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最新号の内容 -20160722 No:1459
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課文221
「夏には夏の養生法で」

 

楊家のチキンスープ

 

 クーラーの効いた部屋から外に出たら、暑くて汗まみれになる。また部屋に戻ると、汗まみれの服装が体を冷やす。暑い、冷えるの繰り返しは体にいいわけがありません。

 

 中医学的には夏には夏の養生法があります。暑さや湿気がこもると、イライラしたり、眠れなくなったり、疲れが取れなくなったり、胃の調子が悪くなったりするので、気をつけて! しっかり動いた後はたっぷり休む。ポイントは「発散」。精神的には内側にストレスを溜め込まないこと、肉体的には汗をかいて体の中に熱を溜め込まないようにすることです。体は食べたもので出来上がるので、夏のしんどさを癒やしてくれるものを食べましょう。

 

 今回は、私が大好きな「暑い夏を元気に過ごすためのスープ」をご紹介します。それは「冬瓜のとろとろスープ」です。体のだるさだけでなく、「肌のくすみ」「体のむくみ」が気になる方におすすめ。むくみとじめじめをとる働きがある「冬瓜」「はと麦」と、うるおいを与えてアンチエージングにも欠かせない「銀杏」を主役にしました。具を入れる前にまずは、基本のチキンスープを作ります。

 

☆楊家の「基本のチキンスープ」の作り方

丸鷄一羽に水2リットル、ショウガの薄切り2枚、塩少々→沸騰したら中火で30〜45分煮る。または、もも肉2枚か、胸肉2枚に水1リットル、ショウガ適量、塩少々→20〜30分煮る。ただ煮るだけなのにコクのある肉が多めのスープができる。だしを取った鶏肉は、スープの具材にしてもいいし、タレをつけて食べたり、サラダのトッピングにも!

 

☆冬瓜のとろとろスープ レシピ

世界一の養生ごはん冬瓜のとろとろスープ
著書『世界一の養生ごはん』にも掲載した冬瓜のとろとろスープ(撮影・高鳥兼吉)

材料(3〜4椀分)

・チキンスープ 1リットル

・水 1リットル

・鶏むね肉 2枚(スープをとったものでもよい)

・冬瓜 400グラム(皮と種は使わない)

・はと麦 1/2カップ

・銀杏(水煮)6個

・塩 適量
 

作り方

1)水にはと麦と銀杏を入れ、やわらかくなるまでゆで、お湯をきる。

2)冬瓜は皮をむいて1センチ幅に切り、沸騰させたチキンスープでやわらかくなるまで煮る(鶏肉も)。煮えたら、ミキサーにかける。

3)2に1を入れ、塩で味を調える。器に盛り、ほぐした鶏肉を載せる。

4)出来上がり!                 

 

(このコーナーは月1回掲載)

筆者・楊さちこ



1961年大阪生まれ(国籍:日本)
南京中医薬大学・中医美容学教授・中医学博士
日本と香港・中国のアジアンコスメブームに火をつけた第一人者。大学では「高木祐子奨学金基金」を設立し、中医学の社会的地位の向上に尽力。「いつまでも美しく」をモットーに美に関する商品開発をはじめとするトータルプロデュースを手がけている。その活動の一環として、2014年には『肌がつるんと若返る「ガーゼ洗顔」』(マキノ出版)、『綺麗なひとは、やめている。』(幻冬舎文庫)、『昨日よりも綺麗になる魔法の習慣』(光文社知恵の森文庫)と、永久保存版ガイドブック『72時間で自分を変える旅 香港』(幻冬舎)を上梓。2016年4月に、香港の健康長寿に着目した新刊『世界一の養生ごはん:笑っちゃうほど、調子がよくなる!』を発刊。