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最新号の内容 -20150714 No:3738
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鉛の水に広がる被害、3万人に影響か

 水道水から基準値を超える鉛が検出された九龍湾の公共団地、啓晴邨の件を政府が正式に認めた。7月13日付香港各紙によると、今回の水質汚染は啓晴邨にとどまりそうもない。水質汚染の原因となった業者が同様の水道工事をほかの団地でも請け負っていた事実が発覚し、住民に動揺が広がっているという。啓晴邨のほかに同一の工事が行われたのは、長沙湾邨、葵盛囲の葵連邨、屯門の龍逸邨、沙田の水泉澳邨の4団地。影響を受ける住民は合計で3万人近くにも上るとみられる。政府は即時に調査本部を設置、水道水の水質検査を開始するなど対策に乗り出しているが、住民に対しては啓晴邨で飲用水の配給を開始したのみで、健康診断や水道設備の交換などについてはいまだ決まっていない。問題の業者は中国建設(香港)の孫請けの個人業者で、業界経験は20年を超えるベテランだが、専門家の間には、その業者が使用していた中国本土製の蛇口に問題があったのではないかと指摘する声もある。水務署や房屋署ではこの業者に対し刑事告訴も辞さない構えだが、中国建設も訴追対象になる可能性も示唆している。【関連記事】