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最新号の内容 -20160624 No:1457
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日本のアニメ・ゲームの祭典
第7回C3日本動玩博覧2016

 香港からの訪日客が昨年末は150万人を超えており、今もなお衰えを知らない「日本ブーム」。こうした過熱した人気の背景には、日本のサブカルチャービジネスの香港市場拡大や国際規模のイベントなどにある。今回のイベント最前線は、今年2月に開催された日本のアニメ・ゲーム・サブカルチャーの祭典「第7回C3日本動玩博覧2016」を紹介する。

会場の様子


 2月19~21日、湾仔の香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで開催された「C3 日本動玩博覧2016」。C3というのは「Character」(キャラクター)、「Culture」(カルチャー)、「Contents」(コンテンツ)を意を表す。日本からのアニメコンテンツ事業関連の企業が60社近く出展し、過去最大規模となった同イベントは、今年は少しでも早く会場をオープンにして多くの方に楽しんでもらおうと、例年より早い正午からのスタートだった。会場では香港のみの限定販売商品や、日本では実現していないイベントショーなどもあり、期間中は23万人もの熱気に包まれた。

 初日は金曜日にもかかわらず多くの学生の姿が見られたが、春節関連で休校だった学校が多かったようだ。「毎年この時期のイベントを楽しみにしている」と両手に抱えきれないほどのフィギュアやプラモデルなどを持っていた学生たち。日本のアニメをみて育ったので、常に日本の文化が周りにあると話す人が多く、いかに日本のサブカルチャーが香港にしっかりと根付いているのがわかる。

 

「ウルトラマン」ハヤタ隊員役の黒部進さん

 

 特に多くの人で混雑していたのはゲームエキシビションコーナーだった。様々な試遊台が設置され、待つ人の長い列ができていたほどだ。ここでは、日本の最新ゲームを試遊することができ、感触を確かめながら楽しまれている人が多くいた。

 また期間中には「世界コスプレサミット」の出場者を決める予選大会が開かれ、多くのアニメキャラクターのコスプレイヤーで賑わった。「世界コスプレサミット」とは世界コスプレサミット実行委員会が開催しているコスプレの世界最大のイベントのこと。2003年から始まっており、毎年夏に決勝戦が開催される。昨年は28カ国・地域からコスプレイヤーたちが参加している。

 ほかにもイベントの見どころは、日本でもなかなか見ることができないスペシャルイベントが目白押しということ。今回はSKE48のメンバー6人によるスペシャルステージや、TRUEと黒崎真音によるアニメソング・スペシャルライブ、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」より三日月・オーガス役の河西健吾さん&オルガ・イツカ役の細谷佳正さんによるスペシャルイベント、ウルトラシリーズで1966年に放送された初代「ウルトラマン」ハヤタ隊員役の黒部進さんによるスペシャルトークイベントが開催された。

 

黒部進さんとウルトラファミリー

  会場期間中は毎日現場に来ていたが、最終日の21日に開催された「ウルトラヒーローズ スペシャルトークライブ イン 香港」の盛り上がりは特に印象深い。香港でもウルトラシリーズは大人気だ。昨年7月には、「ウルトラヒーローズ アクロバトルクロニクル」の海外版として「ULTRA HEROS ACROBATTLE LIVE」が香港、台湾、マカオなどのアジア地域で開催されている。

 会場では歴代のウルトラマンシリーズのヒーローたちがステージショーを繰り広げ、大人から小さなお子さんまで幅広い世代のファンの大歓声が沸いた。

 イベント後、「ウルトラマン生誕50周年」を今年7月に迎えるなか、黒部さんに率直な思いを伺った。「50年にもわたり、シリーズが続くとは思っていなかった。制作スタッフもさることながら、ここまで支えてくれた多くのファンのお蔭。これからも60年、70年とシリーズは続いていくことを信じている」と、感謝の気持ちを述べた。続けて「ウルトラマンは私の人生の全てです。もし今後シリーズのなかでハヤタ隊員の出演オファーがきたら杖をついてでも出演したい」とウルトラマンへの深い愛情を感じる場面も見受けられた。

 1960〜70年代、毎週日曜日午後7時からの放送時には「銭湯から子供たちが消える」と言われるほど人気が上昇したウルトラマンシリーズ。最高視聴率40%を超える番組となり、国民的番組と化していた。ウルトラシリーズの中でも初代ウルトラマンは、最も少ない39回の放送だった。回数が少なかった理由については「当時特撮に慣れていないかったので、毎週放送に間に合わせるように制作するのが大変だった」と話す黒部さん。当時は1本撮るのに1カ月かかっていたのだそう。当時の隊員たちのスチール写真を持参した香港人記者から見せられると「懐かしい。おれが一番ハンサムだ!」と記者会見会場に笑いを誘った。

 出展した日系企業に話を伺った。BANDAI NAMCO ASIAマネジャーの飯塚航也氏は、香港をはじめ、台湾、タイなどは、特に日本のサブカルチャーが受け入れられている場所なのだと話す。昨夏に銅鑼湾タイムズスクエアで行われた期間限定ガンダムのモールイベントは大好評だったようで、他国からのオファーがしばらく続いたのだとか。「香港は日本のサブカルチャー文化の発信基地」として、さらに可能性をのばしていきたいと意気込みを語ってくれた。

SKE48メンバーによるステージ

  同イベント開催当初から企画・プロデュースを手掛けてきた株式会社創通代表取締役社長・出原隆史氏は「日本と香港との間に情報格差はないので、リアルタイムに日本のアニメを楽しまれる方が多く嬉しい。多くの香港のアニメファンの期待にしっかり応えられる自信あるコンテンツとなっています。こうしたイベントでさらに日本のサブカルチャーに親しみをもっていただき、日本に来ていただいて本場のアニメを楽しんでもらえたらうれしい」と語った。

 香港での日本のアニメ・ゲームといったサブカルチャー人気は熱を増すばかりだ。

(このシリーズは月1回掲載します)

【楢橋里彩】フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。
ブログhttp://nararisa.blog.jp/