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最新号の内容 -20141107 No:1418
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ハイエンド商品需要高い香港

 経済のグローバル化が進む中、自らの組織のために粉骨砕身するリーダーたち。彼らはどんな思いを抱き何に注目して事業を展開しているのか。さまざまな分野で活躍する企業・機関のトップに登場していただき、お話を伺います。 (インタビュー・楢橋里彩)

 

 

Canon Hong Kong Co.,LTD.
社長 美野川久裕さん

【プロフィール】
 1963年横浜市出身。1985年慶應義塾大学経済学部卒業、キヤノン株式会社入社。マレーシア、タイ、北京・成都・上海、香港のアジア地域で20年間勤務。好きな言葉は「練習は不可能を可能にす」(母校の小泉信三先生の言葉)。趣味はゴルフ、サッカー観戦。

 

    
 
 

——ここ数年の香港市場をどうみていますか。

 香港はかなり特殊な市場です。特に高級なもの、高品質なものがとても売れる傾向があります。一方でコンパクトカメラだとIXYはあまり売れません。PowerShot G7 Xなどのような高品質、高性能のものがよく売れます。

 

——何が要因だと思われますか。

 香港の人々はハイテクノロジー、ハイセンスなものを非常に求めます。通常はローエンド商品が一番よく売れ、高品質なハイエンド商品は数は少ないというのが世界的な傾向ですが、香港は全く別です。人口は少ないですがカメラの売り上げは半端でないですね。このため香港は人々の感度を見分けるにはすごく参考になる場所です。香港でどれだけ売れるかということはキヤノン全体にとっても、ひとつのベンチマークになっていますし、それが新しい技術のフィードバックにもなる大事な市場です。
 

——ミラーレスEOSMとM2も両方販売していないのは香港だからですか?

 そうです。MとM2の大きな違いはAF(オートフォーカス)の速さですが、香港の人たちはそれだけだと興味を示しません。そういう意味でM2をスキップしました。中国本土では両方販売していますが香港はMだけです。ハイテク好きな香港人だからこそ性能技術が大きく向上したものを出した方が売れるのです。
 

——コンパクトカメラの市場が縮小していることは業績に影響していますか?

 コンパクトカメラ市場は全世界で縮小しています。全世界での市場のピークは2007年から08年。原因はスマートフォンといった携帯電話が普及し始めたからです。弊社が一番売りたいのは一眼レフカメラとレンズです。一眼レフカメラはプロの写真家以外では写真を撮るのが好きな人、よりきれいな写真を撮りたい人がお客さまになります。昔と違って小学生のような小さなお子さんも、また多くの女性たちも気軽にスマホで写真を撮りますよね。つまりスマホのおかげで写真人口のすそ野が飛躍的に大きく広がっているんです。そうなると、もっときれいな写真を撮りたいという人も自然に増え、それが一眼レフカメラ・レンズの市場拡大につながっていくと考えています。
 

——御社のカメラ商品といえばAF技術。どんな進化を遂げているのでしょうか。

 11月に販売開始する新商品「EOS7DMark2」は、今まで19カ所にAFを合わせられたのが、65カ所まで増えました。これによって画面端でもAFが確実に合わせられます。例えば電車を撮影する場合、今がチャンスだと思っても、ずれることありますよね。この商品の優れているところは動いてるもののスピードを計算して、シャッターを切るときに、すでにここにきているだろうと推測して、フォーカスを合わせられるというものなんです。確実にAF技術はますます進化しています。
 

——日中関係が芳しくない今、中国市場ではどう響いていますか。

 おかげさまでキヤノンブランドは、中国ではすごく受け入れられているんですよ。うれしいですね。尖閣問題が起こったころは国全体として日本製品の不買運動があったのでその時は多少は影響はありました。ですがそれでも中国ですごく受け入れられており、いつも海外ブランドではトップランクに入っています。
 

——御社の強さは何なんでしょうね。

 戦後以降の高度成長期時代にレンズの技術をしっかり磨いたということが大きいでしょうね。これが今に確実に引継がれていますし、カメラのみなら複写機やプリンター、そして医療機にもわれわれのレンズ技術が多いに生かされているんです。レンズ技術は安易に向上させることは無理ですので。
 

——今後の展望は。

 香港ではもっと愛される商品を作って、愛され続けるブランドであり続けたいと思います。また今後はさらにキヤノンでは医療機器開発にも力を入れていきます。センサー技術、画像技術といったものからDNA診断まで幅広く考えています。弊社のもつ可能性をさらに広げ、医療ニーズにも応えていきたいと思います。

(この連載は月1回掲載します)

    

【楢橋里彩】フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後07年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動と幅広く活躍中。

ブログhttp://nararisa.blog.jp/