抜粋
(月~金曜に毎日配信)


 

■住宅購入に必要な資金は年収16年分

 香港中文大学の生活質素研究中心が発表した「2015年香港生活質素指数」で、香港市民の生活の質が2年連続で下落したことが分かった。11月4日付香港各紙によると、この指数は03年から発表されており、社会、経済、環境の5分野について市民に調査し割り出しているもので、調査を開始した02年を基準の100として計算している。15年の総合指数は101.83と前年より1.12ポイント低下(悪化)。分野別では経済分野が1.3ポイントも低下し、中でも住宅ローンの負担能力比率もマイナス6.13ポイントと、ともに過去最低の数字に。中央値レベルの収入を持つ市民が九龍地区で400平方フィートの物件を買うのに16年分の収入が必要になる計算だが、その年数が前年よりも1年増えたことになる。


■毒ガニ事件、輸入販売店は政府を批判

 江蘇省産の上海ガニの一部検体からダイオキシンが見つかり、問題となった2つの養殖場からの輸入および販売が禁止された事件で、波紋が広がっている。11月4日付香港各紙によると、政府食物安全中心(CFS)は3日に記者会見を開き、同日午前までにカニ800キロを回収したと発表。問題の2つの養殖場から輸入したカニを販売した場合は法的措置を取るが、それ以外のカニには影響はないと発言した。香港市場に提供される全てのカニは中国国家質検当局の認可を受けた養殖場から来たカニに限られ、衛生証明書が付いていると説明。問題の2つの養殖場が実際にいくつの養殖場を持つのかは中国当局による調査が必要となり、すでに江蘇当局が調査を開始したという。一方、上海ガニの輸入販売の老舗「老三陽」は、中港両地の政府のコミュニケーション不足が小規模商店の損失を招いたと批判。同店の損失は500万ドルを超える見込み。同店は自社でカニの幼体を購入・養殖しているが、証明書は江蘇太湖水産有限公司を通じて手続きしている。


■日本人コスプレーヤーに有罪

 不法就労容疑で起訴されていた日本人コスプレーヤーの裁判が11月7日に開かれ、有罪が成立した。8日付香港各紙によると、石田智美被告(27歳)は香港の就労ビザを取得せずに撮影会でモデルを務めていたという。この事件では石田被告とそのマネジャーで中国籍の男(34歳)と撮影会の主催者の男(47歳)、同じイベントに出演していた台湾のアイドル「黒渋会」の元メンバーの唐子涵も同様に逮捕されていたが、唐子涵だけはすでに不法就労を認め、8月に懲役2カ月の判決が言い渡されている。弁護側は撮影会は交流イベントだと主張したものの、裁判官は石田被告が出演したのは参加費用が必要な有償イベントであり、マネジャーと石田被告は雇用関係にあると断定。石田被告とマネジャーに懲役2カ月の有罪判決を言い渡したが、2人は4月1日から裁判が始まるまでの計2カ月と8日間、拘留されていたことから、刑期を差し引いて即日釈放された。この事件の影響で、石田被告は事件後の5月に所属事務所を解雇され、日本に十数年住み帰化を予定していたマネジャーも日本籍の取得は困難になったもようだと報じられている。


■昂坪360、ロープ交換で休業へ

 ランタオ島のロープウェイ「昂坪360」が、来年5カ月間休業することがわかった。11月10日付香港各紙によると、休業期間は2017年1月中旬から6月上旬まで。行楽シーズンでもある時期だが、過去8年で台風が来なかった時期でもあり、工期に影響が出にくいとの判断がなされたという。同施設は開業から10年を越え老朽化が進んだため、今回の工事ではロープのほか、動力設備や支柱などが交換される。ロープは硬度と耐久性に優れた新しいものに替えられる予定で、全行程で5.7キロメートルだが、予備部分も含めると14キロメートルほどになり、その交換費用は8000万ドルにも上る。


■タクシー運転手が議員資格取り消し訴訟

 立法会議員の宣誓問題をめぐる全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の基本法解釈を受け、市民が議員資格取り消しを求める訴訟を申請した。11月11日付香港各紙によると、タクシー運転手団体「的士司機従業員総会」の鄭玉佳・元会長は9日、高等法院(高裁)に訴訟を申請。梁国雄氏、羅冠聡氏、朱凱迪氏ら非親政府派議員8人の就任宣誓で基本法解釈に違反する行為があったため、宣誓無効と議員資格喪失の宣告を法廷に要求した。的士司機従業員総会は2014年、同じくタクシー業界団体の香港計程車会とともに「セントラル占拠行動」の際に旺角のバリケードなどを撤去する裁判所臨時禁止令を申請し、裁判所の強制執行により占拠行動を収束させた。今回の宣誓問題では青年新政の2人に対する抗議や全人代常務委の法解釈を支持する新聞広告を度々掲載している。


■授業中のトイレが申請制になって物議

 元朗の伯特利中学が学生のサボり防止策として、11月1日から授業中のトイレの使用を申請制にしたことが物議を醸している。11日付香港各紙によると、授業中は校内のトイレにカギをかけて男女1カ所だけしか開放せず、授業が終わる10分前からはトイレに行ってはいけない決まり。そしてトイレに行く前に指定の用紙に、学生の名前、クラス名、教室の場所、出入り時間を記入し、教師のサインをもらわなければいけない。用紙は2枚つづりになっており、1枚はトイレの当直職員に提出し、もう1枚は教室に戻った時に教師に提出することになっている。もしトイレに行く途中で他の教師に呼びとめられた場合はこの用紙を見せなくてはいけないという。同校では、授業中にトイレに頻繁に行き、その時間が長いと授業の秩序や学習の進度に影響すると説明。学生には休み時間やランチタイムにトイレを済ませ、授業に集中するよう指導しているそうだ。しかし火急の場合に困るなど、この制度を非人道的だという学生や教師の仕事量を増やすことになるとの批判も出ている。その一方、校内の事情を知る者は、トイレに行くふりをしてゲームをしたり喫煙する学生がいると指摘している。


■ジャンボあわや沈没、生け簀船が浸水

 ジャンボの愛称で知られる香港仔(アバディーン)の水上レストラン「ジャンボキングダム(珍宝海鮮舫)」の店舗の一部が浸水、沈没にもつながりかねない騒ぎがあった。11月14日付香港各紙によると、問題の船はレストランの座席のあるメーンの船ではなく、その後方につなげられている生け簀(いけす)用の船。13日午後4時ごろに船体が徐々に傾きだし、浸水が発覚したという。同店ではすぐに船内の職員と客を避難させ、警察と消防署に救助を要請。すぐさま水上警察と消防隊が駆けつけ、消防用水用のポンプで船内にあふれた水を排出、船に沈没防止用のバルーンを固定し、浸水の進行は免れた。けが人などはなく、また当日の夜は営業にも支障はなかったという。


■香港ディズニー、お城を撤去か

 香港ディズニーランド・リゾートの「眠れる森の美女の城」を撤去して新たに別の城を建てるといううわさが出ている。11月12日付『りんご日報』によると、米ウォルト・ディズニーが先ごろ行った業績発表では今年7〜9月の第4四半期決算で、売上高が予測を下回ったことが明らかになった。香港ディズニーも業績は芳しくなく、同紙が報じた消息筋の話では、収入増のためのテコ入れ策として「小さすぎる」との意見が出ている現存の城をとり壊して、全く別のテーマの新しい城を造るという話があるようだ。香港の眠れる森の美女の城はカリフォルニアのディズニーにある城と同じ規模の高さ77フィートであるものの、カリフォルニアが城内に入れるのに対し、香港は城内に入ることはできない。もし新たに城を造るならば香港ディズニーランド・リゾートの第2期拡張工事の際に行われることが予測されるが、現存の城を壊した跡地に建設するのか、リゾート内の別の場所に新しい城を建設した後で現存の城を壊すのかは定かでない。現時点では第2期拡張工事の開始時期も確定していないという。


■新移民の7割が差別に遭った経験あり

 中国本土出身で近年、香港に移住した人の7割が差別に遭った経験を持つことが分かった。11月13日付『文匯報』によると、社区組織協会が今年7〜9月に312人を対象に差別に関する調査を行った。その結果、回答者の90%が香港には新移民への差別があると感じていた。回答者の72%が自分の(新移民という)身分を理由に差別されたことがあると答え、このうち言語による差別が93%を占めた。また自分を差別した相手は、販売員という答えが39%で最も多く、これに同僚・同級生の30%、社会福利署職員が22%だった。


■公民党の毛孟静氏が離党、排他志向で

 公民党の毛孟静・議員は11月14日、記者会見を行い離党を発表した。15日付香港各紙によると、毛氏は公民党創設時からのメンバーだが、党内では本土派(排他主義勢力)や独立派に近い路線を主張してきたことから個人的理念と党の立場との間に亀裂が生じた。毛氏は2010年の党主席選挙での問題や、かねて掲げていた「拒絶大陸化」のスローガンは党メンバーからの反発で「拒絶赤化」に変えさせられたほか、立法会での議事妨害や党の位置づけについても意見が食い違ったことを挙げた。今後は別団体「香港本土」のメンバーとして引き続き立法会議員にとどまるという。毛氏の離党で公民党は残り5議席となる。先に青年新政の梁頌恒氏と游 禎氏が立法会本会議が行われている議場に乱入した際、警備を阻止するため非親政府派議員が数人で取り囲んで議場に招き入れていたが、毛氏もこれに加わっていた。


■尿を飲ませて逮捕の男が日本で痴漢

 恋人の息子を虐待し起訴された男が元警官で、過去に日本で痴漢行為をして逮捕されていたことが明らかになった。11月15日付香港各紙によると、被告は交際相手の息子を殴ったり便器の中の尿を飲ませるなど虐待。今年10月に有罪が確定し、11月14日に行われた公判で懲役9か月が言い渡された。裁判官は、被告は高学歴で、前途ある職業に就いたにもかかわらず、海外でも罪を犯したと叱責。子供への虐待は1度だけではなく数年にもわたり、被害者は体のみならず心にも傷を負ったと指摘し、その罪状は収監に値すると話した。この日の公判では被告が元警官で、2007年の休暇中に旅行先の日本で女性の胸を触って逮捕されていたことが明らかになった。


■一田百貨が西環に来春オープン

 スーパーの一田百貨(YATA)が予定していた香港島への出店が正式に決定した。11月17日付香港各紙によると、場所は西環の香港商業中心内で、来年の第1四半期中の開店を目指すという。同社の親会社である新鴻基地産が所有する物件だが、およそ1万平方フィートの敷地に改装費2300万ドルが投じられる予定だ。新店舗の特色について同社の黄思麗・行政総裁は「ある程度の高所得層をターゲットにした店舗になるだろう。商品も他社と一線を画した品揃えになると思う」と述べ、また以降の出店計画についても、17年中に葵芳と将軍澳に開店すると明かしている。長らく小売り不振が続く香港だが、同社の売り上げは今年第3四半期までで前年同期比2.6%増と手堅い成長が続いている。


■東九龍地区に女児を狙う色魔が出没

 東九龍地区で13日内に女児を狙った痴漢が3度出現し、警察が注意を呼び掛けている。11月17日付香港各紙によると、牛頭角で11月10日に11歳の女児が太ももを触られ、同14日には秀茂坪の団地・宝達邨で8歳の女児が陰部を触られたと通報があった。11歳の女児は最初は11月2日の夕方5時ごろ帰宅途中の道で男に太ももを触られたが、そのときはぶつかっただけだと解釈し、親には報告しなかった。しかし、10日にほぼ同じ時間帯に同じ男にまた触られたので驚いて家族に知らせたという。8歳の女児は1人でアイスクリームを買いに行った際、男に首をつかまれて歩道橋の影に連れ込まれて被害に遭った。容疑者の年齢は30〜40歳、身長は170センチくらい、やせ形で黒い短髪だという。当局では同一人物の犯行とみて捜査を進めているが、付近住民からは、最初の通報があってから次の犯行まで時間があったのに警察の事件公表が遅すぎたとの批判が出ている。
 

ミシュランガイド、日本料理店が躍進

 『ミシュランガイド香港マカオ2017』が11月9日、出版された。香港は238軒、マカオは68軒のレストランを掲載している。香港の3つ星は昨年と同じ6軒で、「L' Atelier de Joel Robuchon(フランス料理)」「8 1/2 Otte Mezzo-BOMBANA(イタリア料理)」「龍景軒(広東料理)」「BO Innovation(イノベーションスタイル)」「すし志魂(日本料理)」「唐閣(広東料理)」が引き続き3つ星を維持した。また香港の2つ星は14軒で、新たに2つ星の栄誉を受けたのは「柏屋(日本料理)」と「Ta Vie旅(イノベーションスタイル)」だ。香港の1つ星は41軒。新たに1つ星を得たのは7軒、そのうちの「I M Teppanyaki & Wine」は鉄板焼き店、「鮨とかみ」は今年1月に香港に進出した日本料理店だ。一方マカオは、3つ星は2軒、2つ星は5軒で、うち「泓(日本料理)」は初めて2つ星を獲得した。マカオの1つ星は12軒となっている。 (写真提供:RuderFinnAsia
 

3つ星レストランのシェフ

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1つ星レストランのシェフ