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最新号の内容 -20160624 No:1457
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メルマガ『日刊香港ポストe-mail版』
5月30日~ 6月10日のニュースから抜粋
(月金曜に毎日配信)

 

■銀行のハッカー被害、4600万ドル

  ハッカーによる銀行口座からの窃盗がこのひと月あまりで劇的に急増している。5月27日付香港各紙によると、これは香港金融管理局(HKMA)が香港上海銀(HSBC)、恒生銀、中銀香港、スタンダードチャータード銀の4大銀行からの被害届をまとめ、判明したもの。年初から4月20日までで2行計8件で686万ドルにとどまっていた被害が、5月26日まででは4行計22件、被害総額は4597万ドルと、このひと月内だけで6.7倍にも膨れ上がっているという。HKMAでは各行に対しネットバンキングやネットを使った金融取引の安全対策の強化を呼びかけているが、すでに各行では、ワンタイムパスワードやセキュリティーデバイスなどを導入しネット犯罪防止に注力しており、セキュリティーのさらなる高度化が要求される事態となりそうだ
 

■女学生狙う「水曜日の手袋色魔」を逮捕

  毎週水曜日に手袋をはめて犯行に及んでいた色魔が5月25日、逮捕された。27日付香港各紙によると、4月に石硤尾団地の周辺で学生服を着た少女を狙った色魔の出没が続いた。犯行は4月13、20、27日というように毎週水曜日で、被害者3人はいずれも12歳で、首をしめられ、胸をつかまれたり、おしりを触られたという。目撃証言によると、犯人は20〜25歳でバックパックを背負い、白や黒の手袋をはめており、警察では3つの事件は同一人物による犯行とみて、付近の防犯カメラの映像を解析するなど捜査を進めていた。容疑者は仕事柄、毎週水曜が休みだったことから、自宅から400メートルほどの距離にある団地に出向いて犯行に及んでいたという。
 

■80年代アイドル、ダイエットで死亡か

 1980年代にアイドルとして活躍していた女優の羅明珠さんが5月27日に亡くなった。28日付香港各紙によると、死因は心臓病で、過度のダイエットが引き金になったとみられている。1968年生まれの羅さんは15歳でデビュー。映画『開心鬼(ハッピーゴースト)』に出演し、初代「開心少女組」のメンバーとして活動していた。数本の映画に出演したものの4年後にカナダの大学に進学し、大学卒業後は芸能界を引退して金融関係の仕事に就き、上場企業の執行董事を務めるまでになっていたという。最近になって女優として復帰し、ネット配信向けのドラマに出演。数年前に自律神経のバランスを崩してから太ってしまったため、完全復帰へ向けてダイエットに励み、10ポンド以上痩せてそのドラマに撮影に臨んだそうだ。27日は夜分に外出を控えていたが、寝室で少し休むと言ったきり姿を見せず、数時間後に専属ドライバーが通報。自宅でダイエット薬らしきものが見つかり、警察が成分を調べているという。
 

■公民党員、占拠行動の警官襲撃で判決

  九龍城裁判法院は5月30日、公民党の曽健超氏に対し警官襲撃と逮捕拒否の罪で禁固5週間の判決を下した。31日付香港各紙によると、曽氏は「セントラル占拠行動」が行われていた2014年10月15日、特区政府本庁舎周辺の竜和道トンネルの上の花壇から下方にいる警官11人に対し異臭のある液体を放ち、制止しようとした警官に抵抗し逮捕を拒否。その後、警官7人に暴行を受ける事件に発展した。九龍城裁判法院は5月26日、起訴された5件の罪のうち警官襲撃1件と逮捕拒否2件について有罪と断定。30日に禁固5週間の判決が下されたものの、保釈が認められた。弁護人は社会奉仕などの刑を求めたが、裁判官は「被告の行為は警官に対する極めて重大な侮辱と挑発で、反省の色も見られない」ことから実刑判決を下したと述べた。曽氏は判決を不服とし、すでに上訴を申請。目下の任務は6月1日開廷の警官7人による暴行事件の裁判での証言と述べた。法廷の外では曽氏の支持者らが黄色い傘を掲げて声援を送り、それに不満を持つ市民とののしり合いになった。
 

■空港使用料8月から、70〜180ドル

  導入が検討されていた空港使用料だが、徴収開始日が8月1日に決まった。5月31日付香港各紙によると、徴収対象は香港出発便の搭乗客と乗り換え客で、金額は70〜180ドルと飛行距離や座席の種類によって変わる。一番安い70ドルが短距離路線の乗り換え客で、短距離路線のエコノミークラスは90ドル、長距離のエコノミーまたは短距離のビジネスクラス以上は160ドル、最も高額な180ドルは長距離でビジネスクラス以上となっている。徴収は8月1日以降に発券される航空券に上乗せされる形で、それ以前に支払いを終わっている場合は対象外。つまり7月末までに支払うと航空券を安く買えることになる。徴収した空港使用料は第3滑走路の建設費用に充てられ、8年後の完成が見込まれるが、徴収期間は最長で2031年まで予定されている。
 

■ミシュラン掲載店の点心にサルモネラ菌

  食物安全中心は5月31日、『ミシュランガイド』でたびたび1つ星を獲得している点心専門店「添好運」深埗店の点心のサンプルから基準値を超えるサルモネラ菌が検出されたと発表した。6月1日付香港各紙によると、食物安全中心は深水埗福栄街にある同店でチャーシュー腸粉やチャーシューまんを食べた後で具合が悪くなったという市民から通報を受け、チャーシュー腸粉のサンプルを検査した。基準値を超えるサルモネラ菌が検出されたため、食物安全中心は同店にチャーシュー腸粉の販売中止と店内の徹底清掃と消毒、製造過程の検査・改善を要求。その点心を作った調理師の検便も必要だと指摘した。

 

■東亜銀行が180人の人員削減を発表

   東亜銀行が6月2日、大規模な人員削減を発表し、各界に衝撃を与えている。3日付香港各紙によると、対象となったのは180人で、約4700人いる全職員の3.8%にあたるという。それに伴い、香港内で22カ所ある証券窓口の業務を7月8日をもって終了することも明かされた。同行では今回の措置を、ネットによる株式売買が主流になったためと説明しているが、額面どおりに受け止める声は少ない。香港銀行業雇員協会の陳勇平・幹事は「ネット取引の影響は限定的だ。実際の要因は株取引の減少による手数料収入の落ち込み」と指摘。香港証券学会の李細燕・会長も「東亜はリーマンショック以降、証券部門の縮小の機会をうかがっていた。昨今の市況の動きからも判断したのだろう」と分析している。
 

■ロクシタン、香港・マカオで店舗縮小

  香港で株式上場しているフランスの化粧品会社、ロクシタンが2016年度の決算を発表した。6月7日付香港各紙によると、総売り上げは12億8300万ユーロと前年度比8.9%アップとなったが、純利益は1億1000万ユーロ、同9.84%と大幅に下落した。利益減少の主な理由としては、為替差損の690万ユーロと、フランス国税庁との間で起きた課税争議に対する和解金1460万ユーロの支払いが大きく響いたという。一方、香港の売り上げについては、同社のアンドレ・ホフマン副主席兼亜太区董事総経理が香港マカオ地区の既存店売り上げが同17.2%減と世界でも最も悪い結果となったことを明かした。悪化の原因は中国本土からの観光客の減少で、今後は香港市民の顧客を重視していくと述べた。ただ店舗数については、香港とマカオで1店舗ずつ閉店、以降は賃貸契約の更改時に賃料との兼ね合いを考慮して更新を決定したいと店舗数縮小に含みを持たせた。

■鳥インフル、活鳥4500羽を殺処分

  屯門の街市(公設マーケット)の活鳥のふんのサンプルから鳥インフルエンザ(H7N9型)ウイルスが確認されたため、6月5日から香港域内での活鳥供給が停止されたが、当局は6日の会議で7日に長沙湾の家きん類臨時卸売市場で活鳥4500羽を殺処分することを決めた。ではウイルスは検出されていないものの、安全措置を取り、殺処分と消毒を行う。7日付香港各紙が伝えた特区政府食物及衛生局の高永文・局長の談話によると、漁農自然護理署が香港域内の養鶏場9カ所を視察し、1農場あたり鶏60羽分の首と血液のサンプルを採取して簡易検査を行った結果、すべて陰性だった。7日にはさらに20カ所で検査を行い、その結果ウイルスが検出されなかった場合、活鳥の供給を再開できるという。
 

■バス運転士、半数近くが勤務中に眠気

  近年、バスの事故が増えているが、運転士のほとんどが超過勤務であることが分かった。6月7日付香港各紙によると、民間争取標準工時連盟が香港のバス3社の運転士76人にを対象に行ったアンケートの結果を発表。76人中74人は毎週超過勤務をしており、うち78%が毎週50〜60時間残業していると回答した。60時間以上残業している人は5%いた。睡眠時間については、回答者の75%が毎日平均7時間以下だと答え、回答者の47%が勤務中に眠気を感じたことがあると回答。同連盟は運輸署と立法会の資料を例に挙げ、2014年は毎月平均195件のバス事故が発生しており、フルタイムおよびパートタイムの運転士の総数200人から推算すると、6人のうち1人が事故を起こしたことになると指摘。勤務環境の改善を要求している。 


保存工事中の旧警察署、建物の一部が崩落

  歴史的建造物として保存と再利用計画が進行していたセントラルの旧中区警察署の建物の一部が崩落する事故が起きた。5月30日付香港各紙によると、崩落が起きたのは29日の夜10時ごろ。修復工事を行っていた外壁の一部(およそ8メートル×10メートル)が、「ゴゴゴ」という地鳴りのような音を立てて突然崩れていったという。現在、レンガや支えていた鉄筋などが瓦礫の山と変わり果て、高さ10数メートルまでに及んでいる状態だ。消防署と警察では崩落原因について調査を進めており、また、崩落に巻き込まれた人がいないか確認を急いでいる。特区政府ではこの旧中区警察署と中央裁判司署跡、ビクトリア監獄跡を併せて1995年に歴史的建造物に指定。18億ドルをかけ補修や修繕作業が行われ、今年末には「モダンアートセンター」として生まれ変わり、市民に開放される予定だった。