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最新号の内容 -20110128 No:1325
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もうすぐ春節(旧正月/今年はニ月三日が元日)がやって来る。香港では年末から新年にかけて旧正月ならではのさまざまなイベントが予定されている。中でも香港域内の十四カ所で行われる花市は毎年、大きなにぎわいを見せる。花市の楽しみ方とともに年明けのナイトパレード、花火大会を紹介する。     (構成・編集部)


 

今年の花市は1月28日から始まり、大みそか(2月2日)の夜に終了する。写真は最もポピュラーなキンカンの鉢植え。中央は水栽培のスイセン(上、下ともに資料写真)

歳末ムード盛り上げる縁起の良い花々

 中国では家の中に花があることは「花開富貴(花が開くように金が満ちあふれ、金持ちになる)」と縁起が良いので、普段家に花を飾らない人でも新年には花を買い求める。
 また、良い香りは幸福を運ぶといわれ、香りのある花は特に喜ばれる。実を結ぶものも子孫繁栄につながるので鉢植えは大きな実がたくさんなる株を選ぶ。


 
正月気分を満喫
 しかし花市で買う花や鉢植えはあくまでも旧正月のためのインテリア。来年も咲かせようとする人は少ない。吟味を重ねた鉢植えでも、旧正月を過ぎると惜し気もなく捨ててしまう人が多い。だからといって造花で過ごすのは正月気分が出ないし、プライドが許さない。年始回りの客に去年と同じ花を見せるわけにはいかないからだ。

三大花市とは 
 香港の三大花市はコーズウェイベイのビクトリア公園、プリンスエドワードの花墟公園、荃湾沙咀道で開催される花市だ。特にビクトリア公園は香港最大といわれ、にぎわうことで知られる。
 おもちゃや風船などの雑貨を売る露店も多く、見て歩くだけでも楽しい。中でも風車は景気が良くなるよう祈願する風水アイテムとして人気がある。   
 また鉢植えや生花の露店では大みそか午前零時を過ぎると値段を下げるところもあり、深夜三、四時以降は切り花などを投げ売りする店もある。

定番の鉢植えと花

キンカン(金桔/ガムガッ)
 桔は広東語でガッと読み、吉(ガッ)と同じ発音なのでめでたい。黄色い実がなる様子から実を黄金に見立て、たくさん大きな実がなっているのが「大吉(ダイガッ)」で縁起が良いとされる。金桔に似た品種に金棗(ガムジョウ)というキンカンもある。キンカンの実は丸く、とても酸っぱいので生では食べない。汁を搾ってレモンやハチミツを混ぜてジュースにしたり、砂糖漬け、リカー漬けにするとのどの薬になり、せき止めによい。金棗はだ円形の実がなり、そのままでも食べられる。金棗の実も砂糖や酒に漬けてのどやせきの薬にする。砂糖漬けにしたときには金棗の方がおいしい。キンカンの金色の実の間にお年玉「利是(ライシー)」を入れる赤い袋を下げると正月気分が盛り上がる。立派なキンカンを探しにわざわざ新界まで出掛ける人も多い。年始回りで人の家を訪問したら、小さいキンカンであっても「大吉、大吉」とほめるのが礼儀。

ミカン(蜜柑/マッガム)
 実を黄金に見立てるキンカンと同じ理由から旧正月の定番となっている。大型の夏みかんタイプも人気がある。

スイセン(水仙花/ソイシンファ)
 良い香りが幸せを運んでくるといわれる。日当たりの良い場所に置けば、たくさんの花を咲かせる。水栽培も簡単。つぼみや花の数で値段が決まり、花市でも値段の張る鉢植えの一つだ。

ツノナス(五代同堂/ンートイドントン)
 花も葉もなく枝に黄色い果実がなっているだけの奇妙な植物だが、実に五つの突起があることから、家族五世代が一堂に会した様子に見立てられる。


万年竹(富貴竹/フークヮイジョッ)
 もともと台湾や中国本土で神棚の飾りに使われてきた縁起の良い植物。上に伸びる青い葉が開運を意味し、水栽培もできる丈夫なところが人気。

桃の花の枝(桃花/トウファ)
 家の中で桃の花が開くとめでたい雰囲気が増すので、できるだけ花が大きく、つぼみがたくさんついたものを選ぶのが基本。かなり大きいので鉢植えではなく切り枝で売られている。赤い紙に包んで巨大な花束のようにして持って帰り、家ではバケツに挿して生けるのが一般的なようだ。桃の花は「良縁を運ぶ」といわれることから、真剣に品定めをする女性も多く見掛ける。


 
名前がめでたい花
・カルセオラリア(荷包花=財布/ホーパウファ)
・サイネリア(富貴菊=金持ち/フークヮイコッ)
・プリムラ(長寿花=長生き/チョンサウファ)
※花の呼び名は店によって異なる場合あり

独特の正月飾り 
 
 生花以外に正月ならではの飾り付けと言えば、縁起の良い言葉を書いた赤い紙だ。これは「春聯」といい、玄関や門に飾る。中国本土では元来「対聯」という七文字の対句を用いるが、香港では四文字の「恭喜発財」など、「揮春(祝い言葉)」を使う。揮春は文具店やデパートなどで手に入るが、旧正月の二週間ほど前になると街頭でも売り始める。金色の墨汁でめでたい言葉を手書きする屋台も人気だ。揮春の言葉はそのまま新年のあいさつにも使えるものが多い。ポピュラーな言葉には以下のようなものがある。

新年快楽(あけましておめでとう)
恭喜発財(財産ができますように) 
金玉満堂(家の中が宝で満ちますように)
年年有餘(毎年余禄がたまりますように)
生意興隆(商売がうまくいきますように)
合家平安(一家が幸せになりますように)
出入平安(平穏無事に過ごせますように)
龍馬精神(竜馬のように勢いよく)
如意吉祥(思い通りにいきますように)
 


国際色豐かに新春のナイトパレード

昨年までの旧正月ナイトパレードの様子※資料と写真提供・香港政府観光局

華麗なパフォーマンス
 旧正月元日晩には恒例の「キャセイパシフィック・旧正月インターナショナル・ナイトパレード」が行われる。今年は十一カ国・地域から計三十六の山車やパフォーマンスグループが「World City. World Party」をテーマにチムサーチョイを練り歩く。ドラゴンダンスやライオンダンスなどの中国伝統芸能とピエロやマーチングバンドなどが見られる。
 時間は二月三日夜八時から九時三十分、ルートは香港カルチュラルセンターを起点に広東道、海防道、ネーザンロードを通り、終点はソールズベリーロード。

日本からも参加
 日本からは「鹿児島  おぎおんさぁ 女神輿」と「九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)」の二団体が参加を予定している。また鹿児島県出身の俳優で画家でもある榎木孝明さん=写真=が日本チームを応援するため来港し、このナイトパレードを鑑賞する。榎木さんは二月四日の午後には一田百貨(YATA)大埔店で行われる鹿児島観光キャンペーンにも出演予定。

旧正月必見のイベントである海上花火。
※資料と写真提供・香港政府観光局

真冬の花火大会
 花火は日本では夏の風物詩だが、ここ香港では旧正月二日(二月四日)の晩に海上花火が楽しめる。今年は二十三分二十三秒にわたり、計三万一千八百八十八発をビクトリアハーバーから打ち上げる。テーマごとに計八幕に分かれ、第二幕では二〇一一の数字とともに今年の干支であるウサギのかわいらしい絵が浮かぶ。第五幕では「I♡HK」という文字に注目しよう。