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最新号の内容 -20150602 No:3709
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MERS、患者との密接な接触者を隔離

 香港を経由して広東省を訪れた韓国人男性の中東呼吸器症候群(MERS)感染が確認されたことを受け、香港の衛生当局はこの患者と同じ飛行機や長距離バスに乗っていた乗客らを追跡調査した。6月1日付香港各紙によると、アシアナ航空機で患者の座席に近い2列の乗客(密接な接触者)29人のうち、11人はすでに香港を離れており、18人については検疫を行って隔離施設に移送した。6月1日正午時点で、18人にいずれも症状は出ていない。このたびの追跡調査中、韓国人女性2人が隔離を拒否し、2人が滞在していた銅鑼湾の伊利莎伯大厦は一時騒然となったが、在香港韓国総領事館の職員の説得をへて隔離施設に送られたという。一方、飛行機の同じ便の同乗者と沙頭角発恵州行きバスの運転士・乗客ら(接触者)23人にも今のところ症状は出ておらず、医学的な経過観察を行っている。同便で韓国旅行から帰国した中学生1人が通う培僑中学ではその学生と家族1人が隔離措置を受けており、同校では校内を消毒したほか校門で赤外線による体温計測を実施していると発表した。現在、検疫センターが置かれ隔離施設とされているのはキャンプ施設「西貢北譚涌麦理浩夫人渡假村(レディー・マクレホース・ホリデー・ビレッジ)」で、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、09年のインフルエンザ(H1N1型)流行の際も隔離施設として使われた。警察は同施設から約100メートルの地点に臨時の検問を設け警戒にあたっている。食物及衛生局の高永文・局長はMERSの潜伏期間は2~14日で、もし潜伏期間内に密接な接触者に何も症状が出なければウイルス伝播の可能性は比較的低いと話している。【関連記事】