金融業界B2Bイベント「iFX エクスポ・アジア」 アジア最大規模の金融業界B2Bイベント「iFX EXPO Asia」(1月27日〜28日)が昨年に引き続き、今回も香港・湾仔にあるコンベンション&エキシビションセンターにて開催された。会場には、FXブローカーやバイナリーオプション、銀行など76社が出展、期間中2500人以上が参加し、初日から大いに賑わった。
イベントは、コンバージョン・プロス(CONVERSION PROS)とファイナンス・マグネイト(Finace Magnate)が共催しているもので、主に最先端のテクノロジーシステムと、FX、バイナリーオプション、銀行などのネットワーキングを深め、アイディアを共有していくものだ。欧州市場をはじめ、飽和状態が続いている中、世界のFX業界関係者らは、昨今アジア市場に注目している。
「一帯一路」地域から参加
会場では、世界中からFXブローカー、システム関連ベンダーなど、アジアでの顧客開拓を狙う多くの企業が集い、新たなビジネス獲得に向けた商談が繰り広げられあた。日本国内では未だ制限されているバイナリーオプションやソーシャルトレーディングといった、海外では人気になりつつある新サービスを紹介しているブースも目立ち、会場には東南アジア、中東諸国からのFX関係者の参加が前回よりも多いように感じられた。
インタビュー① 唯一日本から出展
今回唯一日本から出展したNEXTOP Asia。FX、金融デリバティブの取引システムの開発を主に携わっている。会社が設立されて4年目の今、なぜ今回出展されたのかについて菅原崇 取締役社長に聞いた。
インタビュー② 次世代型取引プラットフォーム
今回初出展した、次世代型取引プラットフォームを販売しているHI-CARE Financial Services営業部日本担当 坪井桂子氏は、「これまではイギリス、中東、南アジアが主な市場でしたが、今後は日本、香港、シンガポールなどアジア市場を視野に入れるため、今回の出展に至った」と話す。中国本土からテクノロジーに関する問い合わせが多かったのも理由だそうで、予想の倍以上の来場に驚いていた。なかでも特に印象に残ったのは、中国本土の方の商談のスピーディさ。「とても決断が早い。トレードされている方は前もって情報を収集されて来られるので、話が早いと思う」と出展した意義を実感。確実に今後世界で普及していくサービスなので、より注力していきたいと話した。
インタビュー③ 人民元建て金融資産は今が買い時
FXブローカーFX PRIMUSの投資調査部門統括として働きながら、経済アナリストとしても活動されているマーシャル・ギトラ氏は、今の中国、香港経済の低迷について、「香港は1998年のアジア金融危機の時に大変な危機に見舞われたが、それにも関わらず対米ドルペッグ制は崩壊しなかった。したがって、今後も米ドルペッグ制は維持していくと思う」と述べた。人民元安で人民元資産を売る動きがあるなかで、ギトラ氏は人民元建て金融資産は今が買い時だと断言する。これは人民元は今後も国際化が進み、中国経済も安定的に成長していくとみているからに他ならない。アジア金融危機の再来が懸念されているなか、1998年の経験から、中国政府、香港特区政府は十分に対処できるとギトラ氏は見ている。世界で金融市場が動揺する中でも、業界の関係者らはポジティブな見方を示しているといえるだろう。 (このシリーズは月1回掲載します)
【楢橋里彩】フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。 |
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