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最新号の内容 -20160325 No:1451
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《新連載》

 

香港国際ライセンスショー(前編)

 ライセンスビジネスの展示会としてアジア最大規模といわれる「香港国際ライセンスショー」が湾仔にある香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで1月11〜13日に開催されました。今回から始まる「イベントリポート」では第1弾としてこの展示会を2回にわたり取り上げます。
 

ジャパンパビリオンに23社

 香港貿易発展局(HKTDC)が主催するこのイベントは今年で14回目。アニメーション&キャラクター、アート&デザイン、エンターテインメント、ファッション&ライフスタイル、スポーツなどのカテゴリーに分かれ、15カ国・地域から約330社・団体が出展、800を超えるブランド、400を超えるビジネスマッチングが繰り広げられ、期間中は2万人以上が訪れました。今回の特色として「Food and Beverage Licensing Zone」が新たに設けられたほか「Art Licensing Zone」「Hong Kong Creative Gallery」などがテーマ別に開設されました。

 日本のライセンスビジネスは世界的にも重要な産業のひとつ。日本で作られるキャラクターは、ゆるキャラ、癒やし系から可愛らしいもの、クールなものまで幅広く、世界で人気のキャラクターも多いです。ジャパンパビリオンは毎年一般社団法人キャラクターブランド・ライセンス協会が運営していますが、今年は独立行政法人・日本貿易振興機構(JETRO)との官民連携で共催しました。

 今回のジャパンパビリオンブースは23社40小間と、過去最大規模となり、海外ビジネスパートナーとの新規取引など販路開拓を目指しました。また広報ブースを設け今年40周年を迎える「ハローキティ」など、日本が強みをもつキャラクターIPの先進活用事例を紹介、キャラクター大国・日本をPRしました。


 開催初日の11日には内閣官房知的財産戦略推進事務局の横尾英博・局長立ち会いの元、HKTDCとCBLA(Character Brand License Association)のMOU調印式とテープカットが行われました。

 2日目の12日には今回初の試みとして日本—香港共催セミナー「日本のライセンスビジネスの最新動向と分析」が開催されました。講演者は以下の通りです。

・一般社団法人キャラクターブランド・ライセンス協会理事 陸川和男氏、
・Brands United Limited ライセンシング&ブランドマネジメントディレクター スタンリー・チャン氏
・テレビ東京コミュニケーションズ経営管理本部 企画部部長 西野祐人氏
・学校法人専門学校東洋美術学校 副校長 中込大介氏

 日本のライセンス業界の専門家がライセンスビジネスの現状、トレンド、日本製コンテンツの香港やアジア市場での今後の展開についてスピーチし、会場は業界関係者で満席でした。

 ジャパンブースで一際賑わっていたのが「コップのフチに舞い降りた天使 コップのフチ子」を取り扱う台湾に本社をもつ株式会社サンバイトクリエイティブ。「コップのフチに舞い降りた天使 コップのフチ子」は2012年に玩具メーカー「奇譚クラブ」が漫画家「タナカカツキ」氏と共同開発したカプセルトイ。いわゆるガチャポン商品として売り出されたのが最初で、発売と同時にWEBやツイッター、SNSで瞬く間に広がり1週間で10万体を出荷。13年6月には第2シリーズ、14年6月には第3シリーズ販売となった大ヒット商品です。累計1000万体以上を売り上げています。

 サブカルチャーファンに受けているのかと思いきや、幅広い年齢層、特に女性に人気があるのだそう。人気のヒミツはOL風の格好をしたフチ子のなんともいえない、はにかんだような微笑み。この表情に癒やされる人が多いそうです。現在はカプセルトイの枠を超えて、グッズ化、書籍化、企業キャンペーンなどに引っ張りだこ。香港でも数年前から徐々に人気が出始めモールイベントなども開催されていますが、今後も人気が高まりそうです。同商品を取り扱い日本のキャラクターに対する香港と台湾の版権エージェント事業を展開している株式会社サンバイトクリエイティブ営業部の呉よしこさんにお話を伺いました。

 「香港では昨年より販売しているためすでに認知度は上がっています。特に香港市場の特徴は商品化などよりモールイベントといった形でのキャラクターマーチャンダイジングが強く、これまで開催したものは感触がとてもいい。一方で日本は商品から、台湾はキャラクターコラボレーションから人気が出る傾向が強いという具合に、国、場所によって大きく異なります。それぞれの特徴をうまく引き出して新たなビジネス展開を狙いたい」 

 アーケードゲーム、コンシューマーゲーム、携帯電話コンテンツの開発、販売を手掛ける株式会社バンダイナムコエンターテイメント。お話を伺った熊谷美智子さんは、今回のイベントでモールイベントを扱う企業との商談が今回多かったと振り返ります。「これまで弊社のライセンスビジネスは受け身体制でしたが、これからはより積極的に展開したいですね。香港は特にキャラクターのニーズも高まっていることもあり、私たちも重要なマーケットとして積極的に展開しています」。それに加え最近では中国本土やインドの企業などといった、ゲームが知られキャラクターの認知が高いエリアからの商談が多いそうです。「ライセンスは商品化がメーンになるので、日常的に手に取るような雑貨類、日用品、食べ物などにキャラクターが使われ、身近に感じてもらえるようになりたい」と話しました。

 映像制作、コンテンツプロデュースを手掛ける株式会社ファンワークスは初出展。同社代表取締役の高山晃さんによると、最近は海外アニメーションとの共同制作などが増えているそうで、今後の方向性を考え出展に至ったそうです。

 「実際に出展して良かったと思ったのは、キャラクターのライセンスがここでできること。またライセンスを広軌に考えると、ここで出展することで今後のビジネスのヒントになると感じました」。急激に増えているのが中国本土の映像関連の企業からのオファー。同時に日本の市場やコンテンツが頭打ちになったり、通用しなくなっている現状を肌で感じているそうです。

 高山さんは「今、日本市場はイノベーションを作る時期にきていると思います。特に香港やシンガポールのようなハブになっている場所でこうしたイベントを開催し、日本のキャラクターのメーンプレーヤーが一堂に会することは非常に意味があります。環境を変えたところで日本企業同士の情報交換ができるのもいいと思っている」と今回の出展に満足した様子でした。

(このシリーズは月1回掲載します)

【楢橋里彩】フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。
ブログhttp://nararisa.blog.jp/