香港ポスト ロゴ
  バックナンバー
   
最新号の内容 -20151120 No:1443
バックナンバー


楊埕さん
 

2015年ミスインターナショナル香港代表の楊埕(サブリナ・ヤン)さん。東京品川のグランドプリンス高輪ホテルにて、筆者撮影


「退選港姐」の晴れ舞台

 昨年に引き続いて東京品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催されたミス・インターナショナル世界大会(国際小姐世界大賽)を取材した。今年の香港代表はTVBが香港代理権を辞退したため、澳門選美連盟が選考を代行。12人に絞り込まれた候補者の中から選ばれたのは、2014年「退選港姐」の楊埕さんである。

 「退選港姐」(ミス香港の辞退者)と聞くと、「何かスキャンダルでも」と考えそうだが、彼女の場合は表向き「一身上の理由」。一部紙は「彼女が所属していた芸能事務所が、TVBとの契約問題で難色を示した」と推定している。

 実際、昨年のミス香港(香港小姐)では女優の張柏芝(セシリア・チャン)の再来と注目され、優勝候補の第一に挙げられていた。入選すればTVBと1年間の専属契約となるから、背景はそのへんにありそうだ。


 

サブリナ・ヤンさんの民族衣装のステージ。筆者撮影


 ミス・インターナショナルは、日本国内でもミス日本などに比べ拘束の少ないことで知られる。世界大会では、凡そ3週間の外景拍撮(プロモーション撮影)を兼ねた親善活動や体験学習などが組まれるが、入選しない限り、終われば「普通の人」に戻れる。すでに香港で芸能活動を始めている彼女としては、このくらいが丁度いいのだ。

 思いがけない世界大会の切符に興奮したのは本人だけではない。「『清純なセシリア・チャン』が国際小姐に参戦、楊埕 が鼻血ブー(噴血)のビキニ姿披露」(蘋果日報電子版)などと香港メディアも興奮気味。女優として大成すれば、伝説の水着姿となるかもしれない。

(このシリーズは月1回掲載します)

筆者・和仁廉夫(わに・ゆきお)
1956年東京生まれ。香港で第2次大戦期の日本占領史跡などを扱った『歳月無聲』(花千樹出版・中文)を出版。中国ミスコンに関しては、「広州『姿』本主義〜香港返還もう一つの意味」(霞山会『東亜』2009年9月号)がある。