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最新号の内容 -20161021 No:1465
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早くも「粗口港姐」の称号

今年の香港小姐は撮影条件が最良。写真は水着姿で颯爽と登場した馮盈盈(クリスタル・ヒョン)さん。9月11日、将軍澳のTVBスタジオで筆者撮影

馮盈盈さん

 今年の香港小姐(ミス香港)は准決賽を廃止し、總決賽に一本化した反面、總決賽前日に長く催行されなかった香港先生(ミスター香港)を開催した。香港先生の復活は4月に停波したATV(亞洲電視)の亞洲先生(ミスターアジア)の空白が弾みになったと思われる。

 いっぽう、香港小姐(ミス香港)は面試に合格した30人を、選考の過程で20人に絞り、この中から10人が總決賽に進むという仕組みに改められた。選ばれた10人の外景拍撮(プロモーション撮影)に選ばれたのは日本の九州。お寺で防具を着用して剣道の練習を披露したほか、福岡ドームでは生まれて初めてのキャッチボール体験。突然現れた美女たちの黄色い歓声に集中力をかき乱されたのか、ソフトバンクは日本ハムに優勝をさらわれてしまった。

 94日に行われた立法会選挙の影響で、例年より遅い911日に将軍澳TVB(無線廣播)スタジオで開催された總決賽にも大異変。司会にも評判団(審査員)席にもおなじみの曾志偉(エリック・ツァン)の姿はなく、シンプルなステージは、これまでになく撮影条件が良かった。

中国メディアに囲まれる馮盈盈さんら。香港小姐は現代中国ミスコンの草分け的存在。毎年中国メディアが殺到する。今や普通話も香港小姐の必須条件である。筆者撮影

 今年の冠軍(優勝)は香港大学で食物と栄養学を専攻する馮盈盈(クリスタル・ヒョン)さん。スタイルがよく、彫りの深い相貌が印象的な22歳。視聴者投票でもトップだった。しかし、選ばれるや2年前の雨傘運動時に行政長官などを批判したフェイスブックでの発言が暴露され、早くも「粗口港姐」(口の悪いミス香港)のあだ名がついた。本人は記者会見で「今後は発言を慎む」と神妙だったとか。

(このシリーズは月1回掲載します)

筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお)
1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。