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最新号の内容 -20160805 No:1460
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コーヒー文化を香港で確立

 経済のグローバル化が進む中、自らの組織のために粉骨砕身するリーダーたち。彼らはどんな思いを抱き何に注目して事業を展開しているのか。さまざまな分野で活躍する企業・機関のトップに登場していただき、お話を伺います。

(インタビュー・楢橋里彩)

 

インタビュー

UCC Coffee Shop CO.,(HK)Ltd.

General manager 清水省吾さん

【プロフィール】

 1983年千葉県生まれ。2006年札幌大学法学部卒業後、UCCフードサービスシステムズ入社。同社が運営するカフェ店舗の店舗責任者、ブロックマネージャー、WEB事業などを担当した後、2014年7月にUCC COFFEE SHOP CO.,(HK) LTD.にGeneral Managerとして出向。趣味は、映画鑑賞、ウクレレ。休みの日の過ごし方は、家族とショッピングや観光地に出かけること。最近ハマっている食べ物は、ピータン粥・飲茶。

 

 

——今年で創業82年を迎えますが、日本のコーヒーの歴史そのものは古くはないんですよね。

 

 1866年に初めてコーヒーなどの輸入関税が決まり、1900年代頭にようやく飲まれ始めました。弊社創業者である上島忠雄は神戸出身で、当時は神戸の港周辺には外来品などが多く輸入されてきたなかでコーヒー豆の御しを始めたと聞いています。創業してからカフェや工場での製造など幅広く展開するようになり、その形は今も引き継がれています。

 

——香港には1985年に進出され、8店舗展開しています。当時はまだ英国植民地時代であり、コーヒー文化はこれほど浸透していませんでしたよね。

 

 まさにお茶文化でしたね。1985年に崇光(SOGO)が設立されるときに、ショップを進出しました。進出当時は日本同様カフェ事業をもってきたのですが、これが受け入れてもらえず厳しかったです。香港では顧客のニーズとしてはカフェより食事のニーズのほうが強かったんですね。コーヒーに合うフードやスイーツを積極的に取り入れ、日本の店舗とは異なったレストランタイプの店舗での展開をしております。今では100種類を超えたメニューをそろえ、これはレストラン事業を展開するアジアの他国と比べても断然多いです。ちなみにシーフードスープパスタは人気があり2000年頃に出来てからのロングセラーです。

 

——人気の秘けつとは何なのでしょうか?

 

 製造過程のこだわりが大きいかもしれません。セントラルキッチンはもたず、香港は多くの食材を全店舗手仕事をしています香港に赴任して驚いたのが、厨房に鮭が丸々一匹届いて、それをスタッフが黙々とさばく光景でした。これはレストラン事業をしていない日本では見たことがなかったので、驚きとともに新鮮でしたね。メニューも充実させてきましたが、やはり根底にあるのはコーヒーです。弊社はレストラン事業とともにコーヒーにもこだわりをもって提供しています。

 

——なんといっても、UCCコーヒーショップのコーヒーを淹れるサイフォンの演出。コーヒー好きにはたまりませんね。

 

 こだわりをもって一杯一杯丁寧にお淹れしています。サイフォンは上の筒状の部分「ロート」に円形の布フィルターをセットし、下の球状の部分「フラスコ」の湯をハロゲンランプで熱するものです。こうした淹れ方により、豆が本来持っている味わいを一番素直に出せるのですね。ちなみにサイフォンは香港に進出した当初から変わらず提供している方法です。オープン当時は物珍しさで来店くださる方が増え、弊社を知っていたいただくきっかけにもなりましたね。

 

——香港のコーヒーの消費量はどうでしょうか。

 

 確実に上がっています。主な要因としてスターバックスが香港に2000年に進出してミルク入りコーヒーが浸透したことはとても大きかったですね。ミルクコーヒーが流行することで、よりコーヒーのおいしさが分かり気軽にカフェに行きやすくなったと聞いています。コーヒーのトレンドも生まれ、さまざまな形でコーヒー文化のスタイルが香港で確立されてきました。弊社は経済的に不安定になりながらも、今も8店舗展開でき、中でも一番長いことお客さまに愛されてきている崇光では特にSOGOのカフェ=UCCを根付かせることができ、嬉しく思います。

 

——30年近く維持されてきた秘訣はなんだったと思いますか。

 

 ローカルスタッフの支えがあってこそだと思います。今いる香港のスタッフの多くは進出当初から支えてくれており、20年以上の人が結構多いんですよ。私自身、約2年前に香港に赴任する前は「UCCフードサービスシステムズ㈱」という外食を担当する企業のインターネット事業部に携わっていました。今回の赴任で人材育成・出退店の商談を含め業務全般を任される役割と言うのは実は初めてでした。香港のスタッフは私より長く勤務されているベテランの方ばかりですがこれからもコーヒーに力を入れ、香港のお客様によりご愛顧頂けるよう、日々の営業も精進していきたいと考えております。

 

(この連載は月1回掲載します)

 

【楢橋里彩】フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。

ブログhttp://nararisa.blog.jp/